宮崎県【雌鉾岳・カメレオンルート】グラウンドアップで開拓されたルート!

雌鉾岳は日本一のスラブを有しており、ボルト間隔も遠く、毎回緊張させられる岩場だ!
今回は「カメレオンのように這うように登る」と噂される、カメレオンルートを登ってきました!
07:30 鹿川キャンプ場→08:00 取り付き→8:20 登り始め→11:15 5p取り付き→16:00 終了点→16:45 取り付きに到着→17:20 鹿川キャンプ場
■グレード
9ピッチ 5.10b(ボルト間隔遠い)
■主な使用ギア
60mダブルロープ・ヌンチャク15本ぐらい・カム1セット・アブミ・ちょんぼ棒・その他
取り付きは大長征ルートと同じ
- 何度見ても圧巻のスラブ
- 取り付きにて準備
何度見てもこのスラブは圧巻です!
取り付き似て準備をしていると、東京から来たという6人パーティが。
東京でもこの岩場は有名みたいです。
何年か前に来たときは、北海道から来たというパーティも居ました。
1p 50m 5.3 ボルトは1つ
取り付きから松の木に向かって登ります。
大長征のボルトを利用してからトラバースをすると、かなり厳しいトラバースになります。
大長征のボルトを使わずに、フレークにカムをかまして松の木に真っすぐ行くと楽に登れました。
ボルトは中間に1つのみです。
2p 40m 5.2 ほぼ歩き
- ほぼ歩き。
- ヤブの中でビレーします。
2pはバンドの上を歩いて、ヤブを登ります。
ほぼ歩きのピッチなので難しい所はありません。
3p 45m 5.2(Ⅳー) ボルトがほぼ無い緊張のピッチ
- 5.2といえど気が許せないスラブです。
- 画面下部のクラックにカムが甘く決まる。
グレードは5.2ですが、
プロテクションは登りはじめにカムが甘く決まるのと、中間に腐ったリングボルトが1個のみ。
中間以降は高度感を感じるスラブで、難しくはありませんが「絶対落ちれない」と緊張させられます!
ブッシュ 30mぐらい
- それっぽいブッシュの中の道を進みます。
- ここがビレイ点
特に危ない所は無いピッチです。
どこまで進むか少し迷う所。僕たちはブッシュの端まで行きました。
ブッシュの端に行くと、「4月の風ルート」の3p終了点の近くまで到達しました。
ブッシュの中には、グローブやスリング、デジカメなどなど・・・数多くの物品がありました。
恐らく大長征の途中で落としたものが、このブッシュで止まっているだと思います。
グローブに見覚えのある名前が書いてあったので、もしかしてと思って持って帰ったら、知人のグローブでした!奇跡!
5p 25m 5.9(Ⅳ) いよいよスラブの始まり
- 右側から取り付き、左上するようにトラバース
- この位置から終了点までボルト無し。
これまでのピッチはアプローチみたいなもので、ここからカメレオンルートの始まりみたいなものです。
目の前に広がるスラブを、ほぼ直上するように登ります!
5pは、最初はブッシュから右のボルトを使い、そこから大きく左にトラバースしていきます。終了点が見えないのでルートが分かりにくいです。
中間にボルトが1個あり、そこから厳しいスラブを登ると、ようやく終了点が見えて安心します。
- 5p終了点。下から見えないので分かりにくい。
- 5pを登るセカンド。終了点の手前が厳しい。
緊張しますが、これで5.9!?という感じです。
雌鉾岳は5.9でも5.8でも緊張させられます。グレードはあまりあてにならないかも?
6p 40m 5.10a 厳しいスラブ登り
- 最初にカットアンカーがあり、あとはリングボルト
- 厳しいスラブ登攀。足で登ります。
- リングボルトが遠い間隔であります
- 中央バンドと合流!
いよいよ5.10aのスラブです。
最初にカットアンカーがありますが、後は腐ったリングボルトがあるのみ。
非常に細かいホールドとスタンスを頼りに、直上していきます。
雌鉾岳はフリクションがバチ効きなので、小さいスタンスでも気持ちよく立ち込めるのが良い所です。
だんだんと傾斜が緩んで、中央バンドに合流した所で終了点です。
7p 40m 5.10a クラックからのスラブ
- スラブを登り、フレークに取り付く。
- フレークからは非常にバランシーなスラブ。
頭上に見えるフレークまでランナウトしたスラブを登ります。
フレークは2番、3番のカムが決まるサイズです。
途中のピナクルにスリングでプロテクションを取ることも出来ます。
穴状になったところから直上して、このピッチ2個めのボルトが有り、そこからボルトに導かれるように厳しいスラブのトラバースとなります。
- フレークは気持ちいい。
- フレークが終わった後のスラブが厳しい。
スラブが怖かったので、僕はパニック(ちょんぼ棒)を使用しました。
8p 30m 5.8(Ⅳー) 気の許せないスラブが続く・・・
- ボルト間隔は遠く、ハング越えが厳しい。
- ナイスリードに導かれて登る
真上に見えるハングに向かって登ります。
ハングまでボルトは2個。ランナウトに耐えて登ります。
ハング登りはホールドが無く厳しい。
親指より少し太いぐらいの木が2本生えているので、それを掴んで無理やり登りました。
9p 35m 5.10b(Ⅶー) 厳しすぎるスラブなので迂回
- 垂直の壁を登る。
- 傾斜が強く、ホールドもスランスも無い・・
カットアンカーが5m置きぐらいで真っすぐ上に伸びているが、ホールドが何もない!
2個目のボルトに捨てビナを使い、リードが降りてくる。
時間もあまり余裕が無いので、すぐ右にある連打されたRCCを利用して登ることに。
(庵の秋ルート?の昔の人工の名残?)
RCCにアブミをかけて登る。
セカンドからは長めのヌンチャクを残置して、A0でぐいぐい登る。
時間は16時。暗くなる前には登りたい!
最後の方はクラック。
クラックに詰まった草や泥を掘り起こして、カムをセットして登った。
終了点に到達!下山はクライマーズルートで
- 終了点に到達!お疲れ様でした!
- 美しい景色をバックに降りる。
- 結構険しい下降ルートです。
ブッシュ帯に到達!
すぐに下山準備をして、ブッシュ帯を左に進む。フィックスロープのある下山路がある。
傾斜もきつく、フィックスロープに体重を預けて降りる。
この古いフィックスロープが切れたら一巻の終わりだ・・!
取り付きの看板には「登山道下山を推奨」と書いてあった。
時間のある人は、ブッシュ帯から山頂を目指しても良い。
その場合は、ブッシュ帯から5.3と5.4の2ピッチを登ることになる。
今回使った便利グッズ
今回、ポイントで人工を交えて登りました。
最近はフリークライミングが主流で、人工は敬遠されがちですが、
「登れないところは諦めるのではなく、人工で登ると、登れるルートも多くなって、自分が楽しくなる」
と思います。
クライミング能力を鍛えれば良いという話もありますが、
僕みたいに近場にジムが無く、限られた時間でしかクライミングを楽しめない人も居ますからね・・
クライミング能力の向上は環境が一番大事だと感じます。
いわゆるちょんぼ棒

