マルチピッチ向けクライミングシューズ【オススメ3選徹底比較!】
クライミングシューズは種類が多すぎて、何がマルチピッチ向けクライミングシューズなのか分かりにくいです。
マルチピッチ向けとされてる靴も、その他の靴と比べてどういった特徴があるのか分からないですよね。
このページでは、マルチピッチ向けクライミングシューズとして販売されている
3足をそれぞれ実際に履き比べて徹底調査しています!
その結果分かった事は次の通り。
3足ともにマルチに特化した共通する機能を持っている。それぞれ特徴のある履き心地がある。
■スポルティバ TCプロ
・ワイズ(足幅)が広いので快適。
・エッジングはやや弱め。
■スカルパ マエストロミッド
・TCプロよりもややワイズは狭い
・エッジングはしやすいので、安心感がある。
■BD アスペクト
・ワイズはやや狭い。
・カカトのおさまりが良い。
・エッジングはしやすい。
マルチピッチのクライミングシューズは、この3足から選べば失敗しにくいのではないかなと思います!
マルチピッチに向いたクライミングシューズの特徴5選
各社から、マルチピッチ向けクライミングシューズとして販売されている3足!
具体的に見ていきましょう!
【特徴1】適度にソールが硬く、長時間のクライミングに最適
左は、ボルダリング向けのシューズ。丸めれるぐらい柔らかいです!
対して右のTCプロ(マルチ向けシューズ)は、片手で持って写真を撮るのが結構きついぐらい硬めです。
今回紹介する3足は、どれも靴は硬めです!
- エッジングに優れる
クラックで足が痛くなりにくい。 - 長時間のクライミングで足が疲れにくい
- サイズが小さくてもとりあえず履ける
- 足裏感覚に優れる
- スタンスを足で掴める(ボルダリング向け)
靴が柔らかめ
柔らかい靴にもメリットはあるのですが、どちらかというとボルダリングやショートルート向け。
長時間のクライミングでも足が疲れにくく、エッジングの良さで選ぶなら靴は硬めの方がオススメ!
なので、マルチ向けの靴は硬めの方がメリットが大きいです。
【特徴2】適度なフラットソールとターンインの違い
左の靴はダウントゥと呼ばれ、土踏まずからつま先にかけてソールが下がっているのが分かりますね。
対する右の靴はフラットソール(踵からつま先まで真っすぐ)なのが分かりますね!
今回比較する3足を見比べてみました。
TCプロが一番フラットソールに近く、アスペクトがダウントゥが強いのが分かります。
ターンインとは、靴が親指方向にあえて曲げて作ってあることをいいます。
マエストロミッドとTCプロはそこまでターンインしてないですね。
アスペクトは他2足とくらべてターンインが強めなのが分かります。
今回比較する3足の相関図を作ってみました。
靴の柔らかい・硬いでダウントゥの役割も変わってくるのですが、今回は硬い靴前提の図です。
■マエストロミッド
→エッジングがしやすい。エッジングが苦手な人や、力の弱い女性に良い。
■TCプロ
→フラットソールと若干のターンインにより、快適さを犠牲にせずエッジングがしやすい。
■アスペクト
→エッジングが強くてしやすい。足にはあまり優しくないが、難しいピッチもこなしやすい。
※エッジングがしやすいとは→足のつま先を極小ホールドに乗せやすいかどうか。エッジングの為には脚力が必要だが、ダウントゥとターンインがサポートしてくれる。
3足ともマルチピッチ向けとして販売されていますが、それぞれ特徴がある事が分かりました!
【特徴3】シューレース+全体がレザー仕上げで足にフィットする
マルチ向けはシューレース(紐締め)タイプのものが多く、靴全体がレザーで作られています。
それぞれの、メリット&デメリットを見てみましょう!
