韓国・インスボン
PR

【韓国・インスボン・クライミング】インスリッジやシュイナードを登ってきました!

岩と沢さん
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2024年4月に韓国のインスボンに行ってきました。
インスボンはアクセスがしやすく、韓国人は親切な方が多く、初めての海外遠征にも良いと思います。

ソウル市内からアクセスが非常に良い。
トポ図の入手が難しいですが、ルートもたくさんあります。
東洋のヨセミテとも呼ばれており、岩の規模も大きく、質も高い。

この記事で分かる事
  1. インスボンへのアプローチと、トポ図について
  2. インスボンの岩場について
  3. インスリッジ 8p、5.9、A0
  4. シュイナードB 6p 5.8
  5. まとめ

インスボンへのアプローチと、トポ図について

ソウルへのアプローチはこちらの記事をどうぞ!

あわせて読みたい
【ソウルへのアクセス】カカオタクシーやWOWPASSを使ってみた|仁寿山&北漢山
【ソウルへのアクセス】カカオタクシーやWOWPASSを使ってみた|仁寿山&北漢山

※クリックで別タブで開きます。

ソウルから地下鉄で行く場合

ブッカンサン駅まで地下鉄で移動し、そこからタクシーなどを利用して登山口(トソンサ広場)まで行く方法があります。

メリットは安い事。にぎやかな登山通りを歩けることです。
デメリットは、トソンサ広場までは登りが続くこと。意外と遠いこと。地下鉄が面倒なこと。

ソウルからタクシーで行く場合

トソンサ広場までタクシーは行けます。
東大門駅付近からだと、片道1700円ぐらいです。約40分。
僕たちは4人だったのでタクシーを利用しました。

カカオタクシーを利用すると便利です。カカオタクシーについてはこちら

インスリッジと東面取り付きへのアプローチログとトポ

インスボンのトポ図は、過去に日本語版で販売されたものは以下の2つのようです。

①仁寿峰と白雲山荘 参考リンク
②岳人 No.746号 参考リンク

①は入手できなかったので、②を参考にしました。

トソンサ広場から峠までは30分程度の登り。
峠からトイレまでは5~10分程度の下りです。

インスボンの岩場について

グレード感について

今回は5.6~5.9を登りましたが、クラックはグレード通りだと感じました。
しかし、スラブはかなり辛いと思います。
どちらかというとスラブの練習をしっかりしてから行った方が楽しめると思います、

ボルトについて

ルート中、不要なボルトはかなり少ない方だと思います。

ただし、必要な所にはボルトがありますし、ちゃんとしたグージョンボルト(いわゆるペツル)なので安心できます。
終了点にはFIXEの「ビレーラッペルPLX」が多い。

懸垂下降もしやすいですし、パーティが重なった場合にも使いやすい。
人の多いインスボンならではと感じました。

人の多さについて

週末には200~300人のクライマーが取り付くとされているインスボン周辺。
週末は、ルートによっては懸垂下降してはいけないなどのルールがあるようです。
登りに行くなら平日が良いと思います。

インスリッジ 8p、5.9、A0

インスボンにはいくつかのリッジルートと呼ばれるルートがあります。
トポの言葉を借りると「このエリアのリッジルートを代表する1本」であるインスリッジを登ってきました。

行程

トイレの分岐08:36→取り付き09:08→おにぎり岩11:45→9p取り付き13:31→インスボン山頂14:20→懸垂下降→登山道になんとなく合流→トソンサ広場→カカオタクシーにてホテルに帰る

使用したギア

■60mダブルロープ
■カム(キャメロットの#0.2,#0.3,#0.5,#0.75,#1,#2,#3,#4,#5)
#1,#2,#3は2個づつ
■ヌンチャク (パーティで12個)
■スリング (パーティで4個)
■PAS

