【スリング徹底解説】クライミングで必要な知識と使い方!用途別おすすめスリング14選
スリングはクライミングでの必須装備です。しかし、種類が多すぎて何を選べば良いのか分からない人も多いです。とりあえずお店の人から言われるままに買ったり、なんとなく買った物を持ち続けたりしがちです。
この記事では、スリングの基礎知識から実践的な使い方まで徹底解説します。現場で培ったスリングの知識と経験を出し惜しみしていません。この記事を読むと何を選べばよいかが分かります。
↓用途別おすすめベスト5↓
| ブランド/商品名 | 特徴 | 参考価格(税抜き) 2026.3現在 | 長さ展開(cm) | ページ内移動 |
| コスパで選ぶならコレです | 1,700円 (120cm) | 60,120,180,240 | 詳細を見る | |
ブルーアイス/アルパインランナー | 終了点構築に最適 | 2,900円 (110cm) | 35,55,90,110 | 詳細を見る |
| 縫い目の段差がない。使いやすいスリングを選ぶならコレです | 2,500円 (120cm) | 60,120,180 | 詳細を見る | |
ロックエンパイア/12mmダイニーマスリング | 初心者でも扱いやすい太さです。視覚的にも安心。 | 2,440円 (120cm) | 30,60,80,150,180,240 | 詳細を見る |
ベアール/16mmチューブラスリング | 最安値のナイロンスリングならコレです | 1,300円 (120cm) | 60,120 | 詳細を見る |
マルチピッチクライミングに行くなら最低でも以下の本数が必要です。
- アルパインヌンチャク用に60cmスリングを2~4本
- 中間支点用に120cmを2~4本
- 終了点構築用にアルパインランナーを1本
- 複数の支点から終了点を作るために240cmのスリングを1本
【一覧表】14モデルを詳細に比較
僕が実際に使ってみた中で、おすすめのスリングをご紹介します。
ブラックダイヤモンド/10mmダイネックスランナー | ブルーアイス/アルパインランナー | ブルーアイス/ミッションライト | ロックエンパイア/12mmダイニーマスリング | ロックエンパイア/20mmオープンスリング | ベアール/16mmチューブラスリング | BD/18mmナイロンランナー | メトリウス/ダイナミックオープンスリング | ||||
| おすすめポイント | ダイニーマスリングの中では安価です。10mmは丁度良い細さで初心者でも使いやすいです。 | 8mmと細く、丈夫なダイニーマスリングです。軽量化とコンパクト化を求めたい方におすすめします。 | 8mmと細いうえに、スリングの弱点であるつなぎ目の段差がありません。使いやすさと細さを兼ね備えたスリングです。 | 10mmの中では最も安価なダイニーマスリングです。ブラックダイヤモンドとカラーが異なる点に注意が必要です。 | ナイロンとダイニーマの弱点を克服。ロープのようなしなやかさ。ダイニーマと比べて結び目を作っても強度低下が低いです。支点構築におすすめ。 | ダイニーマとナイロンをバランスよく編み込むことにより、摩耗が均一になり耐久性が高いです。 | 12mmと少し太いダイニーマスリングです。ナイロンの混紡が少し多いので、オールマイティに使えます。 | とにかくしなやかで扱いやすいナイロンスリングです。簡易ハーネスにおすすめです。 | とにかく安価なナイロンスリングをお求めな方にはこれです。多少硬いこと以外は、欠点がありません。 | クライミング全般でオールラウンドに使えます。幅広で耐久性に優れます。しなやかで扱いやすい。 | 衝撃吸収性能が高いので、墜落時は支点やプロテクションへの負担を軽減します。 |
| 参考価格(税抜き) 2026.3現在 | 2,800円 (120cm) | 2,860円 (120cm) | 2,500円 (120cm) | 1,700円 (120cm) | 2,900円 (110cm) | 2,700円 (120cm) | 2,440円 (120cm) | 1,560円 (120円) | 1,300円 (120cm) | 1,700円 (120cm) | 2,400円 (120cm) |
| サイズ(cm) | 30,60,120,180,240 | 30,60,90,120,180,240 | 60,120,180 | 60,120,180,240 | 35,55,90,110 | 60,120,180 | 30,60,80,150,180,240 | 60,80,120,150,180,240 | 60,120 | 30,60,120,180,240 | 25,60,120 |
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アルパインやクライミングに行かれる方には、安価なダイニーマスリングをおすすめします。値段で選ぶ方はナイロンスリングを選びましょう。
フリクションヒッチのおすすめは以下のとおりです。
![]() ベアール/ジャミー | スターリングロープ/ホローブロック2 | ![]() エーデルワイス/プルージックロープ7mm | |
| おすすめポイント | しなやかで扱いやすい。値段も安く最もおすすめ。細いロープにも対応。 | 独自の中空構造によりグリップ力が高い。7mm以上のロープで使用可能。 | 外皮と芯の伸び率が同じなので、締めやすく動かしやすい。 |
| サイズ(cm) | 35,60 | 約35,50 | 量り売り |
| 参考価格(税抜き) 2026.3現在 | 2,600円 (60cm) | 3,700円 (48cm) | 348円 (1m) |
| 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
フリクションヒッチは、自作スリングや幅広のナイロンスリングだと止まらない可能性があります。ダイニーマスリングは止まりますが解除がしにくいです。フリクションヒッチについては以下のページで解説しています。クリックで別タブで開きます。
>>6種類のフリクションヒッチの使い方と特徴|プルージックコードの選び方とおすすめ
スリングの基礎知識を9つ解説
スリングの基礎知識について詳しく解説します。
ソウンスリングとは?輪っか状になったスリングのこと