メリット | デメリット | |
---|---|---|
シューレースタイプ | ・足首からつま先まで締め具合が微調整できる。 ・足とのフィット感が良い。 | ・靴の脱ぎ履きに時間がかかる。 ・ビレー時などに脱ぎにくい。 |
靴全体がレザー | ・足へのフィット感が良い。 | ・値段が高くなる。 |
足とのフィット感が高まると長時間のクライミングで足が疲れにくい&痛くなりにくいです。
シューレースタイプは、難しいピッチでは全体をよく締めて、簡単なピッチでは少し緩めるという事も出来ます。
(ベルクロタイプは少しだけ緩めるという事が意外と難しいです)
ただし、ビレー時に靴を早く脱いで足を休憩させたいという理由でベルクロを選ぶ方もいます。
クラックをしたい方はシューレースの方が良い。
ベルクロタイプだと、靴を岩に挟んだときにベルクロが岩に干渉して邪魔になることがあるからです。
【特徴4】つま先全体に厚手のラバーが張ってあるので、クラックも安心。
見た目ではどちらもつま先にラバーが張ってあるのですが、用途が違います。
■フットジャムをした時に、つま先を保護する為のラバー。
・やや厚みがあり、足が痛くなりにくい。
■つま先を引っかける為のラバー。
・フットジャムをすると足が痛くなる可能性があります。
マルチピッチ向けの今回ご紹介する3足は、つま先全体に厚手のラバーが張ってあります。
フットジャムが決まりやすく、つま先が痛くなりにくいです。
【特徴5】足首まで保護してくれると、ワイドクラックでも安心。
マエストロミッドとTCプロは、くるぶしにクッションが入っています。
クラックなどに足をねじ込んだ時に、足首を守ってくれる役割があります。
身体をすっぽり入れてしまうような広いクラック(ワイドクラック)の時に、特に有効です。
マルチピッチ向けクライミングシューズのサイズ感と特徴
サイズ感と足幅が広いかどうかもポイント
商品名 | サイズ | サイズ感と特徴 |
---|---|---|
スポルティバ TCプロ | EUR 42.5 | ワイズ(足幅)が広いので長時間でも快適。 アーチサポートが少し弱く(エッジングも少し弱く)感じる。 |
スカルパ マエストロミッド | EUR 42.5 | スポルティバよりもワイズはやや狭い。 アーチサポートを感じるのでエッジングに安心感がある。 紐が締めやすい。 |
BD アスペクト | EUR 42.5 | マルチではギリギリのサイズ感。 マルチで使うならもう0.5~1大きくても良い。 ワイズも狭いが履きやすくてカカトの収まりは良い。 |
僕の足の実寸は25.5cm。普段は26.5cmの靴を履いてます。
TCプロとマエストロミッドはマルチ向けにかなり大きめのサイズ感を選んでます。
ショートルートだとEUR41.5~42あたりが僕のちょうどよいサイズ感です。
特に初心者は、先ずは長時間楽に履けることの方が重要だと考えています。
痛いサイズ感を選んだからと言って、難しい所が登れるわけではありません。
先ずは気持ち大きめを選んでおきましょう!
初心者には、足幅の広いTCプロがオススメ
超定番のマルチピッチ向けクライミングシューズ!
なんといってもワイズが広いので、足幅の広い日本人向け。
2021年にはアップデートされ、より耐久性が向上した。
エッジングが強いのを好む人にはマエストロミッド
個人的にはマルチで使用頻度の一番高いシューズ!
やや狭いワイズながら、靴ひもが締めやすく、全体としてレザーのフィット感が気持ちよい。
快適ながら、アーチサポートがやや強めなのでエッジング性能も高い。
マルチピッチだけでなく、ショートルートでも使いやすいアスペクト
サイズ選びが少し難しい印象ながら、適切なサイズを選べるとフィット感の高さに驚くはず。
ソールの硬さからくるエッジングの良さは、マルチピッチだけでなくショートルートでも積極的に使いたくなる。
個人的にはデザインが一番好き。
この3足からご自身に合いそうなクライミングシューズを選ぶと
■あれほど痛かった靴の痛みから解放される
■どんな岩質に対してもバランスの良い靴なので自信が持てる
■上質なレザーに足を包まれる快適さ
を得られる可能性があります!
近場にショップの無い人は、サイズ交換の出来るネットショップもオススメ。
近くにショップがあると良いのですが、無い人はオンラインショップに頼らざるを得ませんよね・・。
以下のお店は、条件次第でサイズ交換ができるオンラインショップなのでオススメ!
参考にして頂ければと思います!
その他のマルチピッチ装備についてはこちら
クライミングシューズを選ぶうえで、ご自身の足の実寸は知っておいてもいいですね!
足の実寸が分からない方は、ZOZOMATでお家で測る方法もあります。
足の実寸を知っておくと何かと便利なのでオススメです。
※クリックで別タブで開きます。
こちらの記事で、その他のマルチピッチの装備について詳しく解説しています!
もしよかったら見てみて下さいね。
ではまた!