GPSログ

インスリッジへのアプローチは非常に分かりづらいので、上のログをご利用ください。
トソンサ広場には、トイレと自動販売機がありました。

トイレからインスリッジの尾根へのアプローチ

トイレからスラブの取り付きまで、迷いながら歩いて30分程度でした。
踏み後はめちゃくちゃ不明瞭。(もしかしたらちゃんとした道があるのかも)

1p目:ノーグレードスラブ

1p目はボルトの無いスラブです。
アプローチシューズでも行けそうな気はしますが、念のためロープをつけてクライミングシューズで登りました。

スラブを登り終えると、再び100m程歩きとなります。

2p目:5.6 10m

2p目はいよいよ本格的なクラッククライミングが始まります。
ボルトはありませんがカムが良く効くので安心して登れる。

クラックを登ると、再び長めの歩きです。

3p目:5.6 5m のハズが、かなり悪いスラブ

トポ上では5.6mの5mですが、上部のスラブがかなり厳しく感じました。

最初のクラックは気持ちよく登れました。
続いて上部のスラブですが、ボルトも一つしか無く非常に難しかったです。
僕の体感グレードでは5.10aあってもおかしくないと思いました。
地元クライマーも左から巻いているっぽかったです。
(ここに限らず、巻道は沢山あるようでした)

3p:5.6? 少し広いクラックを登る

この辺りからルートがよく分からなくなってきます。
ルートに迷っていると、地元クライマーが来てくれて先導してくれました。

4p:5.6? ボルトの無い恐怖の乗り越し

いよいよインスボンらしく?なってくるあたりです。
股下がすっぱり切れている所を乗り越す。
スラブ状になっており、奥に手が届けば少しは安心できますが、絶対に落ちれないやつです。

すぐに終了点があります。

5p:複雑なシステムでおにぎり岩へ

終了点からロアーダウンして、ボルトの所からA0で登り返します。
1人目はロアーダウンで登れますが、2人目は懸垂をする必要があります。
韓国人パーティはシングルロープで上手い事してましたが、僕たちはダブルロープで行いました。手順は次の通りです

①リードを10mほどロアーダウンさせる。反対側の岩のボルトに到着したら、そこから一本のロープだけプロテクションを取り、反対側の岩を終了点まで登る。
②セカンドは、プロテクションをとった1本のロープで確保される。
もう1本のロープは末端をハーネスから外し、必要な長さだけを懸垂下降に使う。
③セカンドは懸垂下降をしつつ、もう1本のロープで確保してもらう。
④反対側の岩に到着したら、セルフをとって、懸垂下降で使ったロープの末端を自分のハーネスに装着する。

反対側に乗り込む所がものすごい高度感です。
ここを更に懸垂して、岩をしたから回り込む韓国人パーティも居ました。
(恐らくですが・・)

おにぎり岩からさらに10mほど懸垂下降をしてテラスに降ります。

6p:5.9 15m グレード的には一番高いクラック

ハンドジャムが決まりにくい、やや狭い綺麗なクラックです。
グレードは高いですが、ボルトもあるので簡単に感じると思います。
(これまで登ってきたところの方が難しい)
すぐに終了点があります。

7p:5.6+A0 40m 気持ちの良い高度感のあるクラック

赤い矢印のセクションが7p目ですね。高度感抜群!
(下に6p目のクラックが見えます。)

一見難しそうに見えますが、ガバが続くので簡単です。
中間のA0を使う所だけ、A0に慣れていなければ少し難しいかも。

非常に面白いピッチでした!