輪っか状(ソウンスリング)のスリングのことです。素材は主にナイロンとダイニーマがあります。クライミングでの使用に耐えられる強度(最大22kN)がある点が特徴です。強度はタグに記載されているので確認しましょう。
素材の名前と特性を解説
スリングの素材は主にナイロンとダイニーマ、アラミドの3種類が使われています。それぞれメリットとデメリットがあります。2種類の素材を使ったスリングもあります。それぞれの素材的特性をご紹介します。
- ナイロン
- ・伸縮性がある(15%)
・融点が255度と高い
・吸水しやすい。吸水すると強度が下がる
・耐摩耗性が低い(岩角などに弱い) - ダイニーマ(UHMWPE:超高分子量ポリエチレン)
- ・いろいろな名前で販売されています
・伸縮性が無い(3.5%)
・融点が140度と低い(プルージックなどの使用で表面が溶ける可能性が高い)
・ほとんど吸水しない。
・耐摩耗性が強い(岩角などに強い) - アラミド(テクノーラ、ケプラー)
- ・伸縮性が無い(2.5%)
・融点が500度と非常に高い。
・ほとんど吸水しない。
・耐摩耗性が非常に強い(ダイニーマより強い)
(参考:Periodic Inspection of Fall Protection PPE: VAX014)
フリクションヒッチでスリングを使いたいならダイニーマは避けた方が良いです。ナイロンかアラミド繊維が使われた物がおすすめです。アラミドやダイニーマ、ナイロンを混紡したスリングがあるのは、お互いのメリットを掛け合わせた結果です。編み方や混紡比率でスリングのしなやかさが異なる点にも留意しましょう。
素材ごとのおすすめの用途
素材ごとにおすすめの使用用途をご紹介します。
ナイロン | ダイニーマ(UHMWPE:超高分子量ポリエチレン) | ハイブリッド | |
| おすすめ用途 | ■簡易ボディーハーネス ■支点構築 | ■冬山 ■沢登り ■スリングを沢山持つとき | 商品ごとに得意な用途が異なります |
| 向いてない用途 | ■沢登り ■冬山 ■岩角にこすれる使い方 | ■簡易ボディーハーネス ■結び目を作ること | 商品ごとに不得意な用途が異なります |
商品によって用途は異なるので、参考程度にして頂ければと思います。
ナイロン製スリングは幅が太く、かさばる



