【超詳しい】沢登りの基本装備&あったほうが便利な物を網羅的に解説!
- 初めての沢登り、道具が不安
- 沢で使い勝手の良い装備が知りたい
- いざという時に役立つグッズを知りたい
沢登りは登山と装備がまったく違うので「何をもっていけばいいのか?」が分かりにくいです。この記事では、沢登り初心者から中級者まで、沢に持っていく道具について網羅的に解説します。沢登りに初めて行く人も、すでに何度か行っている人にも参考になります。
この記事を読むと、沢登りの道具選びで失敗しません。何が足りなくて何が必要かが事前に分かります。準備を万全にして、沢登りを安全に楽しみましょう。
失敗しない沢登りの装備リスト
沢靴とクライミングギアがあれば沢登りに行けます。沢登りをもっと快適に楽しみたいなら、服装や小物をちゃんと準備しておくと良いです。具体的に解説します。
【服装】低体温になりにくい服装の選び方

沢登りは服装を間違えると、真夏と言えども低体温になるリスクを含んでいます。どうせなら寒さをできるだけ感じる事なく沢登りを楽しみたいですよね。沢登りは服装が快適さを左右する重要な要素である点は間違いありません。服装の選び方は以下の記事で詳しく解説しています。
>初心者からベテランまで【沢登りの服装】のオススメを徹底解説!
【沢靴】初心者は安いフェルト靴でも良い


沢登りに行くなら、沢靴は必須です。沢靴とは、ソールが沢登り専用になっている靴のことです。沢靴のソールにはラバーソールとフェルトソールの2種類があります。それぞれのメリットとデメリットは以下のとおりです。
| フェルトソール | ラバーソール | |
| 濡れた岩 | 滑りにくい | とても滑りにくい |
| ヌメリのある岩 | とても滑りにくい | 滑りやすい |
| 泥や草の斜面 | 少し滑りやすい | 滑りにくい |
| 岩に生えたコケ | 滑りにくい | 滑りにくい |
| ソールの耐久性 | 夏に毎週行くと1シーズンで張替えが必要 | ほとんど張替えの必要がない |
フェルトソールはオールマイティに対応できます。ラバーソールはヌメリに弱く、初心者が使うと突然滑ってこけることがあります。初心者にはフェルトソールがおすすめです。岩のヌメリを経験でわかる中級者には、登攀力のあるラバーソールがおすすめです。
以下の記事では沢靴の選び方を詳しく解説しています。初心者におすすめな安価の代替品もご紹介しています。
>>【沢靴の選び方】モンベル・キャラバン・代用品ごとにオススメを紹介!
【ライフジャケット】保温性もあり身体を守ってくれる


水量の多い沢登りにはライフジャケットは必須です。泳ぎがほとんどない沢に初心者を連れて行ったときに、初心者を溺れかけさせた経験があります。初心者は服を着たまま水に入ると、想像以上に泳ぎにくいことを知らなかったからです。
ライフジャケットは着ているだけでも温かいです。沢登りで使いやすいライフジャケットの選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
>>【沢登り初心者必見】ライフジャケット徹底比較|タイプ別特徴
【浄水器】沢の水を安心して飲める

綺麗な沢の水でも100%安全というわけではありません。上流に獣の死骸や糞があると、水に大腸菌などが混ざっている可能性があります。浄水器があると安心して水が飲めます。沢登りや登山で使いやすい浄水器を以下の記事で解説しています。
>>【登山おすすめ浄水器】カタダイン、ソーヤー、ハイドラパックを比較|浄水スピードが大事
【クライミングロープ】沢登り用に一本用意する

沢登りではロープの選び方が難しいです。クライミングロープでは重たいし、補助ロープだと強度的に不安な時があります。以下の記事ではクライミングロープの選び方と沢登りにおすすめなクライミングロープを紹介しています。
>>クライミングロープのおすすめと選び方【メンテナンス方法や規格を解説】
超簡単な沢登りなら、8mmランドがおすすめです。日本では登山用ロープとして区分されていません。トラバース時のフィックスロープなど、補助ロープとしてお使いください。
【アプローチシューズ】もできればあったほうが良い。



フェルトソールで沢登りに行くなら、アプローチシューズも必要です。下山時に使用します。フェルトソールで道路や林道を歩くとソールの消耗が激しいです。林道や草付きのトラバースもフェルトソールは不得意です。
アプローチシューズはなんでも大丈夫です。沢登り中はザックに入れておくので、 軽くてコンパクトだと便利です。以下の記事で選び方を解説しています。
>>マルチピッチから普段履きまで!アプローチシューズの選び方
【レインウェア】いざという時のお助けアイテム
レインウェアは沢では必須装備です。沢で体が冷えた時や、冷えそうな時に着ておくと体がかなり温まります。真夏の暑い日でも、レインウェアは必ず携行しましょう。ストレッチのある「ファイントラック」と「ワークマンのレインウェア」がおすすめです。
【スマホやデジカメの防水】グッズ


