ソフトシェルはもともと乾燥したヨーロッパで生まれた服で、多湿な日本ではどちらかというと不向きだというのが僕の経験則だった。
ソフトシェルは、寒い冬であっても行動すれば服の中で蒸れて暑くなるし、そのくせ雪や雨が降ったりすると簡単に服の中が濡れてしまう。
ソフトシェルは撥水性がある物が多いけど、洗濯すると撥水性は落ちちゃうのが現実。
そんな日本の環境にマッチして作られたソフトシェル、それがファイントラックのフロウラップ。
正直値段は高め。
でも、フロウラップジャケットを使っていると、非常に具合が良かったのでどうしてもパンツまで欲しくなってしまいフロウラップパンツも購入。
結果として非常に良い買い物でしたのでご紹介。
秋や冬のクライミングや雪山、ハイキングで使える!
ファイントラック公式では「脱ぐ間の無い、幅広い天候に対応する絶妙シェル」とうたっていますが、僕も3年ほど使用して「本当にそうだった!」と感じています。
脱ぐ間の無いアルパインクライマーや、脱ぐ間はあるけど着替えるのが億劫な皆さんにピッタリなソフトシェル!
生地はやや厚めなので、気温が低めな秋~冬~春先にオススメです。
(気温が高い時にはブラックダイヤモンドのアルパインスタートフーディーを着てます。この記事の⑩)
雪やちょっとした雨に対応する耐雨性!
フロウラップの良い所① 中途半端な耐水性。
よくあるソフトシェルって、撥水性を謳っている物が多いです。
フロウラップはその一歩上、耐雨試験を行っています。
耐水では無くて耐雨というのがポイントで、他のソフトシェルには無い所ですね!
- ▲岩と沢独自の耐水試験
- ▲こんなにビショビショでも・・
- ▲この通り中はへっちゃら
3年も使用して、生地の撥水性能はかなり落ちてしまったけれど耐水性はあります。
強めなシャワーを1分ほど当て続けた結果、生地の中は濡れていません。
生地だけはほぼ防水生地といってもそん色ないのでは?と思います。
ただし、シームテープ(縫い目の防水処置)はしていないので縫い目からは水が漏れてきます。
引用:ファイントラックHP
https://www.finetrack.com/products/l4-midshell/flowwrap/
ファイントラック公式でも、耐雨試験を行っています。
結構強めの雨を3時間かけ続けても、中の長袖は10gしか濡れなかったとの事。
テスト的には縫い目の処置をしていないので耐水とは言えないけれど、十分に耐水性能は持っていると言える。
- ▲小雨が降り続く中をフロウラップで歩いた
- ▲中の服は殆ど濡れていない。
- ▲雪の日も当然中の服は濡れない!
もちろん、現場でその耐水性能は確認済み。
ちょっと雨が降ったり、雪の中では当然中の服は殆ど濡れない。
ただし、撥水性能を上回る雨や雪に晒されると、フロウラップの表面の生地は水分を吸って濡れるので、冬であれば凍ったりする。
ここはレインウェアとの違いだと思う。(レインウェアも凍るときは凍るけど)
なので、長時間雨や雪に晒されそうならハードシェルを着た方が良い。

引用:ファイントラックHP
https://www.finetrack.com/layering/about/
ファイントラックは「ダブルシェル効果」をうたってて、ハードシェルの下にフロウラップを着る事で、アウターが耐えきれなかった水をフロウラップで完全にシャットアウトするというもの。
正直に言って、このダブルシェルは効果絶大。
僕はよく冬山で重ね着をするが、春先の湿った雪や突然の雨でもしっかりと濡れを防いでくれるので重宝しています。
夏の北アルプスの強い雨などにも使えるのではないかなと思います。
ダブルシェルの実験動画
引用:ファイントラックHP Youtube
https://www.finetrack.com/layering/about/
冬山とかだと、オーバーパンツを履いていても裾がよく濡れたりします。
フロウラップパンツはそういった濡れを防いでくれるし、
雪の上に長時間座った時のお尻の濡れも防いでくれるので最高!
いちいち服を脱いだり着たりし難い状況に使える透湿性!
フロウラップの良い所② 透湿性の良さ。
春や秋は、急に寒くなったかと思いきや、陽が出るとちょっと暑くなったり。
マルチピッチクライミングで登っている最中に、ちょっと暑い&寒いからってわざわざ服を脱いだり着たりするっていうのはとっても面倒です。
フロウラップは「防風性と少しばかりの保温性」がありながらも透湿性が良いので脱ぐ暇が無い。
- ▲これだけギアがあると、服を脱ぐのが面倒!
- ▲岩にこすっても安心感のある耐久性
- ▲温暖の激しい日だったけど、一日中着ていた
- ▲寒暖差のある時ほどオススメしたい
フロウラップを着て、登りで汗をかいて日陰で休憩していると、中に着ている服が乾いていくのが分かるという不思議体験が出来る。
言葉で表すのは難しいけれど、服の中で汗が蒸れる感じが無く、少しづつ放出しているような感じ。
もちろん条件にもよるのだろうけど、そういった体験を何回か感じられたので、フロウラップの透湿性はやはり凄い。
- ▲リンクベントの位置が絶妙
- ▲出典:ファイントラックHP
生地の透湿性も凄いけど、このリンクベントの位置も絶妙。
人間は脇の下に熱をため込みやすいので、よくある脇下のベンチレーションというのは熱の発散効率は良いけれど、ザックを背負っていると開け閉めがめちゃくちゃし難い。
その反面、ファイントラックのリンクベントはザックを背負っていても開け閉めがめちゃくちゃ楽。
オマケに、リンクベントを開けてジッパー付近の服を掴んでパタパタするとめちゃくちゃ熱が逃げていくのが分かる。是非このベンチの位置は他のメーカーも真似してほしい。
そもそも、ソフトシェルでベンチレーションが付いている事自体、めちゃくちゃ珍しいですよね。ファイントラックは本気です。