ナイロン製スリングはダイニーマに比べて幅が太くて安価な点が特徴です。衝撃吸収性もあるのでクライミングの支点構築に向いてます。濡れたり凍ったりすると強度低下が大きいので沢や雪山には向いてません。ナイロンスリングには織り方が2種類あります。
■中空タイプ
しなやかなです。一般的なスリングはこちらです。
■平織タイプ
硬いです。最近のクライミングでは主流ではありません。
簡易ボディハーネスは中空タイプのナイロンスリングがおすすめです。幅が広くしなやかな方が身体に対してダメージが少ないです。
ダイニーマ製は細くてコンパクト、軽い


ダイニーマ製品は幅が細くコンパクトな点が特徴です。大量にスリングを持つ場面に向いています。濡れたり凍ったりしても強度低下は低いので沢や雪山に向いています。結び目による強度低下が大きいので支点構築にはあまり向いてません。
白色の部分がダイニーマで、色のついた所はナイロンです。ダイニーマをメインとしてナイロンを混紡した物が一般的なダイニーマスリングです。
スリングの長さは輪っかの状態での長さのことをいう

「120cmのスリング」は輪っかの状態での長さのことを言います。長さはおおよそなので120㎝と表記してあっても、115cmしかないスリングもあります。
長さ別のおすすめの使い方
スリングは30~240cmの長さがあります。用途別に、おすすめの使い方をご紹介します。
- 30cm:用途は限られます
- 60cm:アルパインヌンチャクに最適
- 80-90cm:30cm間隔の平行ピンで終了点を作る際におすすめ
- 120cm:中間支点や沢登りでのお助け紐など最も多用途
- 180cm:複数の支点から終了点を作る際に便利
- 240cm:終了点の構築に便利。クアッドアンカーが作れる
僕がマルチピッチに行く際は、60cmを4本、80cmを1本、120cmを3本、180と240cmを1本づつ持って行くことが多いです。
スリングの寿命は明確に決まってないけど、目安はある


スリングには明確な寿命は決まってません。使い方によって数年使えることもあれば、使用一発でダメになる事もあります。使用前に自分で点検をする必要があります。新しいか古いかは色やけば立ちで分かります。
全体的に毛羽立ちが目立ち始めたり、目に見えてダメージを負ってたりしたら買い替えの時期です。タグに記載された製造年月日も1つの指標になります。スリングの取り扱い説明書に耐用年数も書いてありますが、あくまで目安としましょう。
強度はタグを見てしっかりと確認しておこう


強度はタグに書いてあるのでしっかりと確認しておきましょう。基本的にソウンスリングは22kN(約2.2トンの重さに耐えられる)の強度があります。スリングによっては15kNなどもあります。
ナイロンロープをダブルフィッシャーで結んだ自作スリングは、6mmのロープで7.5~10kN程度の強度しかありません。用途としては、懸垂下降の捨て縄や、プルージック程度に限定されます。
スリングの保水による重量変化と凍結の違い
ダイニーマは保水せず、ナイロンは保水すると言われています。具体的にどの程度保水し、影響があるのかを解説します。
乾燥状態と保水状態の重量変化の実験




実験方法は、乾燥状態を測ったあとに水にぬらして、軽く絞って再計測しました。吸水率(乾燥重量に対してどのくらい吸水したか)については、ダイニーマもナイロンもほぼ変わらない事が分かりました。ただし、水に濡れても総合的に軽いのはダイニーマです。具体的には以下のとおりです。
| 乾燥時 | 保水時 | 吸水率 | |
|---|---|---|---|
| ナイロン 120cm | 89g | 141g | 58% |
| ダイニーマ 120cm | 37g | 59g | 59% |
| ナイロン 60cm | 45g | 65g | 44% |
| ダイニーマ 60cm | 20g | 29g | 45% |
| ダイニーマ100% 60cm | 19g | 29g | 53% |
| ナイロン平織り 80cm | 75g | 123g | 64% |
凍った状態の使いやすさの実験


