クライミング・沢登り用品の選び方

【徹底解説】沢登りの装備・道具・服装をリスト付きでご紹介!

夏の暑い日が続くと沢登りに行きたくなりますよね!
沢登りは普段の登山とまったく違うので「何をもっていけばいいのか?」って分かりにくいです。

ここでは、元ガイド資格保有&元登山用品店に勤めていた&
週に一度は必ずクライミングやアルパインに行く生粋の登山好きな僕が
沢に持っていくアイテムを網羅的に解説します!

まだ執筆途中ですが、少しづつ完成させていきます!

沢登りに必要な道具

①水に浮く【お助けロープ】ファイントラックとモンベルを比較!

必須ではないけど、あると何かと便利なのがお助けロープ。
カヤック製品として様々な物がありますが、代表的な2つを比べてみました!

ゴージュバッグ
スローロープ
浮力
ロープの太さ6.5mm8.5mm
強度約1,100kg記載なし
身体確保
懸垂下降など
××
素材中芯:ダイニーマ
表皮:ポリプロピレン
ポリプロピレン
値段¥10,450¥6,050

普通のロープとの違いは、ロープが水に浮くか浮かないかです。
水に浮いた方がいざという時に素早く掴めるし、水中で足に絡んだりもしにくいです。

  1. ファイントラックのゴーシュロープの方が、細くてコンパクト。
  2. モンベルのスローロープは、強度が明記されていないのが少し気になります。
  3. ゴージュバッグはクライミングロープと同じように表皮と中芯で構成されている。
  4. スローロープは、中芯が無いので外皮にダメージを負うと一気に破断してしまう恐れがある。

どちらのロープも、お助けロープとしての強度のみで、ビレイや懸垂下降などは出来ない。
ファイントラックのゴージュバッグの方が強度が高く、コンパクト!

オススメはゴージュバッグ15です!
ロープが長すぎると、使用した後のロープバッグへの収納が面倒になってくるので、ガンガン使いたいなら15mがオススメです。

②沢登りに良い【クライミングロープ】は何か?

沢登りでは、シングルロープを使うのが一番いいけれど、水に濡れると重いしかさばりますよね・・・

そこでオススメしたいのが、こちらの2種類!

■シングルとダブルの両方の規格に合格したロープ!
→強度がありながらも細くて軽いのが特徴。

■強度が高い(耐墜落テストが多い)ダブルロープ
→大きな滝を登らないのであれば、特に問題はない。

シングルとダブルの両方の規格に合格したロープはいくつかあるのですが、その中でも細くて軽い物が次の2つです。
・エーデルリッド/カナリープロドライ
・エーデルワイス/スピリット

強度の高いダブルロープはこちらがオススメ。
・エーデルワイス/ディスカバー


重量(g/m)
UIAA耐墜落回数
①シングル規格
②ダブル規格
衝撃荷重
①シングル規格
②ダブル規格
値段

エーデルリッド/カナリープロドライ

8.6mm
51g
①5回
②24回
①8.4kN
②6.4kN
50m
¥29,700

エーデルワイス/スピリット

8.8mm
51g
①5回
②18回
①8kN
②6kN
40m
¥24,200
50m
¥29,700

エーデルワイス/ディスカバー

8mm
42g
②14回②9kN40m
¥22,000

僕はエーデルワイスのディスカバーを持っていくことが多いです。
ロープが細い割に耐墜落回数が多いからですね。
8mmという細さで、ダブルロープ規格で耐墜落回数が14回というのはかなり多いです!
(P社8mmのダブルロープは7回)

カナリープロドライとスピリットは、シングル規格を通っているので安心感がありますね!
重量が軽いのもポイントです!

こちらの記事でも書いてますが、衝撃荷重は少ない方が支点に対してもダメージが少ないので、どちらかというとスピリットの方がオススメです。

■そこまで大きな滝を登らない&墜落をしない前提
→エーデルワイスのディスカバーが軽くてオススメ!

