鳥取県【大山・甲川(崩壊後)沢登り】写真多め!トポ図有り
甲川は、下の廊下(ゴルジュ)・中の廊下・上の廊下の三部構成が楽しめる沢です。それぞれ廊下と廊下の間にはゴーロがあるので区切りが分かりやすいです。それぞれの廊下に入ると滝も連続しておりテンポが良いです。ゴーロは長く歩きに少し飽きてしまいます。
一番難しかった上の廊下は、2016年の地震で崩壊してしまい、今は落石の危険性のあるガレ場となっています。そのかわり、神秘的なほど青く深い淵の長い泳ぎが楽しめます。少しうす気味悪いです。
■コースタイム
鶯(うぐいす)橋→1時間→天王滝→40分→F7足払いの滝→2時間→F10中ノ滝→2時間→中ノ廊下入り口→30分→堰堤→30分→上ノ廊下崩壊地
■下山
出渓地点の車道→ランニングで約1時間→うぐいす橋
甲川は滝の登攀要素も高く、泳ぎの要素もあり、総合的に楽しめる沢です。上の廊下の手前に新しい林道が出来たので、この林道を使って簡単に農道にエスケープ出来ます。中の廊下の手前にもエスケープがあるので、合わせてご紹介します。
甲川のトポ図とおおまかな歩行記録

2025年8月に、メモを取りながら中ノ廊下手前まで遡行ました。中ノ廊下手前までは信ぴょう性のあるトポ図だと思います。中ノ廊下以降は、過去の写真を見て作成しました。この記事のFナンバーはこのトポ図を基に記載しています。

おおまかな歩行記録はこちらです。中ノ廊下を抜けた先にある堰堤から出渓した際のログになります。緑の線を歩いて帰ることになりますが、約6kmあります。ランニングとキックボードを使って約1時間の距離です。
鶯(うぐいす)橋から入渓します


うぐいす橋付近に車を停め、入渓します。出渓地点からうぐいす橋まで約7km程度あるので、自転車か車をデポしておいた方が帰りは楽です。



素晴らしいボルダー!
泳いで突破しました。左岸にも一応残置ロープがあったので巻くことも可能。
F1のチョックストーンに到着です。チョックストーンの下から登れますが、水量が多いと難しいと思います。左岸にフィックスロープがあるので、巻くことも可能です。
F2:下ノ廊下の難関、3連の滝の登攀


下ノ廊下に到着です。ここからは滝がテンポよく出てきます。水温も低く、体が冷えやすいので注意しましょう。F2~F4を3連の滝と呼ぶようです。F2は右側の滝の直登を試みるも跳ね返される。残置ハーケンがあるので人工でなら登れるかも?
以前は右岸をショルダーで登り、上から引っ張り上げてもらいました。2025年には滝に巨木が掛かっており、巨木には鉄の杭が打たれステップも作られていました。


F3は少し難しいです。水量が多いとさらに難しいと思います。左岸に残置ロープがあるので、スラブをトラバースして巻くことも可能です。


F3のすぐ上にF4があります。F4は簡単です。F4を登ると、しばらくゴーロが続きます。
F5:天王滝を横目にF5を登る。



天王滝の奥にF5のチョックストーンが見えます。滝の落ち口に足場があるのでショルダーで登りました。後続のパーティを見ていると、右岸からも登れるようです。(上の写真の赤いヘルメットをかぶった人がいるところあたりから登れるみたいです)

F5から数分歩くとF6が現れます。F6は簡単に登れます。



F6を登った後は、泳ぎと歩きが続きます。体温がなかなか上がらない区間です。
F7:足払いの滝に到着



F7の足払いの滝に到着です。泳いで滝に取付きます。滝に取付くまでは簡単です。足払いの滝はスラブ状になっており、そこを勢いよく水が流れています。名前の通り足が払われそうになります。ラバーソールがバチ効きです。残置ハーケンが2つあります。
過去にここで滑って落ちた人を何人か見ているので、油断は禁物です。