スリングを水に浸して冷凍庫で凍らせる実験を行いました。 ダイニーマもナイロンもガチガチに凍っています。凍ったスリングに均等の重り(クイックドロー)をぶら下げた実験結果は以下のとおりです。
| 素材 | 結果 |
|---|---|
| ナイロン | すぐには使えない |
| ダイニーマ(ナイロン混紡) | すぐに使える |
| ダイニーマ100% | すぐに使える(混紡と変わらない) |
| ナイロン平織 | 一番硬く凍っていた |
ナイロンもダイニーマも凍りますが凍ってもすぐに使えるのはダイニーマです。雪山に行くならダイニーマがおすすめです。
スリングを使用する際の注意点を3つ解説
以下の3点は必ず覚えておきましょう。
ダイニーマスリングとロープだけの使い方に注意する

ダイニーマスリングに直接ロープをかけて使ってはいけません。ロープとの摩擦でスリングが破断します。カラビナを使いましょう。ダイニーマは融点が低いので、体重をかけて摩擦を与えると破断します。
油性マジックでのマーキングには注意が必要


スリングやロープに油性マジックで名前を書いたりマーキングするのはダメです。油性マジックに含まれる有機溶剤がナイロン製品にダメージを与える可能性があるからです。スリングやクライミングロープにマーキングをする場合は専用のロープマーカーを使いましょう。
スリングやロープの洗浄には専用の洗剤があります。ロープやスリングは中性洗剤(薄い石鹸など)で手洗いをするだけでも綺麗に出来ます。ペツルの取扱書やマムートのHPに記載されてます。紫外線はナイロンを劣化させるので、手洗いをした後は陰干しをしましょう。
スリングを首にかけてはいけない


スリングを首掛けにするのはダメです。滑落した際にスリングが何かに引っ掛かると首を絞めます。
現場で使いやすい、スリングのまとめ方3選



スリングの携行方法は3つあります。名前は僕が適当に付けましたが「巻き巻き方式」「織り込み方式」「たすき掛け方式」とします。
たすき掛け方式:クライミング中などにおすすめ

クライミング中に120cmスリングを回収した時は、一時的にたすき掛けする方式がおすすめです。スリングを再度使うときはカラビナを外して引っ張るだけで使えます。
2006年にたすき掛けにしたスリングで事故が起きています。墜落した際に、根本まで入らなかったアイススクリューにたすき掛けしたスリングが引っ掛かったという事故でした。リスクを知って適切に使用しましょう。
巻き巻き方式:簡単に素早くまとめられる





巻き巻き方式はスリングをまとめるのが簡単です。最初のひねりを入れないとカラビナが落ちるので注意が必要です。240cmなどの長いスリングは②の時にもう一ひねりすると簡単にまとめられます。


巻き巻き方式はしっかり巻いておかないとスリングがバラけます。クライミング時や下山時に足が引っ掛かり危険なので注意しましょう。
織り込み方式:見た目もすっきりする





織り込み方式は、織り込むのに時間がかかります。使う時はすぐに解けます。巻き巻き方式みたいにバラけたりしません。織り込み方式でハーネスにぶら下げておいて、登ってる最中に使ったスリングは巻き巻き方式でまとめる方法もおすすめです。
スリングの巻き方による強度低下を検証した結果

引用元:HowNOT2 Youtube
スリングを木に巻き付ける機会は多いです。リードクライマーが落ちた時に支点に掛かる負担は4~6kN程度なので、セッティングの速さを考えるとツーバイトかラウンドターンがおすすめです。ツーバイトは巻いた時にスリングに余裕がないと強度が落ちる点に注意してください。ガースヒッチは使い方を間違えなければ良いです。
テストの検証動画はこちらで見れます。
スリングでの中間支点構築方法
クライミングでの使用方法について解説します。
ロープの流れを良くするためにスリングを使う