■大きな滝を積極的に登りたいエキスパートな沢屋
→衝撃荷重の少なさでエーデルワイスのスピリットがオススメ!

③【沢靴】は靴タイプの方が足が疲れにくい!

沢靴も意外と種類が多くて、どれがいいのか迷っちゃいますよね。
オススメは断然靴タイプです。

■長時間歩いた場合、靴タイプの方が疲れにくい。
■足の周りが靴タイプの方が保護されているので、岩とかに当たっても痛くなりにくい。

タビタイプの方が岩が登りやすいという人もいますが、靴タイプもサイズが適切であれば問題なく登れます!

▲靴タイプとタビタイプ 
▲ラバータイプとフェルトタイプに分かれます。

靴タイプもタビタイプも、ソールがラバーとフェルトのどちらかに分かれます。

それぞれメリット、デメリットがあるので表に表してみました!

フェルトソールラバーソール
ヌメリのある岩
水に濡れた岩
泥や草の斜面
ソールの耐久性夏に毎週行くと1シーズンで張替えが必要基本的に張替えは必要ない

オールマイティで対応するのがフェルトソールです!
ラバーはヌメリに弱く、初心者が使うと突然滑って転けることがあります。
なので、初心者はフェルトソールを選びましょう。

中級者以上には、お財布的にも優しいラバーソールがオススメ!
岩のヌメリを経験で分かる中級者向けですね。
岩に対するグリップ力がフェルトと比べて段違いです!

その他、詳しい沢靴選びについてはこちらの記事をご覧ください!

【モンベル】【キャラバン】【渓流釣り用】それぞれ比較した沢靴の選び方!沢登りに行くなら、沢靴は必須ですよね!でも、沢靴を販売しているメーカーは少ないです。 少ない中から自分に合ったものを見つけるの...

④フェルトソールを使う人は【アプローチシューズ】も必須!

ラバーソールの沢靴であればアプローチシューズは不要!
フェルトソールだと、フェルトの寿命も縮めてしまいますのでアプローチシューズはあった方が良いです。

基本的になんでも大丈夫ですが、沢登りの最中はずっとザックに入れておくので、
出来るだけ軽く、コンパクトなほうが良いです。

登山向けのアプローチシューズだと以下のメリットがあります。

■軽い!
■コンパクト!
■ソールが登山道向けで歩きやすい!

マルチピッチでも使えるアプローチシューズの選び方を書いているので、もしよかったらこちらの記事を見てみて下さい。

マルチピッチから普段履きまで!アプローチシューズの選び方 マルチピッチに登山靴を持って行くわけにはいかないですよね。なんたって、重いしかさばります。マルチピッチだけでなく、普段のクライミング...

⑤ポイズンリムーバー必須!【ファーストエイドキット】

沢登りでは
■熱さ対策(熱中症)
■寒さ対策(低体温症)
■虫刺され対策(アナフィラキシーショック)
を取っていかなければならないです。

水濡れにも気を付けたいので、エイドキットを防水のスタッフサックに入れると良い。
シートゥサミットのファーストエイドドライサックがオススメです!

SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) ファーストエイドドライサック オーバーナイト【3L】 ST83094

容量は3Lがオススメです。
僕はエイドキットを2つ入れる事があるので5Lを選んでいます。

▲エイドキットの中身一例。写真には無いですが、ペットボトルのフタに穴をあけた物も入れておくと良い。

下山時などの熱中症対策
→ヒヤロンがオススメ。小さい物は冷却効果が低い。近くの薬局で150円ぐらいで売っています。

沢登り最中の低体温症
→ツェルト・カイロ・魔法瓶に温かいお湯を入れて持っていく。
カッパやプリマロフトなどの化繊インシュレーションウェアも効果的。

■虫刺され
→ポイズンリムーバーを持っていく。

←お値段高めのアスピブナン →一番安い?ポイズンリムーバー

ポイズンリムーバーは最初一番安い物を持っていましたが、お値段高めの物に買い替えました。

ポイズンリムーバーはアスピブナンが非常にオススメ!