防水のスマホやデジカメも、沢で扱っていると壊れます。僕は5台ぐらい壊しました。防水の物を防水ケースに入れて使うのが一番無難です。Run-OFFは、耐久性や防水性、操作性が便利な防水ケースです。ジッパーをしめるだけでIP67(水深1mの位置で30分間OK)の防水力があります。入れたまま撮影できます。
スマホを入れるだけならこちらが安いです。難点は、少しかさばるのと、ジッパーが小さいことです。
スマホやデジカメを楽に入れたいならこちらです。ジッパーが大きく開き、かさも有るので扱いやすいです。こちらの記事で詳しく書いています。
【防水袋】大事な荷物を濡らしたくない





防水バッグは、濡れなければゴミ袋でもいいです。登山用の防水袋は繰り返し使いやすいです。沢登りで使うならバハバッグがおすすめです。バハバッグをおすすめする理由は以下のとおりです。
- 多くの防水バッグよりも生地が厚く、丈夫
- 縫い目が無いので劣化しない
- 防水のシームテープを使ってない
- つなぎ目を溶着しているので劣化しない
【ツェルト】人数分が入れるものを用意する
日帰りの予定であっても、アルパインに行くなら必ずツェルトを持ちましょう。雪山でも夏山でも低体温症を防ぐ唯一のアイテムです。以下の記事で解説しています。
>>【低体温症を防ぐ】体温を下げない4箇条&レスキューを呼ぶタイミング、持つべき道具を解説。
【ジェットボイル】いざというときにお湯がすぐに沸く

低温化で素早くお湯を作るにはジェットボイルが一番です。ジェットボイルの選び方や便利な使い方については以下の記事で解説しています。
【ジェットボイルはおすすめ】他社バーナーと比較!便利な使い方や裏技、低温での実験を解説
【防水マップケース】トポ図や地図を入れる



いろいろ試してきましたが、ロックサックが一番良かったです。ロックサックは丈夫で、浸水しません。2~3年は使えます。3シーズン目(夏はほぼ毎週使用)にして、ようやく浸水しました。常に折り曲げて携行していましたが、問題ありませんでした。サイズも様々で値段も安いのでオススメです。
【たわし】ヌメリ落としに有効。

ヌメリの多い滝で使用します。「ここに足を乗せたいけど、ヌメリが強い・・・」そんな場面でたわしでごしごしすると、ヌメリが無くなります。登攀中はお守りに。車に付いたらお掃除道具になります。
ファーストエイドキットは個人で準備して行こう


沢登りでは熱中症や低体温、虫刺されなどの対策が必要です。エイドキットを防水のスタッフサックに入れておくと良いでしょう。容量は3Lがおすすめです。僕はエイドキットを多く持っていくこともあるので5Lを使用しています。具体的に必要な物を解説します。
【ヒヤロン】熱中症対策にオススメなグッズ
沢登りでも熱中症になるリスクがあります。ロッテのヒヤロンはしっかりと冷えるのでオススメです。値段も安いです。急冷グッズは他にもありますが、ロッテのヒヤロンよりも小さい物は役に立ちません。ヒヤロンはパッキングしても意外と中身が割れません。
【エマージェンシーシート】万が一に備えて必ず持つ
値段が安い物の中では、SOLのエマージェンシーブランケットが一番オススメです。他の安いエマージェンシーブランケットよりも生地が厚くて丈夫、ガサガサ音もマシです。エマージェンシーポーチの中に収納しやすく、オレンジ色なので視認性もいいです。
【保温ボトル】温かいお湯を入れて持っていこう
沢の中で行動し続けると、身体が冷えます。低体温になるリスクがあります。必ず温かくなれる準備をしておきましょう。寒い時は温かいものを飲むことが一番です。保温性ボトルの中では「実績・信頼・保温性」が最も信頼できるのはサーモスの山専ボトルです。
登山用の水筒については以下の記事で詳しく解説しています。
>>【元登山ガイドが選ぶ】登山用水筒(ボトル)を徹底解説|おすすめ21選!4種類を解説
【虫刺され対策】ポイズンリムーバーは必須