上のイラストでは二つ目の支点でロープが屈折しているのが分かります。屈折はロープの摩擦を強くします。リードで登る人は登りたいのにロープに引っ張られる(ロープが重い)状態になります。二つ目の支点を長いスリングに変更するだけで、ロープの流れが良く(ロープが軽い)なります。
スリングを使った木での中間支点の取り方


木に巻く際に注意したいのは、巻き付ける木の太さによってスリングの長さを適切にすることです。右の写真のように120cmスリングで長い支点を作ってしまうと、フォールした際に落下係数が大きくなる可能性があります。ロープの流れを重視する場合には有効です。



ガースヒッチで木に巻き付けるなら適切な長さになるように配慮が必要です。ツーバイトは緩むので長さに余裕があるならラウンドターンがオススメです。ツーバイトで気に巻いた時にスリングの角度が60度以上にならないように気を付けてください。強度が落ちます。
ガースヒッチは折り返し方の違いでスリングの強度が変わります。 黄色スリングの折り返し方で強度は約14kNまで耐えられます。右の白いスリングの折り返しでは強度が約8kNまで低下します。 引用:山口県消防の資料
スリングでの終了点構築方法と注意点
終了点構築方法は現場で自分で判断しないといけません。マルチピッチ向け終了点の一例をご紹介します。終了点構築に使うスリングの素材は、ナイロンや丸みのあるスリング(ブルーアイスのアルパインライナーなど)が良いです。ダイニーマは使用方法に注意しましょう。
流動分散:終了点の基本


流動分散は簡単に作れて荷重方向の変化への対応ができます。片方の支点が外れた際は残った支点に大きな衝撃がかかる可能性があります。ロープが衝撃を吸収し、支点にはそれほど荷重が掛からないという話もあります。支点がプアなほど流動分散が良いとする考え方もあります。
クアッドアンカー:便利だけど長いスリングが必要


クアッドアンカーシステムは固定分散と流動分散の良いとこどりです。カラビナが動くので、荷重の方向を自由に変えられます。ギアの受け渡しにも便利でマルチピッチ向けの終了点です。デメリットは240cmのスリングが必要な点です。
クアッドアンカーはコードスリング(芯材を外皮で覆った丸みのあるスリング)で作りましょう。コードスリングは結び目を作った際、テープスリングと比べて強度低下が低いとされてるからです。
>>Strength reduction of textile materials by knots
クローブヒッチ(インクノット):素早く固定分散できる

流動分散をしてからクローブヒッチ(インクノット)すると、適切な固定分散をスピーディーに作れます。解きやすい点もメリットです。作るには習熟が必要な点と、荷重方向の変化に対応できない点がデメリットです。
結び目は締まりすぎるほど強度低下が大きいと言われています。カラビナをクローブヒッチすると結び目が締まりすぎないので強度低下は低いとされています。
流動分散とオーバーハンド:流動と固定のいいとこどり


流動分散してからオーバーハンドノットは流動分散と固定分散の良いとこどりです。荷重方向に対応でき、片方の支点が外れても残った方にそれほど大きな衝撃はかかりません。オーバーハンドノットが支点から遠いほど、片方の支点が外れた場合の衝撃が少なくなります。流動分散の利点を減らさないために結び目の位置はよく考える必要があります。
スリングはコードスリング(芯材を外皮で覆った丸みのあるスリング)がおすすめです。コードスリングは結び目を作った際、テープスリングと比べて強度低下が低いとされてるからです。
ガースヒッチで固定分散:注意が必要

カラビナにガースヒッチを作ることで、適正な固定分散が素早く作れます。ただし、スリングがどこかで切れると滑り出し4kN(約400g)の力でスリングがカラビナから外れてしまう実験結果があります。注意して使いましょう。
4kNでスリングがカラビナから外れる実験は10分10秒あたりからです。
危険な終了点の例:スリングの角度は60度以下に