  1. 先端のアタッチメントが透明なので、毒が吸い出されるのを肉眼で確認できる!
  2. 一度吸引が始まれば、ほぼノータッチでも吸引し続ける
  3. アタッチメントを変えることで、細いところも吸引できる
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アスピブナンは持ち運びのしやすいケースがついているのでオススメです。

⑥【浄水器】は浄水力とスピードで選びたい

浄水器があることで、沢登り中は水を多く持っていく必要が無くなります。
荷物が軽くなる&万が一の時も安心ですね!

代表的な?2つの浄水器を比較してみました!

カタダインBeFreeソーヤーミニ
浄水能力0.1ミクロン0.1ミクロン
浄水量1000L38万L
重量60g79g
メンテナンスの簡単さとっても簡単簡単
浄水スピードとても速いとても遅い
値段(税込み)6,600円3,960円

大きな違いは、浄水量と浄水スピード、メンテナンスの簡単さですね!

浄水量
1000Lでも必要十分!年10回の沢登りで1日1L使っても100年使えます。

■浄水スピード
水をどれくらいガバガバ飲めるかってことですね。カタダインが圧倒的にオススメ!
カタダイン → 力を入れるとジョロジョロ出てくる
ソーヤーミニ → 力を目いっぱい入れてチョロチョロ・・・出てくる

メンテナンスの簡単さ
カタダイン → シェイクするだけ
ソーヤーミニ → 専用の機材が必要

ソーヤーミニは新製品も出ていますが、僕はカタダインの方がオススメです!
具体的にまとめた記事はこちらをご覧ください!↓

浄水器【カタダイン/Befree】【ソーヤーミニ】比べてみた! 僕は普段の登山には浄水器はもっていかないが、沢登りでは毎回持っていく!沢の水は綺麗だが、やはり生で飲むのはリスクがありますよね。 ...

⑦【アルパインヌンチャク】を固定するのは危険!

沢登りでは、僕は普通のヌンチャクはあまり持っていきません。
持っていったとしても1~2本程度。
アルパインヌンチャクを多めに持っていきます。

アルパインヌンチャクで使用するスリングは60cmがオススメです。
■60cmより短いスリングは、ヌンチャクで補える
■長すぎると、落下係数が大きくなる恐れがある

長いヌンチャクも販売されてますが、それよりも安価に作れるのがアルパインヌンチャクです!

引用元:ペツルの取扱説明書
アルパインヌンチャクのカラビナを固定するのは危険です。
図のようにすっぽ抜けて落下してしまう可能性があります。

アルパインヌンチャクで圧倒的に安いのは、BDのミニワイヤーアルパインドローです↑
「とりあえず安く数をそろえたい」という人にはとてもオススメ!

こちらの記事でも書いているように、カラビナのゲートが引っ掛かってしまうのが難点です。
(こだわりが出てきたらカラビナだけ後で取り換えちゃいましょう!)

⑧沢登りで使うなら【ダイニーマスリング】がオススメ!

スリングには、ナイロンとダイニーマと種類がありますが、沢登りで使うならダイニーマがオススメ!
ナイロンは水を含みやすく、重たいです。また、水に濡れると強度の低下も大きいからですね。

ナイロン製スリング

ナイロン製は色が豊富

ダイニーマ製スリング

ダイニーマは白色
向いている用途
■講習会、鎖場通過時の簡易ボディーハーネス

■クライミングでの支点構築

■プルージック

■冬山で使う

■沢登りで使う

■スリングを沢山持つとき

向いてない用途
■沢登り

■冬山

(凍りやすく、水に濡れた時の強度低下が大きい)

■簡易ボディーハーネス

■結び目を作る

(結び目を作った時の強度低下が大きい)

沢や冬山で使うならダイニーマがオススメ!

