クライミングレポ
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【雄鉾岳正面壁・左稜線ルート】変化に富んだ厳しいマルチ!全体図&動画付き!

岩と沢さん
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雄鉾岳・左稜線ルートはスラブ・クラック・チムニー・レイバック・人工登攀・フェースクライミングと・・・様々な要素が詰まっているルートだ!
ついでに言うと、アプローチも悪くて分かりにくい。
古い支点もあったりして、落ちてはいけないシーンが多く本チャンマルチピッチでした。生半可な気持ちでは取り付かない方が良いかもしれない!?

■タイム
08:20 鹿川キャンプ場出発→09:00 登山道分岐→09:30 取り付き到着→11:35 4p目登攀開始→13:45 雄鉾岳山頂到着→15:20下山開始→16:50 鹿川キャンプ場
■グレード
6ピッチ 5.10d(2013年に拓かれたルートとの事で新しい支点が多いですが、非常に古い支点も有ります)
■主な使用ギア
60mダブルロープ・ヌンチャク17本ぐらい・スリング・キャメロット(0.5~2)・アブミ

分かりにくいアプローチ!

昨晩、鹿川キャンプ場で美味しいお酒を飲み終えてスタート!


先ずは普通の登山道を行きます。


尾根を登り終える手前に、やけに赤テープの多い箇所があります。ここを左へ!


左に行くと、すぐに赤テープがお出迎え。


だだっぴろいガレ場をそれっぽい所(岩方面)を行く。所々で赤テープがでてきます。


白い大きなスラブが見えてくるが、まだここではない!ここを左にトラバースします。


開拓道具が残置されているところを、どんどん左にトラバースしていく。
大きな谷に出ますが、そこを更に左にトラバース。赤テープが時々出てくる。

落ちたらやばそうな箇所をトラバースして、テープも少なくなってきて段々不安になってくる・・


赤テープが無く、行き止まりの雰囲気になってきたら、↑の写真の右の小さい尾根を登っていく。道らしい道は無く、沢登りの高巻きみたいだ。


ごくまれにテープが出てきて、間違ってない事を知ってホッとします。


急こう配な小さな尾根を登る事数分・・


ようやく取り付きに到着!登山口から少し迷いながらも歩いて1時間半程度でした!

取り付きに到着!

1p目 5.9 30m

ぱっと見、傾斜はそれほどでも無さそうだが、いざ取り付いてみるとスタンスがほぼない箇所がある・・・!靴のフリクション頼みで登るしかない・・・!
支点はRCCで間隔が近いです。時間をかけてもリスクなので、ぐいぐいA0で登りました!


2p目 5.7 40m

2ピッチ目は簡単です。スラブというよりも傾斜の緩いフェース。
最後の方は木登りになるので、落石させないように注意が必要です!


↑2pを登っている途中で下のパーティを写真に撮る

2p上部。支点もあります!


2p終了点。ここから懸垂もできるみたいです。


3p目 5.9 35m
個人的にはかなり苦労したピッチです。
細いクラック沿いに登り、ハングを右にトラバースする。


3pを登る。あの手前のハングを右にトラバースして草付きに行くのですが、ハングに到達するまでがかなり悪かったです。

支点が遠く、人工でもハングのクラックに届かない・・・カチと左足のフリクション頼みで体を持ち上げたら何とか届きそうだが、一か八かなムーブだ。アルパインでは落ちてはいけないと教えられているだけに悩ましい!多分、フリーが上手い人なら難なく行けるだろう。

結局、ハングの左下にリングボルトがある(結構遠い)ので、それになんとかヌンチャクをかけてA0で登った。


ハングをトラバースすると、凹角の登りになる。

凹角を気持ちよくレイバックなどで登ると、ようやく綺麗なステンレスハンガーが出てくる。そこからクラックにカムを入れて乗り込む箇所がありますが、その最後の抜けもかなり悪かった!

核心!?4ピッチ目のチムニー!


4p目 5.10a 35m
ここが核心ピッチだと思う。


最初は大きなフレークをレイバックで登る。おちおちしていたら腕力がどんどん吸い取られていくので、スピーディに上がった方がよさそうだ!支点は無いけれどカムがバチ効き!


フレークを登り終えると、古いリングボルトやRCCしか無い。ファジーなトラバースを経て、チムニーに入っていく。

それまでスルスルと登っていたパートナーの動きが止まる。どうやらかなり難しいみたいだ。チムニー内はコケだらけで濡れておりフリクションが悪い。そして支点は古いRCC等あるけど遠い。
じりじりとアブミで高度を稼ぎ、チムニーの右横のクラックを使いカムエイドで登った!

チムニー内はザックをぶらさげて登った。上の写真は中部まで登った所。反対の岩は風化してぽろぽろ崩れるのも気味が悪い。チョックストーンの所まで登れば一安心です!


5p目 5.10c~d 30m

5pはグレードこそ一番高いですが、人工で登れば5.9ぐらいだと思います。↑の写真のせり出した岩を右にトラバースする所が難しいかと思われましたが、人工を交えればガバもあり簡単でした!支点も多め。


↑4p終了点


せり出した岩をトラバースした先は、見事なスラブが広がってます。

スラブは人工で遠慮なく登ります。フリーだったらかなり難しそう!
途中からルートに迷う。。右に行くか、左に行くか・・・支点は見当たらず。
結局左に行くのが正解で、見えにくいですがガバなフレークがつながってます。

ガバなフレークはガバtoガバで超快適!めちゃくちゃ楽しいです!
カムもバチ効きで、所々支点有り。

終了点に到着し、ビレーしているとハチの大群が飛んでくる様な音が聞こえた。
「なんだ!?」と思ったらドローンがすぐ近くの山頂から飛んできた。ハチじゃなくてよかった~


6p目 5.8 30m

6p目は簡単なスラブ!10mほど登ると山頂まではほぼ歩きです!

パートナーが6pを登っている最中に、1pの終了点からずっと飛び回っていたアシナガハチ達が、ついに僕の手にとまった・・「刺すなよ・・・」と思った瞬間チクッと激痛が!どうやら強力なアゴで噛んできたみたいだ。それも、3回。「痛い~」と思ったが、ここで払ったりしたら危ない。静かに時が経つのをまった・・・この時期はどうしてもハチ問題がありますね。

山頂に到着!


山頂に到着!

山頂では、ドローンを愛する人たち?が5人ほどいた。



少し歩いて鉾岳山頂へ。いや~、大変なマルチでした!痺れました。
お疲れ様でした!

帰りはパックン岩によって帰ります!

雄鉾岳からはスリリングな登山道を下り、ついでにパックン岩も見に行ってみました!


パックン岩よりも大滝の方が気になる・・


雄鉾岳は何といっても美しい岩山です。

全体図&トポ図はこちら


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各終了点に青●を付けました。


その他のトポや画質の良いトポ図はこちら

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もしよかったら見てくださいね!
ペースは遅いですが、今後も動画を上げていく予定ですので是非チャンネル登録と高評価をよろしくお願いします!(僕のモチベーションにもつながります!(笑))

今回使ったマルチピッチクライミングのギアについてはこちら!

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この記事を書いた人
岩と沢さん
岩と沢さん
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■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
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