バックカントリーや残雪期では念のためアイゼンを持っていきたい!
でも、12本爪は重くてかさばる。
そんな時に最適な選択肢となるのが、10本爪です。
10本爪といっても、さまざま!
モンベルのスノースパイク10に代表されるように、アイゼンでは無いけど10本爪な物もあります。
何を選べばよいのか・・・種類が多すぎて分かりませんよね。
そこで、元登山ガイドステージⅡ&元登山用品店に勤めていた僕が、BCや残雪期に最適だと感じた10本爪アイゼン「ブルーアイス・ハーファング エンデューロ」について徹底的に解説をします!
残雪期に登山に行く人は持っといても絶対に損はしない、そんなアイゼンです。僕の詳しいプロフィールはこちら
このブログを読むと、12本爪愛用の方も、ノーアイゼンな方も、10本爪アイゼンが欲しくなる理由がわかります!
■ハーファングは分離式なので3シーズン登山靴に合いやすい!
■持っていくのに悩まないほど、アイゼンとは思えない程コンパクト!
■お財布と安全性に優しい、オールクロモリ歯
■他社のパーツが使えるのでどんな靴にも合いやすい。
「ブルーアイス/ハーファング」の主な特徴
ハーファング・エンデューロは全てクロモリ歯なので長持ち
- ハーファング エンデューロ
- ハーファング ツアー
出展:ケンコー社HP(https://kenkosya.com/)
ハーファングは「エンデューロ・ツアー・ハーファング」の3バリエーションが販売されている。
(アルパインは12本爪なので除外)
大きな違いは、歯がクロモリかアルミかの違いである。
- アルミより35%ほど重い
- 圧倒的耐久性!積極的に岩の上を踏んでも長く愛用できる
- 摩耗した歯は研ぐことができる
- 歯を研ぐのに労力と時間がかかる
- クロモリより35%ほど軽い
- 耐久性はほぼ無し。岩の上を歩くとすぐに歯が丸くなる
- 歯を研ぐのはとても簡単。
クロモリはアルミより重いが耐久性がある。
アルミは軽いがすぐに歯が丸くなる。
すぐに買い替えたり、よっぽど雪の上しかあるかない人はアルミが良いが、そうではない人はクロモリのほうが恩恵が大きい。
特に残雪期は雪と岩が混じっている場合が多いので僕のオススメは断然クロモリ。
ペツルの「レオパードやイルビスハイブリッド」と比較
- イルビス ハイブリッド
- レオパード
出展:ペツルHP(https://www.alteria.co.jp/)
ペツルでも同様の製品は出ている。
同じように「10本爪でコンパクトで軽い」
ただし、全ての歯がクロモリの物は販売されていない。
ここが、僕が今回ペツルではなくブルーアイスにした大きな決め手だ。
ハーファング・エンデューロはやや重いながらもコンパクトで信頼できるアイテム
- 片っぽで手のひらサイズ!12本爪では考えられない
- 2つでこのサイズ!
- 収納袋には大きなベルトが付いている。ウエストベルトなどと相性がよさそう。
まずはこのコンパクトさ!完全に手のひらサイズ。
12本爪のように、使わないときは無駄にザックの容量をとる荷物とはならないのが嬉しいポイント。

ブルーアイスのハーファングは、初めからトゥーベイルとトゥーバスケット(ペツルでいうフィルフレックス)の両方が付属しています。
そして、クロモリの特徴として歯が黒色ですね!
全ての歯がクロモリというのは、やはり僕としてはとても安心できますね!
(昔、アルミのアイゼンを使って痛い目をみそうになりましたからね・・・)
ペツル/レオパードFL | ペツル/イルビス | ハーファング/エンデユーロ | ハーファング/ツアー | ハーファング | ペツル/バサック(12本) | |
重量 | 384g | 540g | 581g | 360g | 419g | 892g |
税込価格 | 20,680 | 22,220 | 19,580 | 23,980 | 23,100 | 22,550 |
重量と価格を表にしてみました。
エンデューロはほかの10本爪と比べて重いのですが、値段は安い!
寿命も他と比べて圧倒的に長いので、ランニングコストはとってもお安いです。
ペツルはトゥーベイルかトゥーバスケット(フィルフレックス)をどちらか選ばないといけません。会わなければ別途購入しないといけない事を考えてもお買い得!
重さは12本爪のバサックと比べてみても圧倒的に軽いのがわかりますね!
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スキーブーツ・冬靴・3シーズンの登山靴で試した!