8p:ルートファインディングが難しい

ここはトポ通りに行こうとして、かなり迷った所です。
間違えた所を登りすぎて、非常に危ないクライムダウンをしてしまいました。

トポでは右に行くように書かれていて、5.7っぽいチムニーがありますがそれは間違い。
終了点から5m程登り、左のスラブを行きます。
そうすると2枚目の写真の小テラスにつきますので、そこから岩のトンネルをくぐり、嫌らしい2mほどの岩稜を登って、右に行きます。
(一部ちょっといやらしい箇所あり)

すっぱり切れている所についたら、そこからクライミングが始まります。

9p:5.7 30m 最初のクライムダウンが怖いクラック

残置ロープを伝い、少しクライムダウンします。足も手も無くて怖い。
そのあと正面に見えるボルトの無いスラブを登り、クラックを登ります。
テラスについたら鉄の棒があるのでここでピッチを切ってもいいです。
50m以上のロープなら更に上まで登る事が出来ると思います。(僕たちは更に登りました)

そうすると、やや広めのテラスに到着です。

10p:やさしいスラブ 30mぐらい

あとは山頂直通の快適なピッチです!
最後はプロテクションが取りにくいスラブが続くので油断しないように。

山頂に到着!山頂からは懸垂下降で降ります

山頂に到着!
色々な韓国人パーティが他のルートから上がってきます。
この日は日曜日ということもあり、インスボンも、お隣の北漢山(白雲台)もかなりの人!

登ってきたインスリッジが丸見えです。

あとは懸垂下降して降るだけ。
北漢山(白雲台)方面に残置ロープを頼りに少し下り、スラブを歩いて鉄の鎖の所まで行きます。
鉄の鎖をトラバースすると、いくつかの下降ポイントがあります。
韓国クライマーは2枚目の写真の左の赤丸のところから懸垂していましたが、そこに行くまでもかなり怖い。落ちたら絶対助かりません。

僕たちはチェーン沿いの下降ポイントから降りました。
60mのダブルでも1回では降りられず、2回懸垂下降しました。

トソンサ広場からタクシーで帰る

歩いて地下鉄の駅まで降りても大丈夫ですが、かなり長いです。

トソンサ広場です。
写真右の黄色い枠の所がタクシー乗り場のようです。
韓国の方に聞いたところ、カカオタクシーを呼べば来てくれるという事でした。
僕は楽天のSIMを契約しているのですが、海外でも2GBまで高速通信が使えるので、ここでカカオタクシーを呼びました。

5分ほどでタクシーが来てくれました。

(カカオタクシーを呼んだのは翌日の話で、この日は韓国の方が「俺たちのタクシーに乗りなよ!」ということで、相乗りさせてもらいました。ホテルに帰ってカカオタクシーの呼び方を勉強し、翌日利用しました。便利で簡単ですので是非ご利用ください。)

シュイナードB 6p 5.8

インスボン東面には、数多くのマルチピッチルートがある。
今回は、その中でも「日本人に特に人気」とされるシュイナードBを登ってきました。

行程

取り付き08:20→4p終了点09:45→耳岩10:45→耳岩にて休憩→懸垂下降開始11:50→懸垂下降→取り付きに降りる→トソンサ広場→カカオタクシーにてホテルに帰る

使用したギア

■60mダブルロープ
■カム(キャメロットの#0.2,#0.3,#0.5,#0.75,#1,#2,#3,#4,#5)
#1,#2,#3は2個づつ
■ヌンチャク (パーティで12個)
■スリング (パーティで4個)
■PAS

GPSログ

シュイナードBへは、東面の取り付き広場を目指します。
トイレの所から登山道を離れますが、踏み後はしっかりしているので分かりやすい。
トソンサ広場には、トイレと自動販売機がありました。

トイレから東面取り付き広場へのアプローチ

トイレの近くから登山道を外れますが、踏み後もしっかりしているので分かりやすいです。

看板のある取り付きから、右のガレ場を登った所がシュイナードBの取り付きになります。
分かりやすいと思います。

1p:35m 5.7 コーナークラックから悪いスラブ

取り付きから10mほどクライミングした所にビレイポイントがあります。
60mロープだと、取り付きから1p目終了点まで届きました。
他のパーティが居たら、ちゃんとビレイポイントまで上がったほうが良いかも。

