クライミングロープのおすすめと選び方【メンテナンス方法や規格を解説】

ダブルロープやツインロープ、シングルロープなどの違いが分からない方も多いです。なんとなく太さやメーカーで決めてしまうのがクライミングロープだと思います。クライミングロープは値段も高く、長く使う物だからこそ失敗はしたくないです。
この記事では、クライミングロープの規格の種類と解説、使用用途に合わせた選び方を解説します。この記事を読むと、自分の使用用途に合わせた適切なクライミングロープの選び方がわかります。具体的には以下のとおりです。
■インドアやショートルートでのロープの選び方
・9.6mm~10mm程度のシングルロープ
・インドアは非撥水処理でもOK
・外岩では撥水処理されたロープが良い
■マルチや雪山でのロープの選び方
・8mm~8.6mm程度のダブルロープ
・シングルの規格に合格したダブルロープなら3人登攀でも安心
・外岩では撥水処理されたロープが良い
・雪山ではUIAA基準の撥水処理に合格したロープが良い
■沢登りでのロープの選び方
・簡単な沢登りはダブルロープでも良い
・難しい沢登りは、シングルの規格に合格したダブルロープがおすすめ
・UIAA基準の撥水処理に合格したロープが良い
クライミングロープとは
クライミングロープとは、クライミングで安全に使える規格に合格したロープのことを言います。クライミングロープにはダイナミックロープとスタティックロープがあります。スタティックロープは用途が限られるため、この記事では「クライミングロープ=ダイナミックロープ」として解説します。
4種類の安全規格について解説

クライミングロープにはいくつかの安全規格が定められています。具体的には以下のとおりです。
- EN892(UIAAに準拠)
- UIAA(国際山岳連盟)が定める規格に合格したロープにはEN892、またはUIAA 101の認証番号が与えられます。EN1891やUIAA 107の番号だとスタティックロープなので注意しましょう。
- CE0123
- 欧州の法律に適合した商品であることを示しています。
- PSCマーク
- 日本が定めた安全基準です。安全面に配慮された製品であることを示しています。
クライミングロープの種類

クライミングロープには、それぞれシングル・ダブル(ハーフ)・ツインがあります。シングルロープは1本でも使える高い耐久性が特徴です。ダブル(ハーフ)ロープは2本で使う点が特徴です。ツインは2本のロープをシングルロープのように使います。
ツインロープは重量をできる限り控えつつ、鋭角の岩に対する耐久性をあげたロープです。(参考:UIAAハンドブック)
ツインロープは上級者向けなので、この記事ではシングルかダブルロープを扱います。
シングルロープとダブルロープの規格と種類