何気に僕は登山歴も古く、登山靴も古いものが揃っています。(そろそろ買い換えないと・・)
今回は僕の登山靴(26.5cm)だけでなく、妻の登山靴(25.5cm)でも試してみました!
3シーズンの登山靴と相性の良い理由
- 3シーズンはトゥー側が反っているのですが、柔軟に対応!
- ソールの裏にしっかりとついてます。
3シーズンの靴(ここでは、後ろコバはあって前のコバが無い靴のことを言います)は歩きやすいようにつま先側が上に反っています。
冬靴は歩きやすさよりもアイゼンとの相性が考えられているので、ソールはまっすぐな物が多い。
ハーファングは5・6本目の爪が独立しているので、しっかりとソールにくっついているのが分かりますね!
ハーファングはつま先側が反っている3シーズンの登山靴と相性がよさげです!
(すみません、まだ雪の上歩いてないので来シーズン検証してみます)
でも、「アイゼンと靴の相性の悪さ」とよく言われるのは、大体がここのミスマッチです。(登山店に勤めていた時も、大体の理由がこれ)
それ以外の相性の悪さは、別売りのパーツなどで解決する場合が多いです。
冬靴も相性が良いけれど、古い冬靴は要注意!
- カカトが他の靴と比べて太すぎるのが問題
- カカトがややミスマッチ!
- 無理やり付いたけど・・・
僕の冬靴は古いので、ソールを張り替えたときに「純正ではない謎のソール」が付いたんですよね・・・
これまで不具合はなかったのですが、今回不具合が出ました。
カカトが太くてアイゼンがかなり入りにくかったです。
ちゃんとしたソールなら問題ないと思います!
- 妻の冬靴はぴったり!
- 前コバも良い感じです
妻の冬靴もまあまあ古いのですが、こちらは問題なく付きました!
ただし、トゥーベイルが少し大きめ?
詳しくは後述しますが、グリベルとペツルのトゥーベイルを流用出来るので問題なさそうです!
スキーブーツは注意が必要。特にテレマークブーツ!
- 75mmのテレマークブーツはベイルが微妙に合いません・・
- それ以外は良いんですけどね!
75mmのテレマークブーツは、ベイル幅が小さいので合いません。
付けることは出来ますが、これで歩いたり蹴りこむと外れそうな感じです。
75mmはコバが長い分そもそもアイゼンは不適ですからしょうがないのかもしれません。
- 金具はミスマッチになりやすい。
- バンド式だとミスマッチになりにくい
- 少し不安がある感じです!
NTNのスキーブーツ(テレマーク)もコバが大きいのでベイルが上手いことフィットしませんでした!
これは多分、スキーブーツが古すぎるからだと思いますが・・・
バスケットにすると、普通に歩く分には問題なさそうです。
裏技で他メーカーのパーツを流用可能!?
トゥーベイルが合わない?
それなら今まで使ってた他メーカーの12本爪アイゼンのトゥーベイルと交換だ!
- グリベルのトゥーベイルを装着
- ペツルのフィルフレックスを装着
というわけで、ここからは完全自己責任でお願いします!
他メーカーのトゥーベイルが見事にジャストフィット。
- BCで試してきました!
- 前爪だけで体重載せてみましたが大丈夫でした!
- クロモリだからこその安心感
グリベルのトゥーベイルを長らく愛用しているので、グリベルを装着して使ってきました!
外れる気配は無いのですが、自己責任でお願いしますね。
(ブログでこの方法を発信している登山ガイドの方も居ますが)
前爪だけで岩に乗ったり、アルパインな動きも試してみましたが全然外れる気配無し!
ただし、飽くまで10本爪なので雪稜メインで使ったほうがよさそうですね。
- グリベルはワイドとナロータイプがあります。
- 各社の前側のビンディング
- ペツルとブルーアイスは台形です。グリベルは丸っこいのが特徴。
ちなみに、グリベルのトゥーベイルはナロータイプとワイドタイプがあります。
サイズの小さい靴はナロータイプが良いですね!
間違いなく、今後使用シーンが多くなりそうなアイゼンです!
- オールクロモリ歯の安心感!
- そして手のひらサイズ!
■冬の低山やBCで使える10本爪!
■持っていこうかどうか迷った時に遠慮なく持っていけるサイズ感!
■7月ぐらいまでの残雪期での雪渓歩きの心強い味方!
■3シーズン登山靴と相性が良い作り!
■オールクロモリ歯でコンパクトなのはブルーアイスのハーファング・エンデューロのみ!
とてもオススメです!
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