この動画が分かりやすいですね!
マルチピッチだと、登っている最中は暑いのにビレー中は寒いという事が良くある。
そんな時でもしっかり対応してくれるのがフロウラップだ!
上下ともにノンストレスな着心地!靴との相性もバッチリ。
フロウラップの良い所③ 着心地の良さ。
軽くて非常にしなやかな生地が使われています。
単体での使用ももちろん出来ますが、冬山なんかはよく重ね着をします。
重ね着をした時に、その着心地の良さに気付かされます!
重ね着のゴワゴワ感が全くない。
- ▲普段はすっきりしたシルエットなんだけれど
- ▲しっかりと伸びてほしい時は伸びてくれます
- ▲足を上げてもノンストレス!
生地はとってもよく伸びてくれるので、ストレッチについては何の心配も要りません。
生地の質感としては、厚みはレインウェアと同じぐらいだけど、レインウェアのようなゴワゴワ感が無くて、サラッとした感じです。
- 引用:ファイントラックHP
- https://www.finetrack.com/c/wear-midshell/wear-flowwrap
ちなみに、僕が持っているのは旧型。今年から新型が発売されます。
旧型は脇のところにグレー色の伸縮する素材を使用していて、正直これが「ダサいな~」と思ってました。
そういった声が多かったのか?(笑)新型は黒い生地が廃止され、より格好良くなってますね!
- ▲ハイキングブーツは余裕
- 冬靴も余裕!
- ▲スキーブーツはフィット感高め!
- ▲グレーの部分が異常に伸びるので、どんな靴にもフィットする
フロウラップパンツは様々な靴にフィットするように、裾口にはグレー色の伸縮する生地が使われています。
冬靴まではノンストレスでフィットしてくれて、スキーブーツもピチピチにフィット。
正直、スキーブーツでフィットさせると傷が付きますが、これはどんなパンツでも言えるのでしょうがないかなと思ってます。
サイズ感は?ジャケットとフーディーはどちらを選ぶべき?
気になるサイズ感を具体的に。
僕のスペックは以下の通り。
身長173cm、体重70kg、ウエスト80cm、股下72cm、太ももと体格はやや太め。
フロウラップジャケットもフロウラップパンツもLサイズを着用です。
- ▲上下Lを着用
僕の体格はMとLのハザマに位置してて、サイズ感はいつも迷います。
ピッチリ目に着たいならジャケットはMでも着れます。
冬山でも使うならインナーを着こむ事を考えてLを選んで良いでしょう。
パンツは股下的にはMでも着れますが、ウエストと太ももが太いのでLを着てます。
なので、僕と同じ身長でも、体格が細目な方はMでも着れると思います。
ウエストと足の長さが日本人向けなので、外国メーカーの服よりサイズは合わせやすいです。
ファイントラックはモンベルと同じぐらいのサイズ感だと感じていますので、普段モンベルを着ている人はそれも参考になるのではないかなと思います。
(ファイントラックの創業者は元モンベルの社員ですからかね?)
ジャケットとフーディーはどちらを選ぶべき?
僕はジャケットを購入しました。
重ね着で着用することが多いだろうと思ったからですね。
3年使用して思った事は、重ね着もするし単体でも着る事が多いから、フーディーを選んどけば良かったな~と思ってます(笑)

天気が良くても、木に積もった雪が落ちて来たりしますもんね。
そんな時はやっぱりフードが欲しくなります。
クライミング中に風が強ければフードが欲しいし、雪山で雪が降ればフードが欲しい。
生地がしなやかなので、重ね着時にフードがあっても邪魔には感じないと思います。
という訳で、3年愛用してますがまだまだ着続けます。
値段以上の価値はあるので、是非お試しあれ!
(2023/06/04 16:51:03時点 楽天市場調べ-詳細)
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以上です。
ではまた!