水に濡れてもナイロンより圧倒的に軽い!そしてコンパクト

ダイニーマが基本的にはオススメなのですが、ダイニーマにもデメリットがあります。
結び目を作った時に強度低下が大きい→支点構築にはやや不向き

結び目を作る支点構築には、ナイロンスリングがオススメ!

引用元:HowNOT2 Youtube
Youtubeでのテスト結果は概ね上の図通りでした。

スリングを木に巻き付けるときは、ガースヒッチを避けたい!

その他、詳しいスリングの使い方やオススメのスリングについては、
↓の記事をご覧ください!

【徹底解説】用途別スリング7選&クライミングでの使い方を分かりやすく解説!鎖場の通過で自分を確保したり、クライミングでの必須装備と言えば、スリングです。 でも、種類が多すぎて訳分からないですよね! ダイニー...

⑨クライミングロープの細さにあった【ビレイデバイス】を!

沢登りでは、グローブをしての操作になるのでビレイデバイスはシンプルで扱いやすい物が良いです。
泥が詰まったりもします。

①8mm程度の細いロープを使う人はATCアルパインガイドがオススメ!
ロープスロット内でのロープのキンクを防止できる

②中級者にはエーデルリッドのメガジュルもオススメ!
→リードクライマーの半オートブレーキ機能がうれしい

③値段の安さで選ぶならBDのATCガイド!
→やや重いが耐久性がよく値段が安い。

④総合的にオススメなのはペツルのルベルソ!
→本体の軽さ&ロープ幅の対応が広いのでまちがいない

沢で使うロープの径が細いなら、ロースプロットが一番小さいBDのATCアルパインガイドがオススメです。
セカンドクライマーをビレーするときに、ロープスロット内でのキンクが起きにくいからですね。

セカンドクライマー側のロープがビレー側に食い込んだ状態。

ロープが濡れると、ビレイデバイスの制動力は強くなります。
細いロープだとロースプロット内でのキンクが起きやすくなります。
キンクを解除するにはかなりの力が必要です。

セカンドクライマーやリードクライマーが滝を登っている最中に落ちた時に、
滝に打たれ続ける状態を早く解放してあげたいなら、オートブレーキ機能を使わない方が良いときもあります。

オートブレーキ=安全 というわけでは無いので、状況に合わせて使い分けましょう!

その他、ビレイデバイスについて詳しく書いた記事はこちらをどうぞ!↓

マルチピッチ向けビレイデバイスの選び方【4商品を徹底比較!】マルチピッチに行くならば、マルチピッチ向けビレイデバイスは必須装備! でも、どれも似たような形だし、大きな違いなんて無いような気がしま...

⑩めちゃ便利!ハーケンヤハンマーのお共に【ギアツール】

ギアツールの本来の用途は、アイスクライミングでのアイススクリューのラッキング。

沢でも、ハーケンやハンマーホルダーとして使ってもめちゃくちゃ便利です!

何かと便利なギアツール

 

ペツルのキャリツールエボ。
ギアツールも色々種類が出てますが、キャリツールエボは大体のハーネスで使える。
大きいサイズの方が物を取りやすい!

ハンマーホルダーにもなるので、僕は左右に1個づつハーネスに装着しています。
冬山でも、アックスホルダーとして使うと超便利です

▲もう一つオススメしたいのがこちら。KONGのマグネットホルダー

こちらはマニアックなクライミングギア。
超強力なマグネットでめちゃくちゃ便利です!

マグネットなので、鉄であればなんでもくっつけることが出来ます。
ハンマーホルダー、ハーケンホルダー、冬はアックスホルダーになります!

ザックのショルダーにつけておいて、ハーケンを打つときにハンマーを一時的にくっつけたりするときに便利です。
ハーケンのサイズ選びを間違えた時にも良いですね!