F7のすぐ上にF8があります。右岸にたどり着ければよいですが、水量が多いと厳しいようです。水量が多い場合は右岸を人工で巻けるみたいです。滝の落ち口付近には残置ハーケンがあるので、写真の位置まで行ければ後は簡単です。



F8を登った後は、少しの泳ぎを交えつつ長いゴーロが続きます。


少しゴルジュ感が出てきたところにF9が現れます。F9は簡単で、簡単に巻くこともできます。ゴルジュが終わり、また少し歩くと今度は大きなゴルジュ感が出てきます。ここから中ノ滝が始まります。
F10:甲川の核心となる中ノ滝

美しい淵を持ったF10が現れます。滝を登らずに、右岸を登りました。写真の中央あたりになります。スラブへの乗り込みが少し怖いです。


F10のすぐ上にF11があります。滝の右岸を登れますが、少し難しいです。F11の右側のチョックストーンにハーケンが3つ打ってあるので、こちらを登ります。

F11のすぐうえにF12があります。簡単ではありますが、上部がちょっとだけ嫌らしい感じです。


F12のすぐ上にF13(三条の滝)があります。二つ滝がありますが、右の滝を登ります。F13は水流の中にクラックがあり、右岸にもガバがあります。残置ハーケンもあります。気持ちの良いシャワークライミングで登りました。上部は簡単です。

過去には、3条の滝の一番右のクラックを登ったこともあります。3条の滝の水量が多く厳しい時はこちらも有効かも?
長いゴーロ歩き。途中でエスケープ可能


3条の滝を登り終えると、平凡なゴーロが続きます。


凄いおおざっぱですが・・・こんな感じでエスケープできます。踏み跡はかなりしっかりしています。迷うことなく車道にでることができました。
中ノ廊下に到着
ゴーロを歩くと中ノ廊下に到着です。ここからは写真の順番は間違っているかもしれません。




中ノ廊下は、これまでの下ノ廊下や中ノ滝と比べると見劣りします。F15のナメ滝は面白いです。
堰堤からエスケープ可能




堰堤まで到着したら、隣に林道があるのが見えます。林道を歩いて車道まで抜けられます。
上ノ廊下の崩落地を訪れる


上ノ廊下がかつてあった場所に到着しました。この場にいるだけでも少し恐ろしいです。とりあえず崩壊地を恐る恐る登りますが、ところどころ不安定な所があって危ないです。落ちたら死んじゃうところもあるので、新しくできた林道でエスケープするのが良いと思います。


崩壊地の上には神秘的な淵があります。とても深いのでライフジャケットは必須です。


淵を泳いで少し歩くと堰堤に到着します。登れそうな左岸を登り・・・藪を歩きます。地図と方角を確認しながら注意深く進み、それっぽい尾根を歩くと、途中でテープが出てきます。迷いやすいかもしれません。藪が多くて大変でした。

車道に到着です!
娘のキックボードで下山


出渓地点に自転車か車をデポするのが良いと思いますが、今回はキックボードを試してみました。一息坂峠にキックボードをデポしておきました。ここからうぐいす橋までは全て降りです。案の定、ブレーキがまともにないキックボードなので、靴のソールをこすらせながら、何度もこけそうになりながら、なんとか無事に橋まで到着できました。
ブレーキがしっかりして、車輪が大きい大人用のキックボードなら有効かも・・・
下山後は「今を粋ろ」へ
いつもの「ラーメン・つけ麺笑福」さんに向かいましたが臨時休業でした。近くの「今を粋ろ」さんへ行きました。


チャーマヨ飯とラーメン豚4枚を注文しました。チャーマヨ飯はマヨネーズ・お肉・トウガラシの組み合わせが絶妙でめちゃくちゃ美味!ラーメンは濃いめのアブラにコシのある太麺、しっかり目のスープ、味がしっかりしみ込んだチャーシューで絶品。トウガラシが良いアクセントでうまかったです。
山で遠征するたびにご当地二郎系はいくつか食べてますが、上位にランクイン決定です!