ポイズンリムーバーはアスピブナンがおすすめです。先端が透明なので毒が吸い出されるのを確認できます。アタッチメントを変えると、指先などでも吸引できます。安い物と比べると、使い勝手が全然違います。

【ヤマビル対策】定番を持って行く
ヤマビル対策の定番と言えばコレです。ディート不使用なのでお肌にもやさしい。事前に振りかけておけばヤマビル予防になります。すでに付着してしまったヤマビルに直接スプレーしても良い点がすばらしいです。
沢登りのステップアップに欠かせないクライミングギア
沢登りに慣れてきた方向けに、クライミングギアを解説します。
【アルパインハーネス】歩きがメインな沢登でこそ使うと快適


ハーネスはいざという時にロープを結んで、身体の安全を確保します。種類が多く、どれも見た目が似ているので、デザインで選んでもいいのではと悩む方も多いです。ハーネス選びに失敗すると、歩くだけで股回りが痛くなる可能性があります。沢登りは、生地が保水しないアルパインハーネスがおすすめです。こちらの記事で詳しく解説しています。
【沢登り・雪山・バリエーション】アルパインハーネスの使い方と選び方を解説!
【スリング】何かと便利なので持っておく

立木に巻いて支点としたり、セルフビレイをとったりするために必要なギアです。使う場面は多いので、短いものから長いものまで複数個持ちましょう。選び方は以下の記事で解説しています。
>>【徹底解説】用途別スリング7選&クライミングでの使い方を分かりやすく解説!
【ビレイデバイス】はロープの太さに合った物を使う

沢登りではビレイデバイスはシンプルで扱いやすい物が良いです。沢で使うロープの径が細いなら、ロースプロットが一番小さいBDのATCアルパインガイドがオススメです。セカンドクライマーをビレーするときに、ロープスロット内でのキンクが起きにくいからです。


セカンドクライマーやリードクライマーが滝から落ちた際に、 滝に打たれ続ける状態を早く解放したい場合、オートブレーキ機能を使わない方が良いときもあります。上の図はリードクライマーが落ちた例ですが、セカンドクライマーが落ちた時も同様ですね。ビレイデバイスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>マルチピッチ向けビレイデバイスの選び方【4商品を徹底比較!】
【ハンマー】沢登りの定番

沢登りの定番ともいえるハンマー。沢のハンマーといえば、ミゾーのチコやロカなどが有名です。ハンマーの選び方については以下の記事にまとめています。
>>【3種類比べてみた】沢登りのハンマー|携行に便利なホルダーなど
【ハーケン】は長さと形状で選ぶべし

オススメは、カラビナを通す穴が二つあるナイフブレードとバンブーです。穴が一つだと、カラビナの打ち込む向きやリスとの関係で、カラビナを通すことが出来ないことがあります。それぞれのハーケンの特徴は以下のとおりです。
①~③ナイフブレード(薄手):薄く、僅かな隙間にも入りやすい。ハーケンが曲がりやすい。曲がったハーケンは矯正できる。
①~③バンブー(厚手):リス(わずかな隙間のクラック)の太さとマッチすれば強度が強い。
④穴が1つのハーケン:値段は安いがやや使いにくい。
⑤軟鉄ハーケン:今は販売されていない。回収できないので使用しないように。
⑥アングル:一番強度は高い。アングルが使えるところは極小カムもきまりやすい。
⑦ラープ:前進用のお守りアイテム。
【ギアツール】は沢でこそ持って行きたい




ギアツールはハーケンやハンマーホルダーとして使うと便利です。ギアツールも種類はさまざまですが、キャリツールエボは大体のハーネスで使えます。僕はハーネスの左右に1個づつ装着しています。冬山ではアックスホルダーとして使うと便利です。以下の記事で詳しく解説しています。
>>【アイスクリッパーVSキャリツール】どちらが使いやすい?キャリツールEVOもレビュー
【KONGOマグネット】ハーケンやハンマーを多用するなら便利



ザックのショルダーなどに装着できる、超強力なマグネットです。ハンマーやハーケン、冬はアックスも一時的に装着でき便利です。マニアックなクライミングギアです。
【お助けロープ】安全&時間短縮に使える
万が一のために持っておきたいお助けロープ。リーダーは必ず携行しましょう。普通のロープとの大きな違いは、ロープが水に浮くか浮かないかです。水に浮いた方が素早く掴めるし、水中で足に絡んだりもしにくいです。長さは15mは欲しいです。代表的な商品は以下のとおりです。
![]() ファイントラック/ゴージュバッグ | モンベル/スローロープ | |
| 水に浮くかどうか | 浮く | 浮く |
| ロープの太さ | 6.5mm | 8.5mm |
| 強度 | 約1,100kg | 記載なし |
| 懸垂下降への使用 | 使えない | 使えない |
| 素材 | 中芯:ダイニーマ 表皮:ポリプロピレン | ポリプロピレン |
【ナチュラルプロテクション】クライミングに慣れてきたら