マグネットホルダーを使用しだしてから、ハーケンを落とす確率がグッと減ったとかへらなかったとか・・・

⑪ヌメリ落としに【たわし】が有効。

▲定番アイテムではないけど、あると良いです

ヌメリの多い滝で使用します。

「ここに足を乗せたいけど、ヌメリが強い・・・」
なんていうときに、タワシでごしごしすると、驚くほどにヌメリが無くなる時があります!

ヌメリが多そうな沢に持っていくとお守りになりますね!

⑫装着感の良い【アルパインハーネス】が快適!

沢登りではハーネスを着用したまま歩き続けないといけないですよね!

装着感の良さと、保水のしにくさで選びたい!

ペツルのフライは圧倒的な軽さ。
装着を忘れちゃうほどの装着感の良さもあるので、オススメです!

【ペツル/フライ】装着感と軽さ、コンパクトさが病みつきになるアルパインハーネス! 雪山や沢登り。鎖場通過時での万が一に備えてのハーネスなど。普通のクライミング用ハーネスも万能でいいのですが、アルパインハーネスにはメ...

 

⑬【キャメロット】は0.3~2番あたりのサイズを中心に。

各社から様々でていますが、先ず1セット揃えるならBDのC4は間違いない!

上から BD/C4 DMM/ドラゴンカム BD/Z4 BD/C3

C4は安いうえに高性能!

ドラゴンカムはスリングの長さが調整できるようになっているので、無駄にヌンチャクを持ちたくない人には良いですね!値段が非常に高いのも特徴。

C3はもう販売されてなくて、Z4がその後継になります。

体感的に、沢では小さめのカムを使う事の方が多い。(0.3~1ぐらい)
クライミング用で使う事も考えて、小さめのカムはZ4、大き目のカムはC4で揃えておけばとりあえずは間違いないかなと思います!

クライミング用カラビナを徹底解説【種類や形状でおすすめをご紹介】■カラビナの種類が多すぎて分からない・・ ■質が良くてアルパインで使いやすいカラビナが欲しい! ■メジャーアクシス?マイナーアクシス...

カムに使うオススメのカラビナをご紹介してます!↑

⑭人工的チョックストーン!【ナッツ類】

沢でも意外と使用するシーンは多い。

沢では、使える場面が意外と多いのがナッツ。チョックストーンのように岩と岩に挟んで使ったりします。

ただし、沢では大きな岩であっても簡単に動いてしまったりするのがクライミングの岩場との違い。
キャメロットもそうですが、沢でのナチュプロのセッティングは、クライミングの岩場と比べてかなり難しいです。

⑮沢登りの定番【ハンマー】

沢登りの定番ともいえるハンマー!

←ロックテリクス/ゴルジュハンマー →ペツル/タムタム

沢のハンマーといえば、他にもミゾーのチコやロカなどが有名ですね!

ミゾー/チコ

 

ハンマー選びの基準

①重量
重量が重いほどハーケンがすぐに決まる。軽くても打ち続ければ決まる。

②長さ
長いと力が入れやすくハーケンが決まりやすい。→取り回しがし辛い。

③ピックの形状
長く、尖っている物ほど泥の壁に決まりやすい。

重量シャフト長ピック長値段オススメ度
ミゾー/チコ310g27.5cm8cm¥12,650
ペツル/タムタム535g26.5cm3cm¥9,900
ロックテリクス/ゴルジュハンマー530g34cm10cm¥14,850
ミゾー/ロカ(穴有り)465g27.5cm¥12,650

重量は重たいほどハーケンが打ちやすい。
シャフト長は長いほど力を入れやすい。
ピック長さは長いほど泥付きで有効。

ゴルジュハンマーはミニアックスとして冬山でも使ってみましたが、アックスとして使うにはシャフトもピックも短すぎて、柔らかい雪には向いてませんでした
沢登りで使うと、ピックと石突きが鋭いので服を破っちゃいます。

ミゾーのチコは全体的にとてもバランスが良く、僕の周りでも使っている人が多いです。

僕はペツルのタムタムを持っていくことが多い。その理由としては

  1. 顔の目の前でハンマーを振るような場面ではピックが短い方が良い(シビアな場面)
  2. リストリーシュがあると力を入れやすい。
  3. ハンマーが短いと取り回しが良い。腰にぶら下げても違和感が少ない。
  4. ピックが長いと、腰にぶら下げた時にいろいろ引っ掛かる。
  5. タムタムはピック部分が短いが、ハーケンを抜くには必要十分。

唯一の弱点としては、高巻きの場面で泥にピックをさせない事ですね!