スリングの角度によって支点に掛かる荷重が変わります。短いスリングを使うと角度が広がり、支点への荷重が増えて危険です。長めのスリングを使う事で解決します。長すぎるとビレイデバイスなどの操作がし難くなるので適切な長さを選びましょう。
「ダイニーマは結んではいけない」を検証する
ダイニーマスリングを結ぶとナイロンよりも破断しやすいです。結び目を作るなら芯材を外皮で覆ったコードスリングが強度低下も少ないとされているので、ダイニーマよりもおすすめです。
ダイニーマを結んだ際の強度低下について
▲引用:DMM社HP HowToBreakNylon&DyneemaSilng
ナイロンとダイニーマをどのくらいの衝撃で切れるかテストした結果です。ピンク部分が破断した所です。ダイニーマ10mmはナイロン16mmに比べて破断しやすいことがわかります。ダイニーマは結び目を作ると10kN以上の衝撃でほぼ破断します。
テスト結果ではナイロンはダイニーマほど衝撃がかかっていません。ナイロンは伸びるので衝撃を吸収するという素材特性も示す結果でもあります。
オーバーハンドで固定するとダイニーマでも破断しにくい


ダイニーマでもオーバーハンドで結んだ上にカラビナをかけると破断しにくいテストの結果です。詳しい方法については引用先の動画(1:36~)をご覧ください。衝撃荷重が掛かった際に、結び目が締まることで衝撃を吸収するという結果でした。
終了点に大きな衝撃を与えないために、1ピン目を早く強固に取ることが大事です。不用意に終了点より上に行って落ちると簡単に落下係数2になります。詳しくは以下の記事で解説しています。
>>クライミングロープのおすすめと選び方【ダブルとシングルの違いとは?】
平織のダイニーマは結び目を作った際に角が硬くなり、そこに力が集中して破断しやすいと言われています。伸びにくいというのも要因です。結び目を作るならナイロンかチューブラースリング、コードスリングがおすすめです。
【ダイニーマスリング】クライミング・沢登り・雪山におすすめ
ブラックダイヤモンド/10mmダイネックスランナー
ブラックダイヤモンドの「ダイネックスランナー」は安価で高品質です。長年使ってますが耐久性もあり安心して使えます。アルパインヌンチャク用に60cmを4本、立木などの中間支点用に120cmを4本ぐらい持っておくと安心です。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 30,60,120,180,240 |
エーデルリッド/ダイニーマスリング8mm

左が8mm右が10mmです。8mmは少し細いです。コンパクトさと軽量さを求める方におすすめです。ハーケンのホールが岩と干渉して小さくなった場合などは、細いスリングが役立ちます。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 30,60,90,120,180,240 |
マムート/コンタクトスリング8mm
スリングのつなぎ目の段差が無いのでスムーズな操作ができるスリングです。つなぎ目に荷重をかけても良いわけではないので注意が必要です。値段は高いので余裕がある方におすすめです。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 60,120,180 |
ベアール/10mmダイニーマスリング
とにかく安価なダイニーマスリングです。ブラックダイヤモンドと比べて多少毛羽立ちやすい気もします。値段が安いのでそう思うだけかもしれません。安く数を揃えたい方におすすめです。240cmなどの長いスリングをベアールにしておくのも良いですね。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 60,120,180,240 |
ブルーアイス/アルパインランナー
これまでのスリングとは異なった製法のスリングです。中の芯はダイニーマで外皮がポリエステルです。ダイニーマのデメリットである「紫外線への弱さ・融点の低さ」を外皮のポリエステルで克服しています。結び目を作ってもぺちゃんこになりにくいのでテープスリングよりも強度低下が低いとされています。終了点で使うなら110cmか90cmがちょうど良いです。


