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マルチピッチ向けビレイデバイスの選び方【4商品を徹底比較!】

岩と沢さん
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マルチピッチに行くならば、マルチピッチ向けビレイデバイスは必須装備!
でも、どれも似たような形だし、大きな違いなんて無いような気がしますよね。

この記事では、4つのマルチピッチ用のビレイデバイスを実際に使って分かった「悪い点・良い点」などをレビューします。

初心者がビレイデバイスを選ぶ際に、見るべきポイントなども分かるようになります。

結論。これを選んでおけば間違いない!

初心者にオススメなのは圧倒的にペツルのルベルソ!
→圧倒的軽さ&ロープ幅の対応が広いのでまず間違いない

中級者にはエーデルリッドのメガジュルもオススメ!
→リードクライマーの半オートブレーキ機能がうれしい

8mm程度の細いロープを使う人はATCアルパインガイドがオススメ!
ロープスロット内でのロープのキンクを防止できる

岩と沢さん
岩と沢さん
この記事を書いた人
Profile
■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
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そもそもマルチピッチ向けビレーデバイスとは?

マルチピッチ向けとそうでないものは、何が違うのかを解説します。

ビレイデバイスといっても種類は様々

確保器や下降器ともいわれます。

主に、上の4つの種類に分類されます。

初心者におすすめ
①ブレーキアシスト機能付きビレイデバイス
主な使用用途
・マルチピッチ
・ショートルート
メリット
・マルチピッチ時、フォロー(セカンドクライマー)の確保が簡単にできる。
・ロープの繰り出しが簡単。
デメリット
・やや重い。
主な用途
・マルチピッチ
・ショートルート
ショートルートしか登らない人むけ
②バケツ型(ATC)ビレイデバイス
主な使用用途
・ショートルート
メリット
・ロープの繰り出しが簡単。
・軽い
デメリット
・マルチピッチにはやや不向き
主な用途
・ショートルート
中級者以上におすすめ
③オートロック機能付き
主な使用用途
・ショートルート
メリット
・クライマーが落ちた時、半自動でロープの流れを止めてくれる。
デメリット
・値段が高くて重い。
・操作には慣れが必要。
・ロープ2本での懸垂下降ができない。
主な用途
・ショートルート
・高難度のマルチピッチ
懸垂下降の予備として
④エイト環
主な使用用途
・今はあまり主流ではない
メリット
・懸垂下降がしやすい。
デメリット
・ロープがキンクしやすい(ねじれが出やすい)
主な用途
・懸垂下降

今回は、初心者から中級者以上にオススメな、①「ブレーキアシスト機能付きビレイデバイス」(マルチピッチ向けビレイデバイス)について詳しく解説します。

バケツ型などと分類分けしていますが、人によって呼び方が違うので参考程度にお願いします。

【ビレイデバイスの各部名称】これだけは押さえておきたい。

①アタッチメントポイント
②ロープスロット
③ブレーキグルーブ
④ボディ
⑤ケーブル
⑥リリースホール

マルチピッチ向けは、ショート向けと比べて穴が多い。

←がマルチピッチ向け、→がショートルート向けビデイレバイス!

マルチ向けとショート向けの二つの違いは、上と下の穴の有無
マルチピッチ向けのほうが穴が多いです。

リードをビレーする方法はどちらも同じですが、セカンドをビレーする方法が異なります。
次の章で説明します↓

マルチピッチ向けビレイデバイスでセカンドをビレーするメリット

マルチピッチを登っている登っているとします。
リードクライマーは、終了点について、セカンドをビレーしないといけません。

この時、マルチピッチ向けビレーデバイスが活躍します。

セカンドをビレーする具体的方法

終了点の支点とアタッチメントポイントを使ってセカンドを確保します。
ボディビレイでは無いという事もポイントです。

セカンド確保時のメリット

セカンドが落ちた時に半自動ブレーキがかかる
→セカンドが見えない場合でもブレーキがかかるので安心

セカンドが落ちた荷重が終了点にかかる
→救出や手助けの為にビレーヤーが自由に動ける

ショートルート向けのビレイデバイスでもマルチピッチを登ることは出来ます。
しかし、上にあげた二つのメリットはマルチピッチ向けビレイデバイスのみ

マルチピッチではマルチピッチ向けビデイレバイスを使うのが無難で安全

使い方は、こちらの動画がとても分かりやすいです。

セカンドが落ちた時の解除方法も紹介されていますが、安全に行うのは難しい。
失敗すると、セカンドクライマーを落としてしまいます

初心者の内は、無理に解除をするのではなく、セカンドクライマーに頑張って登ってもらう方が安全の場合が多い。

ATCガイドとルベルソ、形が似てるけど何が違う?

ロープスロットの大きさは、操作性と対応ロープに関わる。

ロープスロットの大きさが変わることで、
■対応するロープの太さ
■ロープの繰り出しやすさ
が変わる。

製品名重量対応ロープ径
ブラックダイヤモンド/ATCガイド89g8.1~11mm
ペツル/ルベルソ57g7.1~10.5mm

ルベルソの方が圧倒的に軽く、対応するロープ幅も広い。
それでいて、ロープの繰り出しやすさなどはほとんど変わらない。

アタッチメントポイントの向きは好み

アタッチメントポイントの向きの違いもポイント

この二つの大きな違いでもあるアタッチメントポイントの向きの違い。
ルベルソは横向き、ATCガイドは縦向き。
終了点でセカンドクライマーをビレーするときに、ビレイデバイスの向きが変わってくる。

なんとなく、正面を向いている方が操作はしやすそうに見える。
現実的には、セカンドは正面よりも右や左側から登ってくる方が多い。

小さな違いだが、僕はビレーの操作のしやすさはルベルソに軍配があがる。

リリースホールの大きさに適応するカラビナを持って行くのが大事。

セカンドが壁の途中で登れず、降ろしてあげる時に使うのがリリースホール。
リリースホールの穴の形状はATCガイド・ルベルソ・メガジュルもほとんど変わらない。
(僕が持っているのはルベルソ4で、最新のルベルソ5はリリースホールがATCガイドと同じぐらい小さくなった)

リリースホールが大きい方がカラビナは入りやすいが、小さい方がリリースは行いやすい。
しっかりとリリースホールに合う形状のカラビナを持っていくのが大事!