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⑯【ハーケン】は長さと形状で選ぶべし

ハーケンは様々な形状があります!
どれを持っていけばいまいち分かりにくいと思います。

それぞれ微妙に違うハーケンたち

①BD/ナイフブレード#2
②BD/バガブー#5
③BD/バガブー#4
④石井スポーツのハーケン 細身
⑤メーカー不明 軟鉄ハーケン
⑥BD/アングル
⑦BD/ラープ

ハーケン選びの基準は長さと太さ!

下から ナイフブレード、バンブー、石井スポーツ

ナイフブレードが一番薄い。
薄いほど、僅かな隙間にもガンガン入っていくが、ハーケンが曲がりやすい。
曲がってしまったハーケンは、ハンマーで叩くと一応矯正できる。

バンブーなどの厚手のハーケンは丈夫
リス(わずかな隙間のクラック。沢ではリスが多い)の太さとマッチすれば非常に強い固定力が生まれる。

長いハーケンは、長く打ち込めたからと言って抜けにくいとは限らない。

↓アングル ↑バカブー

アングルは非常に太いハーケンといった感じですね!

アングルを使うシーンとしては、もしくは小さめのカムが決まるクラック。
アングルはハーケンよりも固定力が強く、一度決まると非常に抜けにくい!

←カラビナを通す穴が二つ →穴が一つ

カラビナを通す穴は2つある方が使いやすい!

ハーケンを打ち込んだ際に、穴が壁に隣接してしまうとクリップできなくなります。
カラビナを通す穴が2つあると、そのリスクも少なるなります。

穴が1つのタイプは、値段が安いのが特徴です!

薄くて浅いリスに有効

ラープはいざというときのお守り的存在アイテム!

こんな薄くて浅いので本当に墜落を止めてくれるのかは試したことがありませんが・・・
軽いので無いよりはあった方が良いです!
(本来は墜落を止める物では無くて、人工登攀用アイテム)

軟鉄ハーケン

最近は売られていない?軟鉄ハーケン。

クロモリ製ハーケンは硬くて何度も使用できますが、軟鉄ハーケンは1回のみ。
回収も出来ない(らしい・・)ので、最近は使用する人もいないと思います。
僕も持ってはいますが使用したことはありません。

ハーケンはバッチリ決まっているからと言って強度が保証されているものはありません。

⑰大事な荷物を濡らさない【防水サック】

結論からいうと、濡れなければゴミ袋でもいいです!(笑)

実際、ゴミ袋2重使いが防水力では一番最強だと思います。
いちいち結ぶのが面倒な人は、ぜひとも登山用の防水サックを購入しましょう!

左から「シールライン/バハバッグ モンベル/ドライバッグ シートゥーサミット/ウルトラシルドライサック」

オススメは、バハバッグです!

防水バッグを選ぶポイント
  • 容量は20~30L前後で!
  • あまりに薄い物は敗れる可能性があるのでタフな物を!
  • 縫い目や接着部分の防水性はちゃんとあるか?

先ずは素材から見ていきましょう!