ショートルートではシングルロープを使用します。マルチピッチでは、ダブルロープもしくはシングルロープで登る方法があります。雪山や沢登りでは、ルートによってロープを使い分けます。ロープを上手く使い分けるために、ロープの特性を知りましょう。
UIAA(国際山岳連盟)により、各規格項目のテスト方法と規格は決まっています。 シングルロープとダブルロープの主な違いは、耐墜落回数のテストで使う重りの重量と衝撃荷重です。具体的には以下のとおりです。
主な規格項目 | P社 シングルロープ(一例) | P社 ダブルロープ(一例) | UIAA規格の数値 (クライミングロープの規格) |
ロープ直径 | 10.1mm | 8.0mm | 規格無し |
重量 (1mあたり) | 65g/m | 44g/m | 規格無し |
耐墜落回数 (落下率1.77に耐えた回数) | 80kgの重りで7回 | 55kgの重りで7回 | どちらも5回以上 |
伸び率 静荷重 (重りを下げた時) | 8.5% | 11% | シングル:10&以下 ダブル:12%以下 |
伸び率 動荷重 (耐墜落テスト1回目の伸び率) | 34% | 33% | どちらも40%以下 |
衝撃荷重 (墜落時に身体が受ける衝撃) | 8.5kN | 6.3kN | シングル:12kN以下 ダブル:8kN以下 |
シングルロープは1本で使いますが、ダブルロープは2本で使うので、重りの重量が異なります。衝撃荷重は数値が低いほど、墜落時に身体が受ける衝撃が少ないです。ダブルロープの方が身体と支点には優しいです。
【長さ】使う場所によって選ぶ
日本の岩場は短いルートが多いので、50mで大丈夫な場合が多いです。場所によっては60m以上必要なルートもあります。さまざまな岩場に行くなら60mを選びましょう。インドアなら40mで足りる場合が多いです。最初のクライミングロープなら50mがおすすめです。
【直径】耐久性とビレイデバイスとの相性に関わる
直径とは、ロープの太さの事です。シングルロープの方が太く、ダブルロープの方が細い傾向が強いです。最近はクライミングロープの性能も上がり、ダブルロープ並みに細いシングルロープもあります。シングルロープは9.6~10mm、ダブルロープは8~8.6mm程度が扱いやすいです。太さによる違いは以下のとおりです。
- 耐久性が高い
- ビレイデバイスでの制動が強い
- 岩角で切れにくい
- コンパクト、軽量
- ロープの流れが良い
- ロープが伸びる
細い
初心者はビレイデバイスとの相性に注意が必要です。8mm程度の細いロープは、ビレイデバイスで思ったほどロープが止まらない場合があります。ビレイデバイスに関しては以下の記事を参考にしてください。
>>マルチピッチ向けビレイデバイスの選び方【4商品を徹底比較!】
【重量】重量を気にするアルパインでは重要
重量はロープ1mあたり何gかです。シングルは重量よりも他の項目が重要なので、あまり見ないかもしれません。アルパインクライミングなど、1gでも荷物を軽くしたい場合に重要な項目です。具体的には以下のとおりです。
- 49g/mの8.6mmロープ:60mで2,940g
- 39g/mの8.1mmロープ:60mで2,340g
- ダブルロープは細さで1本500g違う
【耐墜落回数(落下率1.77)】ロープの耐久性を数値化
ロープの耐久性を示す項目です。約5mの高さから重りをロープに結んで落とし、何回目でロープが切れたかを数えます。シングルとダブルでは重りの重量の規格が違います。UIAAの実際のテスト映像は以下のとおりです。
【耐墜落回数(落下率1.77)】落下率の求め方

墜落係数(落下率)は、落下距離÷繰り出したロープの長さで求められます。人体に損傷を与えない衝撃荷重は6kN以下です。落下率1の場合では、クライマーに与える衝撃荷重は4kNとされています。落下率1以上は危険が伴うと言えます。
>>参考資料「シンタック:PPEシステムとは?」「ペツル:実際の墜落における衝撃荷重」
墜落係数1.77は極めて大きく、UIAAの基準はとても厳しいです。クライミングロープがいかに安全かを物語ってます。
【伸び率(静荷重)】トップロープやユマーリングに影響
P社シングルロープ | P社ダブルロープ | |
伸び率(静荷重) | 8.5% | 11% |
80kgの重りをぶら下げた時、どれだけロープが伸びているかの数値です。伸びにくいと、トップロープやユマーリングがしやすいです。シングルの方がトップロープやユマーリングに適します。伸びるダブルロープは不適です。
【伸び率(動荷重)】伸びるロープは衝撃を吸収する
P社シングルロープ | P社ダブルロープ | |
伸び率(動荷重) | 80kgの重りで34% | 55kgの重りで33% |
UIAAフォールテストでの一回目の伸び率を指します。重りの重量が違うので、ダブルロープの方がよく伸びるといえます。伸び率が高いと、衝撃を吸収してくれるので身体と支点へのダメージが少ないです。ただし、伸び率が高いとロープの寿命も短いとされています。
【衝撃荷重】落ちた時の身体や支点への衝撃を数値化
P社シングルロープ | P社ダブルロープ | |
衝撃荷重 | 8.5kN | 6.3kN |
墜落時に身体が受ける衝撃を数値化したものです。 値が低いほど衝撃吸収性に優れます。シングルロープよりもダブルロープの方が、墜落時に身体や支点に対して優しいと言えます。強固な支点が少ないアルパインやトラッドには、衝撃荷重の低いロープがおすすめです。
シングルとダブルの両規格を合格したロープ