あとちょっとでボルトに手が届く!という時に便利なギアです。
コシのあるスリングなので、手の届かないところにも安心してカラビナをクリップできます。
カラビナは自動閉鎖式で、クリップまでは開いた状態になり、クリップすると自動でカラビナが閉まります。
30cmと45cmがありますが、45cmのほうが良いと思います。
ギアスリングにぶら下げていても、邪魔になる事はありません。
お守りとして持っておくと非常に心強いギアです!
全てのアブミニストに贈る

少し嵩張りますが、アブミはこれが一番使いやすいです。
一番上の段にプレートが入っているので、2段目以降も足を入れやすい。
持ち運びがコンパクトになるように、少し工夫して細工する必要があります。
アブミの架け替えでは、2色のアブミを使用すると分かりやすいです。
マウンテンダックスのアブミはちゃんと2色ラインナップされています。
山でも、普段使いでも使いやすいモバイルバッテリー

コンセントと充電器が一体となったモバイルバッテリーです!
クライミングとは関係ありませんが、山の遠征に持って行くモバイルバッテリーはこれがコンパクトで便利でした。
- こんなにコンパクト!
- ここにプラグが内臓されてます。
- 簡単に出すことが出来ます。
- そのまま充電できるので便利すぎる!
- 充電口はタイプCのみ。
- 高速充電器にもなります。
コンセントプラグが内臓してあるので、充電がめちゃくちゃ楽です。
そのままケーブルを繋ぐと高速充電器に早変わりなので、一石二鳥です。
充電器として使用する際は、モバイルバッテリーに充電はされないのでバッテリーの寿命を縮める事も無さそうです。
山に持って行く際は防水処置は必須です!
山で使うランタンの決定版

今更感ありますが、山でのランタンはやはりこれが一番良さそうです。
テント内だと十分な明るさですし、ブーストモードを使えば外でもめちゃくちゃ明るい。
(写真はフラッシュ&他のランタンも使用しています。)
- とにかく荷物にならない!&軽量(71g)!
- 基本は充電式。
- もしくは単3電池が使えます!
充電式なので普段は気軽に使えます。
山でバッテリーが切れたら、単3電池が代わりに使えるのでめちゃくちゃ便利です!
ではまた!