使用感でいえば、バハバッグとドライバッグはどちらも同等の耐久性があります。
ウルトラシルドライサックは、軽量さを求めた製品で厚みは無いので、木の枝に引っ掛けると穴が開きそうな感じです。

縫い目や圧着部分で防水性能は変わる!
どうしても円形状の形になるので、縫い目だったり圧着部分があります。
ここの作り次第で、いくら口を丸めても水が漏れてきたりします。

■バハバッグは溶着(熱により完全に同化)されているので、水が入ることもないし、この部分が劣化することも無いです。
■ドライバッグは縫い目があって、おそらく防水シームが施されているのだと思いますが、完全防水では無さそうです。(一度浸水した事があります)
■ウルトラシルドライサックは、シール部分が少しづつ劣化します(テントと一緒ですね)

防水サックは単体で使用するわけでは無く、ザックの中に入れて使いますよね。
なので、ザックを何を使うかで選ぶと良いですね!

防水のザックを使う人
→モンベルのドライバッグが安いし、中身の視認性も良いのでオススメ!

防水ではないザックを使う人
→バハバッグがオススメ!圧倒的耐久性と防水性!

メッシュの沢用ザックを使う人
→やはりバハバッグがオススメ!

■防水のザックを使って、普通の登山でも防水サックを使う人
→シートゥーサミットのウルトラシルドライサックがオススメ!

スマホも防水したい人にはこちらがオススメ!↓

ナイトアイズのランオフ ウォータープルーフ モバイルポーチ

 

ジッパーを締めるだけで完全防水!

耐久性、防水性が完璧なモバイルケース!
ジッパーをしめるだけでIP67の防水力!(水深1mの位置で30分間水没させても浸水しない)

こちらの記事で詳しく書いておりますので、是時参考にしてください!↓

バッテリーの収納に最適!完璧な防水ポーチ【ナイトアイズ/ランオフ】が優秀すぎる!こんにちは! 前回の【エクスペド/ビスタオーガナイザー】に引き続き防水ポーチなのですが、 前回のビスタオーガナイザーは完璧な防水では...

⑳地図が濡れないように!【防水マップケース】

←シートゥーサミットのマップケース →ロックサック

防水マップケースは色々と試してきましたが、ロックサックで落ち着きました。

ロックサックは非常に丈夫!水も全然入ってきません。
3シーズン目(夏はほぼ毎週使用)にして、ようやく浸水しました。
常に折り曲げて携行していましたが、全く問題なし。
サイズも様々で値段も安いのでオススメです!

⑲ザックの選び方についてはこちら!

沢登りのザックのメリット、デメリットは?
アルパインザックとハイキング向けのザックの違いは?という方はこちらの記事をどうぞ!

【大きな違い4選】アルパインクライミングザックとハイキング向けの違い ハイキング用のザックを持っているけれど、アルパインクライミングで使いにくい・・・ アルパイン向けザックとハイキング向けザッ...

㉓ ウェア類はこちらをどうぞ!

こちらではギア類について網羅的に解説しました!
沢登りではウェアも大事ですよね。

こちらの記事でウェアについても網羅的に解説していますので、もしよかったら見てみてくださいね!

沢登りの服装のオススメを徹底解説!【フラッドラッシュのサイズ感も解説!】沢登りは当然の事ながらずぶ濡れになります! 真夏と言えども沢の水は冷たく、女性や小柄な人、もちろん成人男性でも低体温になるリスクを含んで...

ギアとセットで必要なカラビナを徹底的に解説しています

 

クライミング用カラビナを徹底解説【種類や形状でおすすめをご紹介】■カラビナの種類が多すぎて分からない・・ ■質が良くてアルパインで使いやすいカラビナが欲しい! ■メジャーアクシス?マイナーアクシス...

こちらのページではカラビナについ徹底的に解説しています!
これから沢登りを始めようという方は読んでおいて損は無いと思います。
例えば、沢では細かい砂が安全環に入り込んだりするので、オートロックタイプは選ばない方が良いです。

その他、重量などについても詳しく解説しています。

ABOUT ME
岩と沢さん
元登山ガイドステージⅡ・元登山用品店のショップ店員だった僕。 主にクライミングギアとアルパイン向けの服の販売をしてました。8年間務めた公務員を退職し、長年の夢だった海外登山を果すほどの登山愛好家。 お問合せなどお待ちしております!