クライミングレポ
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【雌鉾岳クライミング・4月の風】スラブとランナウト祭り。全体図&動画付き!

岩と沢さん
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4月の風ルートは、僕が登ったマルチルートの中でも、1・2位を争う「心に残る恐怖のルート」になるかもしれない。最初から最後まで気の抜けないスラブが続き、どのピッチもとんでもなくランナウトする!最初から最後まで、決して落ちることの許されないピリリと辛いクライミングが楽しめる。
「グレードはアテにならない」が皆が一致した意見でした!

■タイム
08:30 取り付き→14:20 5p→17:00 8P終了点(最初のパーティは15:00到着)、下山開始→19:00 鹿川キャンプ場
■グレード
8ピッチ 5.10b
■主な使用ギア
60mダブルロープ・ヌンチャク14本ぐらい・キャメロット(1番前後)・防寒着(陽が当たりにくく寒い!)

取り付きに到着!


8:35 少し迷いながらも取り付きに到着。既に極寒


1p 5.10a(A1) 25m
既にとんでもないスケール!最初からアブミを駆使して、右にハンドトラバース。そのあと、フレークに向かってアブミを使用して登り、直上する。

ハンドトラバースで強引にトラバースをした後、直上する。この直上でアブミを使用しますがボルト間隔も遠く怖かった。直上の際に、フレークにカムを使用した。


1p目のアブミ使用箇所。かなり垂壁!


2p 5.9(Ⅵ) 35m
2p目の出だし。こちらもアブミからスタート。アブミの最上段に乗ってもボルトが遠く緊張する。。。


↑2p目と2p目終了点

2p目は、最初ボルトの通りアブミを登ると、急にボルトが見えなくなりルートファインディングに苦しめられる。もしここでルートを間違えたら、かなり厳しい修正が必要になると思う。慎重にルートを選びたい!

2p目を登るセカンド

3pは40mのランナウト!


3p 5.2(Ⅴ-) 40m

3p目は、草付きの際を登った。恐らくルート的にはもう少し右なのだろうが、ボルトを見つけられなかった。とんでもなくプアな枝に念のためスリングで支点を取った後、終了点まで支点を取れなかった。難しくはないけど、絶対に落ちられません。(このピッチはボルトを一つも見つけることが出来なかった。)


3p目を登るセカンド


4p 5.6(Ⅴ) 30m

当初、大きく左に回り込んで、それから右上する。これまでのスラブに比べると登りやすいしルートは分かりやすいけど、それでも油断はできない!ロープが重くならない様に注意が必要


先行のM田組が居るところが4p目の終了点。終了点手前のフレークに上がる所が難しい。


4p目を登るセカンド。フレークにカムを使用している。あのフレークに行くところが少し難しいです。

5p 5.10a(Ⅵ+)
30m
終了点からフレークを使いパワフルに直上する。支点も多く、アブミも併用する。グレードは高いが、鉾岳グレードでいえば5.9のスラブの方がむつかしい。まだ登りやすく感じた。


5p目を登る。ボルトは多い。


5p目の最後の方。クラックを左にハンドトラバースの様にしてパワフルに登っていく。ハンドトラバースを終えたら、A0でドスラブを直上する。

5pを登るセカンド。

中央バンド帯に合流してからが核心!


6p 5.5(Ⅴ) 30m

6p目は最初ルートファインディングが少し難しい。ボルトがところどころにあるけれど見つけにくい。中央バンド帯(大長征ルート)と合流して別れた後が問題で、ボルトが少ないスラブの右上トラバース。ここがかなりのランナウトで緊張する。
4月の風ルートで2番目に緊張したピッチ。


6pを登るM組と、8pを登るT田組が見える。


6p目終了点。終了点の手前が難しいです。


6p目の、最後のとてもいやらしいスラブのトラバース。ランナウト具合が分かるでしょうか?


7p 5.7(Ⅴ+) 25m

7p目の終了点からセカンドを撮る。縦クラックに詰まった落ち葉を掃除しながら登る。斜度はありますが、これまでのスラブに比べると分かりやすくて登りやすいピッチだった!


8p 5.9(Ⅵ) 40m
いよいよ最後のピッチ!5.9なのでそこまで難しくないでしょう!と話していたら、個人的に一番難しいピッチだった。

8p目は、写真中央、樹林帯手前の凹角を登る所が核心。残置スリングをアブミにして、スラブの何もない凹角を、わずかなカチと極小スラブに足を乗せて騙し騙し登る。この核心の手前にボルトがありますが、斜度も高度感もあって最高に緊張しました!

終了点に到着!


終了点の樹林帯に到着!ご本人の希望により目線を入れてます!

ようやく終了~!3パーティという事もあり、時間がかかってしまった。17時に下山開始。(1番目に登ったパーティは15時には終了点に到着していたので、普通はそのぐらいだと思います)
下山は樹林帯を通って、大長征ルートの取り付きまで落りる。途中で暗くなった。登った感想は「グレードが無意味」という事。どのピッチも油断と休憩が出来なかったです。

宮崎のスラブは、5.9でも十分に恐怖を味わうことが出来る・・・

全体図&トポ図はこちら!

クリックで大きくなります。
各終了点に青●を付けました。こちらは下部ですね!

上部

こんな感じです!
中央バンド帯を超えてからが核心です!写真では少し遠近感が分かりにくいですね・・

 


その他のトポ図はこちら

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今回使ったマルチピッチクライミングのギアについてはこちら!

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この記事を書いた人
岩と沢さん
岩と沢さん
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■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
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