8.9mmという細さで、シングルとダブルの規格を合格している。
シングルとダブルの両規格に合格したロープがあるので解説します。
両規格を満たしたロープの特徴
シングルとダブルの両規格を合格したロープのスペック表は以下のとおりです。
主な規格項目 | E社 両規格を合格ロープ(一例) | P社 シングルロープ(一例) | P社 ダブルロープ(一例) | UIAA規格の数値 (クライミングロープの規格) |
ロープ直径 | 8.9mm | 10.1mm | 8.0mm | 規格無し |
重量 (1mあたり) | 53g/m | 65g/m | 44g/m | 規格無し |
耐墜落回数 (落下率1.77に耐えた回数) | 80kgの重りで6回 55kgの重りで20回 | 80kgの重りで7回 | 55kgの重りで7回 | どちらも5回以上 |
伸び率 静荷重 (重りを下げた時) | 6.2% | 8.5% | 11% | シングル:10&以下 ダブル:12%以下 |
伸び率 動荷重 (耐墜落テスト1回目の伸び率) | 80kgの重りで34% 55kgの重りで28% | 34% | 33% | どちらも40%以下 |
衝撃荷重 (墜落時に身体が受ける衝撃) | シングル利用:8.7kN ダブル利用:6.5kN | 8.5kN | 6.3kN | シングル:12kN以下 ダブル:8kN以下 |
シングルとダブルの両規格を合格ロープは、クライミングロープとしては少し伸びにくい傾向にあります。しかし、衝撃荷重の値は低いので、アルパインでも使いやすいロープです。性能の高いロープですが、値段は高めです。
3人で登る場合や、沢登りなどでの使用がおすすめ

3人で登る場合は、上の図のようになります。ダブルロープ1本を一人に繋いで登る場合、フォロワーが墜落しても衝撃は小さいですが、鋭利な角などでロープが切れてしまう可能性は高いです。UIAAでは3人で登る場合、シングルロープ2本利用を推奨しています。
両規格を合格したロープなら、3人登る場合も安心です。沢登りでいえば、シングルよりも細くて軽く、水を含んで重くなりにいのでおすすめです。
ロープの撥水処理の違い
ロープには、表面だけに撥水処理がされたロープと、内部まで撥水処理されたロープがあります。違いについて詳しく解説します。
撥水処理をするメリットは多い
シングルでもダブルでも、 外岩で使用するなら撥水処理されたロープを選んだ方が良いです。撥水処理されたロープのメリットは以下のとおりです。
- 防塵性と耐摩耗性が上がる
- チリや砂がロープに付着しにくくなる
- ロープの耐久性が上がる
- ビレイデバイスでの使用がしなやかになる
- 雨にぬれても重くなりにくい
- 冬はロープが凍りにくい
撥水処理の規格と各メーカーの表記
撥水処理には2つの基準があります。UIAA規格に合格したものと、各メーカー独自の撥水処理のものです。撥水処理がされてないロープは重量に対して50%吸水します。メーカーによって異なりますが、メーカー独自の撥水処理は20~40%吸水します。UIAA規格は、吸水率5%以下と定められています。
引用元:UIAA:撥水処理の新基準
メーカーごとの撥水処理の表記方法は以下のとおりです。
メーカー独自の撥水処理 | UIAA規格 (吸水率5%以下) | |
ペツル | ![]() | ![]() |
ベアール | ![]() | ![]() |
エーデルワイス | ![]() | ![]() |
エーデルリッド | ー | ![]() |
マムート | ー | ![]() |
各メーカー独自の撥水処理は、ロープの耐久性を上げるための処理です。UIAA規格はロープに吸水させないための基準です。UIAA規格の撥水処理であっても、メーカーによっては、さらに厳しい独自の規格を設けているメーカーもあります。
<例>エーデルワイス社のスーパーエバードライは吸水率0.8~1.4%です。引用:KEM
外岩に行くなら、最低でもメーカー独自の撥水処理をされたものを使いましょう。ロープの耐久性が上がり、ビレイデバイスとの相性も良くなります。沢登りや雪山に行くなら、吸水して重くなりにくく、凍りにくいUIAA規格のロープを選びましょう。
撥水処理をされてないロープを買うメリット
インドアなど、ロープへのダメージが大きい使い方をする場合は撥水処理されてないロープがおすすめです。インドアはクライミングロープの寿命は著しく悪くなるので、買い替える方が安全です。
クライミングロープのメンテナンスや注意点
クライミングロープに関する細かな情報を解説します。
クライミングロープの弱点と克服方法

クライミングロープの弱点は以下のとおりです。
- クライミングロープは凍ると性能が半分になる
- ロープは簡単に燃えたり溶けたりする
- 摩擦で熱が加わると性能が落ちる
- 花崗岩などの細かい粒はロープにダメージを与える(寿命が縮む)
ロープの寿命を伸ばすには、なるべく土の上で操作せず、ロープタープを使いましょう。ロープを使わないときはロープバッグに収納し、化学薬品などには触れないようにします。ロープの末端は交互に使い、同じところにダメージが蓄積しないようにしてください。
参考:UIAA「総合登山技術ハンドブック」
ロープの点検方法と頻度