沢では使える場面が多いのがナッツやキャメロットなどのナチュラルプロテクションです。キャメロットもそうですが、沢でのナチュプロのセッティングは普通の岩場と比べて難しいので経験が必要です。ナチュラルプロテクションの選び方は以下の記事で解説しています。
>>【クライミング】各メーカーのカムの違いと選び方【キャメロットが良いの?】
沢登りで使うザックについて解説

沢登りでは、普通のザックよりも沢登り用のザックの方が便利です。それぞれメリットとデメリットがあるので紹介します。
【完全防水タイプ】のメリットとデメリット



構造的には、登山で使われる防水ドライサックと同じです。防水性は高いですが、濡れたロープを中に収納すると結局中が濡れてしまったりします。泳ぎが続くと浸水することもあります。大事な荷物はザックの中で防水処置をしましょう。
中の荷物がほぼ濡れない安心感は大きいです。構造的に、背負い心地があまり良くないものが多いです。荷物が少なすぎると、ロールトップが巻きにくいザックもあります。家に帰ってからの片づけは楽です。
【メッシュタイプ】メリットとデメリット




水が入ってもすぐに排出されるタイプです。荷物は防水スタッフサックなどで個別に防水処置させる必要があります。メッシュ部分は破れにくく、丈夫な物が多いです。ザックの中に水が入って重くなることが無くなります。メッシュタイプはモンベルが使いやすいです。
【アルパインパック】選び方を解説


ザックにはハイキング向けとアルパイン向けがあります。沢登りにはアルパインパックの方が使いやすい理由があります。違いについては違いについては以下の記事で解説しています。
>>【夏山&冬山】アルパインザックおすすめ9選|普通のザックとの違いは?
沢登りとは?

沢登りとは、渓流をさかのぼる登山スタイルのことです。沢(川)の流れに逆らって、時には滝をクライミングすることもあります。沢登りのゴールは山頂であったり、源流であったり、林道など様々です。
沢登りの魅力は、手つかずの自然を全身で満喫できることです。自然に癒されながら、流れに逆らって泳いだり、水に打たれながら登る滝は夏のだいご味です。沢登りは、一般的な登山よりも難易度は高めです。正確な地図読み、ロープワーク、総合的な技術が必要だからです。適切な道具で楽しみましょう。
沢登りのリスクや始め方は以下の記事で解説しています。
>>【沢登りの始め方】必要な装備や基礎知識、リスクについて
沢に泊まる

沢登りになれてきたら、ぜひ沢泊や釣りにチャレンジしてみてください。沢泊と源流釣りに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。※クリックで別タブで開きます。
>>【源流でイワナ】沢登りで渓流釣り|始め方や装備、仕掛けを解説。源流沢泊に必要な装備は?
ロープワークを学ぶ

クライミングにはロープワークが必要です。初心者が必ず覚えておかなければいけないロープワークはそんなにも種類があるわけではありません。ただし、覚えておくといざという時に役立つ結びもあります。以下の記事ではロープワークについて解説しています。
>>【登山&クライミングのロープワーク】よく使う結び16選!動画解説付き。細引きとは?
フリクションヒッチもいくつかの種類があるので覚えておきましょう。クライミングではよく使いますが、ロープとプルージックコードの相性が大事です。以下の記事で詳しく解説しています。
>>6種類のフリクションヒッチの使い方と特徴|プルージックコードの選び方とおすすめ
適切な行動食を選んで安全に登る

沢登りに行くなら体力と行動食選びが重要です。行動食選びを間違えるとシャリバテになります。どんなに体力がある人でも行動できなくなるので気を付けましょう。行動食選びで重要なのは糖質です。以下の記事で詳しく解説しています。
>>【栄養学で解説】行動食の選び方とおすすめ|炭水化物(糖質)が重要【スーパーで買える】
まとめ
沢登りは沢靴やライフジャケット、レインウェアは必須装備です。大事なスマホやデジカメが濡れないように防水グッズも充実させましょう。アプローチシューズがあると、下山時に楽ができます。
沢登りはリスクの高い遊びです。低体温はもちろんのこと、熱中症や虫やヘビに咬まれる可能性があります。救助を呼びにくい状況にもなりやすいので、かならずファーストエイドキットは持っていきましょう。



モンベル/スローロープ