4つのマルチピッチ向けビレイデバイスを徹底比較!

画像製品名ポイント重量ロープ操作対応ロープAmazonで詳細を見る楽天で詳細を見るYahoo!で詳細を見る
①BD/ATCアルパインガイド安心して細いロープを使える。73g細いロープは〇6.9~9mm Amazon 楽天 Yahoo
②エーデルリッド/メガジュルリードクライマーの墜落を半自動で止められる。65g少しコツがいる7.8~10.5mm Amazon 楽天 Yahoo
③BD/ATCガイドオーソドックスなビレイデバイス。65g太いロープもOK8.1mm~11mm Amazon 楽天 Yahoo
④ペツル/ルベルソ軽くて、対応ロープ径も広く、最もオススメ。57gバランスが良い7.1mm~10.5mm Amazon 楽天 Yahoo

見るべきポイントは、重量と対応ロープ径。
細いロープはどうしても制動力が弱く、ビレイも懸垂下降もロープが流れやすいです。
対応ロープ幅内であっても、制動力は大きく変わる場合があります。

本チャンに行く前にビレイデバイスとロープの相性を確認したほうが良いです。

初心者から中級者までオススメしたいのはルベルソ

ルベルソのおすすめポイント

ルベルソは圧倒的に軽い!
■アタッチメントポイントの向きが、ビレーが行いやすい向き。
■対応するロープ幅も広い!
■ATCガイドと比べて、ロープ操作もそん色なく行いやすい。

ビレイデバイスで失敗をしたくない人はルベルソを買っておけばOKです。

細いロープを使用する人にはATCアルパインガイド!

細いロープ(8mm前後)を使用する人には、ATCアルパインガイドがオススメ!
具体的に見ていきましょう。

←がATCアルパインガイド、→がATCガイド

ATCガイドを、軽量化&コンパクトにしたのがATCアルパインガイド

ATCアルパインガイドは、対応するロープ幅の上限が9mm。
シングルロープをそもそも想定していない
ダブルロープ、もしくはツインロープ使用が前提ということです。

ロープが食い込んだ状態

上の写真は、ルベルソで8mmロープを使用している時の写真。

セカンドをビレーしているときにセカンドが落ちたりすると、セカンドクライマー側のロープがビレー側の方に食い込むという事がある。

ATCアルパインガイドはロープスロットが一番小さい。

ATCアルパインガイドはロープスロットが小さいので、細いロープでもロープが食い込みにくい

僕は、8.6~9mmのダブルロープを使用することが多い。
そのぐらいの太さなら、ルベルソでも食い込んだことはないので大丈夫です。

リリースホールも小さめ

ATCアルパインガイドはリリースホールも一番小さい。
しっかりと形状にあったカラビナを持っていこう!

ATCアルパインガイドのまとめ

■ルベルソなどは、8mm前後の細いロープを使うとロープが食い込む可能性がある。
ATCアルパインガイドは食い込みにくい。
細いロープでの懸垂下降にも、相性が良い。
■細いロープを使う人はATCアルパインガイドがオススメ!

使用するロープとビレイデバイスは、
本チャンに行く前にしっかりと相性テストしてから行きましょう!

中級者にはメガジュルがオススメ!

メガジュルには大きな特徴がある。
リードクライマーのフォールに、半自動ブレーキがかかる。

見た目からしても、メガジュルはとても特徴的!
メガジュルはビレイ操作に少しコツがいるのでご説明します。

リードクライマーのビレー。基本的なポジション

リードクライマーをビレーするときには、特徴的な緑のパーツに親指を引っ掛けておかなければならない。

右手のポジションは固定されてしまうので、他のビレイデバイスのように自由な動きは出来ない。

リードクライマーが落ちた時に右手を離すことで、食い込み部分にカラビナが入り込んで、リードクライマーの滑落が半自動で止まる
(実際には、ビレー側ロープの手は離してはいけないです!)


引用元:マジックマウンテンHP メガジュル取扱説明書
http://www.magic-mountain.jp/item/support/torisetu.html

親指を緑のパーツにあてとかないと、意図せずカラビナが食い込んでロープが止まってしまう。
ビレーには慣れが必要なので「初心者にはオススメできない」というのが正直な感想。
取扱説明書をしっかり読みましょう

▲自分がリードクライマーで落ちたという仮想シミュレーション

体重を掛けてみましたが、8.3mmのロープでもバッチリと止まります!

メガジュルまとめ

他にはない、リードクライマーの半自動ブレーキは便利!
■ビレーにコツがいる
■ロープの繰り出しは少なくなるので、ビレーヤーの技量も要る

ビレー操作に慣れており、メガジュルの特性を理解できる人にはとてもオススメ。

【さいごに】大事なのはビレイデバイスよりもビレーヤーの技量!?

こんなことを言ってしまっては、元も子も無いのかもしれませんが・・・(笑)

大事なのはビレイデバイスよりもビレーヤーの技量(ビレー技術)です!
是非、こちらのペツルの動画を見てみてくださいね。

その他、マルチピッチに必要な装備についてこちらの記事で詳しく載せています!↓

ぜひ読んでみてください。

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ではまた!

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■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
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