ロープは端から目視と触診にて点検します。写真のように輪を作り、コア(ロープの芯)に破損が無いかを確認します。正常なロープは弾力があり綺麗な輪ができます。コアに危険なダメージがあると輪がつぶれます。写真ではわかりやすく小さな輪を作っていますが、もう少し大きくても大丈夫です。
僕の経験上、コアまでダメージがある個所は、外皮にも見て分かる損傷があるケースがほとんどです。写真のロープはカッターで破損させました。うっすらとした毛羽立ち程度なら強度に影響ありません。心配な部分はよく点検して、切り落としましょう。
よく使うロープなら、1か月に1回程度点検しましょう。使わない場合でも、最低でも1年に1回は点検してください。参考:KEMカタログ(ロープのケア)
ロープのお手入れ方法
ロープに付着した砂やチリはロープの寿命を縮めます。ロープを洗浄することで寿命を伸ばせます。ロープに付着した砂やチリを手で払いのけた後、中性洗剤と一緒に洗濯機に入れて洗いましょう。直射日光が当たらず、風通しの良い場所で乾燥させて完成です。僕は洗濯機に入れる前にバスタブで洗っています。
ロープの寿命と破棄の目安

上図のように、目視でわかるあきらかなダメージがある場合は廃棄しなければなりません。落下係数2に近い墜落をした場合や、ロープの安全性に少しでも不安を感じた場合も捨てましょう。目視や触診にて異常がない場合も、以下の期間を目安に破棄してください。
毎日使用 | 3~6か月 |
毎週使用 | 2~3年 |
使用頻度が低い | 4~5年 |
極端に使用頻度が低い | 10年が目安 |
ロープの寿命については、KEMのカタログには以下のように記載されています。お店のストック品を購入する際は、参考にされてください。
“未使用かつ保管環境が良好な場合のみ、ロープの寿命は製造月より最長15年間となります。ただし、使用開始日より最長10年が優先されます。例1)保管期間2年+使用期間10年=最長寿命12年”
おすすめクライミングロープ
【厳選3選】ショートルートやインドアにオススメなシングルロープ


初心者の最初のロープはバイラスがおすすめです。安くて性能のバランスが取れたシングルロープです。
値段が安いので、よく登る人には買い替えロープとして人気です。10mmの太さはビレイデバイスとの相性も良く、太いので安全性が高いです。

太さ/重量 | 10mm/1mあたり63g |
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UIAA耐墜落テスト | 80kgの重りで9回 |
衝撃荷重 | 7.4~7.6kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 8%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |


ロープの半分で模様が変わっているので、ロープの中央を見つけやすいです。
長いルートでロープが足りなくなる事故のリスクを抑えます。懸垂下降でのリスクも減らします。
外皮に撥水処理をしてあるので寿命も長く、9.7mmはシングルの中では扱いやすい細さです。
耐墜落回数も多いので安心です。
60mしか販売されてませんが、外岩で使うなら長い方が安全です。
他メーカーと比べて同クラスのロープの中でもベアールは安いのでオススメです。(輸入差額が無いからです)

太さ/重量 | 9.7mm/1mあたり61g |
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UIAA耐墜落テスト | 80kgの重りで8~9回 |
衝撃荷重 | 7~7.2kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 8%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |


エーデルリッドのロングセラーモデルです。ロープがとてもしなやかでクリップもしやすい。
ベアールのバイラスと似たような性能ですが、よりしなやかです。値段はバイラスよりも少しだけ高めです。
撥水処理はしてありませんが、外岩でもインドアでも使いやすいです。
9.8mmなのでビレイデバイスとの相性もいいです。

太さ/重量 | 9.8mm/1mあたり62g |
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UIAA耐墜落テスト | 80kgの重りで7回 |
衝撃荷重 | 8.8kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 9.3%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |
【厳選3選】アルパインやマルチピッチにオススメなロープ
ベアール/コブラⅡユニコア 8.6mm

ダブルロープの中でも衝撃荷重が5.3kNと小さく、バランスのとれたロープです。
8.6mmはダブルロープの中ではやや太めですが、ビレイデバイスとの相性は良いです。
値段も安いのがうれしいです。冬山でも使いたい方はゴールデンドライ、岩だけならドライカバーを選ぶと良いでしょう。