最初のクラックはガバですが、足を乗せるスラブがツルツルで滑りそうで怖い。
途中からボルトに導かれるようにスラブに乗り移っていく。
スラブセクションは、少しボロボロで剥がれそうなフレークに足を乗せてカチ持ちで登る。
ホールドはほとんどないので、シューズのフリクションで登りました。

これで5.7は辛すぎるぜ!
インスボンに行くなら、クラックよりもスラブを練習しておいたほうがいいかも。

2p:5.8 40m スラブトラバースから、フレーク状のクラック

最初はスラブのトラバース。
フレークがあるのでホールドはありそうに見えるが、ほとんど無い。
1p目のスラブよりも厳しいフットホールドに体重を乗せてトラバースする箇所が1ポイントあった。
ボルトが近いのでそこは安心できる。
小さいカム(0.2辺り)も使えそうだが、使うと数少ないホールドが使えなくなってしまうので使わなかった。

トラバースが終わり直上するところではホールドが遠くなり、ボルトも無くなる。
クラックが使えるが、湿っている。カムを使いガシガシ登る。

ハングの所は左から登ると良いだろう。

3p:5.7 25m 少しモロそうなフレークをガシガシ登る。

左のクラックから右のクラックへと移る。ボルトがあるので分かりやすい。
あとはフレーク状のクラックを直上。
カムは少し決まりにくいので油断はできない。ボルトは無かったように思う。
終了点がいくつかあるが、たぶんどれでも登れると思います。

(次のピッチは左のチムニーを登るので、トラバースしやすい所を選んだほうが良いかも)

4p:5.7 45m チムニーからダブルクラック

3p終了点からトラバースをしてチムニーに入る。トラバースをするところが少し怖い。
チムニーに入ってしまうと、プロテクションが取りづらい。
チムニーの上部は簡単だったので、下の方で大きめのカムで早めにプロテクションをとったほうが良いかも。
(ロープの流れに注意しつつ)

チムニーを抜けた先はダブルクラック。
ハンドジャムが気持ちよく決まりそうで決まらない絶妙なサイズ感です。
最初は最適な登り方が分からず苦労しましたが、登り方が分かれば高度を稼ぐだけ。

非常に面白かったです。

 5p:5.7 40m ランナウトするチムニー

最初のチムニーがランナウトするので少し怖いです。
空身だとそうでもないと思いますが、ザックを背負っていると体が入らないので苦労しました。

チムニーを抜けるとプロテクションも取りやすい。
途中チェーンがありますが、恐らく岩が落ちないようにしている物?だと思います。
耳岩までガシガシ登ります

耳岩から3回の懸垂で取り付きまで

耳岩から5.10cのスラブを登ってインスリッジへ登る事もできますが、今回は割愛。
(スラブはA0でも登れるとの事)
耳岩の一番左のラッペルリングを使ってインスAルートを懸垂しました。

インスAを登っている韓国人の方から「このルートは週末は懸垂下降はしてはいけない。今日は平日だから大丈夫」と教えてもらいました。

週末はかなり多くのクライマーで賑わうので、そういったルールがあるみたいです。
週末はインスボン山頂まで抜けてインスボン山頂から降りたほうが良いかも。
(インスリッジを登った際に使った下降ポイントのことですね)

トソンサ広場からタクシーで帰る

歩いて地下鉄の駅まで降りても大丈夫ですが、かなり長いです。

トソンサ広場です。

写真右の黄色い枠の所がタクシー乗り場のようです。
韓国の方に聞いたところ、カカオタクシーを呼べば来てくれるという事でした。
僕は楽天のSIMを契約しているのですが、海外でも2GBまで高速通信が使えるので、ここでカカオタクシーを呼びました。

5分ほどでタクシーが来てくれました。

まとめ

韓国遠征非常に楽しかったです!

またぜひとも訪れたいですね。
動画も編集中です!

ではまた!

この記事を書いた人
岩と沢さん
岩と沢さん
この記事を書いた人
■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
記事URLをコピーしました