ブルーアイスのアルパインライナーはロープのような操作感で扱いやすいです。見た目はダイナミックロープのようですが、ナイロンロープのように衝撃は吸収しないので注意が必要です。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 35,55,90,110 |
ブルーアイス/ミッションライト
8mm幅の超軽量スリングです。耐摩耗性に優れた超高分子ポリエチレンを使用。チューブラー構造なのでしなやかです。ダイニーマとナイロンをバランスよく編み込むことで耐久性が上がりました。


| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 60,120,180 |
ロックエンパイア/12mmダイニーマスリング
ダイニーマとナイロンの絶妙な混紡で、マルチピッチの支点構築にオススメです。ナイロンにしては細くしなやかで結びやすいのも気に入ってます。デメリットは冬や沢にはやや不向きという点です。終了点で使うなら長さは80cmがおすすめです。終了点のボルト間隔は強度確保の為に約30cm離れていますが、その場合は80cmがちょうど良いです。


| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 30,60,80,150,180,240 |
【ナイロンスリング】安価・簡易ハーネスにおすすめ
ロックエンパイア/20mmオープンスリング
簡易ボディハーネスを作るのにおすすめのスリングです。非常にしなやかで幅広なので身体に巻いても痛くなりにくいです。簡易ボディハーネスにするなら150cmがオススメで、小柄な女性は120cmでも大丈夫です。デメリットは雪や沢では使いにくく、幅広なので収納がかさばる点です。



| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 60,80,120,150,180,240 |
ベアール/16mmチューブラスリング

とにかく安くスリングをお求めの方におすすめです。少し堅いですが、さまざまな用途に使えます。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 60,120 |
BD/18mmナイロンランナー
しなやかで、クライミング全般でオールラウンドに使えます。終了点などにおすすめです。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 30,60,120,180,240 |
メトリウス/ダイナミックオープンスリング
ダイナミックのクライミングロープを素材にしたスリングです。衝撃吸収性能が高いので、墜落時は支点やプロテクションへの負担を軽減します。非常にかさばる点がネックです。
| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 25,60,120 |
【プルージックコード】フリクションヒッチにおすすめ
フリクションヒッチについては以下のページで解説しています。クリックで別タブで開きます。
>>6種類のフリクションヒッチの使い方と特徴|プルージックコードの選び方とおすすめ
ベアール/ジャミー
プルージックやマッシャーなどフリクションノットに最適なプルージックコード。懸垂下降のバックアップ、自己脱出、固定ロープのオートブロック、レスキューはもちろん、ソウンスリングの規格に適合しているのでビレイアンカーやランナーとしても使えます。しなやかで扱いやすく、細径ロープにもしっかりとグリップ。外被には耐熱性に優れるポリアミド、芯には強靭なテクノーラ®アラミドを使用。繰り返しの屈曲や摩耗に強く、アルパインクライミングやマルチピッチルートで重宝します。


| 強度 | 22kN |
| サイズ(cm) | 35,60 |
スターリングロープ/ホローブロック2
100%テクノーラ®繊維で作られており、耐摩耗性と耐久性が高いです。独自の中空構造により摩擦力が非常に強く、扱いやすいです。7mm以上のロープのプルージックノットやクレムハイストノットで使用できます。
| 強度 | 14kN |
| サイズ(cm) | 35(13.5インチ),60(19インチ) |
エーデルワイス/プルージックロープ
レスキューでの引き上げや、セルフレスキュー等でも重要な役目を果たすプルージックロープです。外被と芯の伸び率が同じように計算されていて、締めやすく、動かしやすいのが特徴です。
| 強度 | 7.2kN(6mm),9.8kN(7mm) |
| サイズ(cm) | 計り売り |
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まとめ
おすすめは、安価で高品質なダイニーマスリングです。使い方を誤らなければ、オールマイティに使えます。スリングは消耗品なので、安価だと買い替えしやすいです。メーカーによってスリングの色は異なるので、同じ長さのスリングは同じメーカーのものを購入しましょう。















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