太さ/重量 | 8.6mm/1mあたり49g |
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UIAA耐墜落テスト | 55kgの重りで16回 |
衝撃荷重 | 5.3kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 9%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |
エーデルリッド/スターリングプロテクトドライ 8.2mm

アラミド繊維をロープに織り交ぜてます。8.2mmの細さで、9.5mmロープと同程度の強度を持ったダブルロープです。
アラミド繊維を織り交ぜているので、鋭い岩角や落石に強いロープです。何が起こるか分からないアルパインクライミングに適しています。
エーデルリッドの最高峰の撥水処理が施されています。アイスクライミングなどにも使えます。ロープの寿命も延びます。
8.2mmはビレイデバイスでロープの流れが速く感じるかもしれません。慣れたら問題なく使えます。

太さ/重量 | 8.2mm/1mあたり44g |
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UIAA耐墜落テスト | 55kgの重りで7回 |
衝撃荷重 | 7kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 8.8%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |


9.5mmの太さではトップクラスのUIAA墜落回数(10回)を誇ります。耐久性があるのでマルチでも安心してトライし続けられます。
マルチピッチクライミングにシングルを選択するなら場合はイーグルライトがおすすめです。
9.5mmはシングルとしてはやや細めです。長いルートを登るときは細い方がロープも軽く感じるので良いです。
伸び率も低いので、ユマーリングなどにも適しています。

太さ/重量 | 9.5mm/1mあたり62g |
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UIAA耐墜落テスト | 80kgの重りで10回 |
衝撃荷重 | 9.3kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 7.5%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |
【厳選3選】沢登り&雪山のオススメロープ


8mmの細さながら、UIAA耐墜落テストでは14回墜落に耐えました。ダブルロープの中でも強度の高いダブルロープです。
エーデルワイスは他のメーカーよりも撥水処理の規格が厳しい(吸水率は平均1.1%)ので、水を含みにくく凍りにくいです。ロープの耐久性もあります。
軽くて、柔らかくて、扱いやすいです。簡単な沢登りにおすすめのロープです。

太さ/重量 | 8mm/1mあたり42g |
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UIAA耐墜落テスト | 55kgの重りをつけて落として14回 |
衝撃荷重 | 9kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 7%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |


シングルとダブルの両規格を満たしておきながら、太さは8.6mmです。シングルの中ではトップクラスの細さです。
沢登りなど、シングルの規格で登りたいという方にはカナリープロドライがおすすめです。ややロープが硬く感じますが、スムーズで扱いやすいです。
エーデルリッドもトップクラスの撥水処理が施されています。(吸水率の平均1~2%)
長さが70mまで販売してあるので、雪稜で高度を一気に稼ぎたい人にもおすすめです。

太さ/重量 | 8.6mm/1mあたり51g |
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UIAA耐墜落テスト | 80kgの重り5回/55kgの重り24回 |
衝撃荷重 | シングル8.4kN/ダブル6.4kN(値が低いほど人や支点に優しい) |
伸び率(静荷重) | 7.4%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |


簡単な雪山やスキーなどで、後続者の補助に使用する軽量コンパクトなロープです。1mあたり36gです。※クライミングや登山には使用できません。
扱いやすい8mmロープとしては恐らく業界最軽量です。ただし、シングルとダブルの規格には合格していません。ツインでは合格しています。リードなどでは使用してはいけません。
特性を踏まえて使うなら、細くてコンパクト、軽くて安いのでおすすめです。もちろん撥水処理済みです。

太さ/重量 | 8mm/1mあたり36g |
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UIAA耐墜落テスト | 80kgの重り、墜落率0.8で5回(UIAA基準は墜落率1.77) |
衝撃荷重 | 墜落率0.8で4.2kN(UIAA基準は墜落率1.77) |
伸び率(静荷重) | 8%(値が低いほどユマーリングやトップロープに適している) |
最後に
ロープ選びって難しいですよね。種類も多いし、何を基準に選べばよいのか分かりません。今回は僕が実際に使ったり、メーカーの展示会で触っていたメーカーを主に紹介させて頂きました。
ロープと一緒に選びたいのがビレイデバイスですね。マルチピッチ向けビレイデバイスを比較した記事もありますので、一緒に読んでもらえればと思います。

ではまた!