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【ハーファングアルパイン】をバリエーションで使ってみて分かったこと。【12本爪アイゼン】

岩と沢さん
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「12本爪アイゼンは、とにかく重くてかさばる。どうにかしたい!」

各社さまざまなアイゼンを発売していますが、ハーファング以外はどれも重さや収納サイズはあまり変わりません。ハーファングはこれまでのアイゼンの中で最もコンパクトで軽量なアイゼンです。

本記事では、「初心者から中級者まで問わず、圧倒的に軽く・コンパクトで・機能に妥協のない12本爪アイゼンを探している方」に向けて、ブルーアイスのハーファングアルパインをレビューしています。

ハーファングアルパインを選ぶメリット・デメリットの結論

■12本爪アイゼンの中では、間違いなく一番軽くてコンパクト。
■通常の歩行から、本格的な登攀までこなせる機能。
■12本爪アイゼンを探しているすべての人にオススメ。
■唯一のデメリットはサイズ調整が少しだけ面倒。

すぐにでも、これまでになかった「軽くてコンパクトで実用性のある12本爪アイゼンが欲しい方」はこちら。

岩と沢さん
岩と沢さん
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Profile
■JSPO山岳コーチ2(共通未修得)
■JSPOクライミングコーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員
■半年間、副業WEBライターしてました

山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
趣味が登山だけという生活を16年ぐらいしてます。
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ブルーアイスとは、本場フランス生まれのクライミングギアメーカー

■ブルーアイスとは
2008年、アルパインクライミングの本場であるフランスはシャモニーで創設された登山用品メーカーです。「プロフェッショナルによる製品開発」「革新的商品」「環境配慮」を3つの柱としています。

ハーファングシリーズは、コンパクトで軽量


ハーファングシリーズは、12本爪のなかでは最もコンパクトで軽量です。詳しく説明します。

コンパクトなアイゼンだと、ザックの収納場所に困らない。

アイゼンはザックの中に入れておくと、意外と大きい荷物だと感じます。ハーファングシリーズは他のアイゼンの半分ぐらいの収納サイズです。付属の収納ケースにはループが付いているので、ウエストベルトなどにも装着可能な点が特徴です、

このコンパクトさは武器になります。

ハーファングは、他のアイゼンと比べて約30%軽量

片方ですが、非常に軽いのが分かります。他の代表的なアイゼンとの重量の違いをテーブルで表してみます。

ブランド/商品名重量(ペア)
ブルーアイス/ハーファングモノ628g
ブルーアイス/ハーファングアルパイン623g
ブラックダイヤモンド/セラッククリップ905g
ペツル/バサック872g
グリベル/エアーテックEVOオートマチック886g
ブラックダイヤモンド/セイバートゥースプロ890g
ペツル/リンクス1020g
グリベル/エアーテックEVO・ニューマチック
872g
▲ハーファングアルパインの圧倒的な軽さがよく分かります。

実際にフィールドでテストして、バリエーションで使ってみました。

情報の無いアイゼンですから、ちょっとした不安もありました。しかし、いざ使ってみると想像以上に良かったです。アイスクライミング以外では他のアイゼンに戻れない気がします。

八ヶ岳の一般登山道でも、安心して登って降りることが出来る。

赤岳の文三郎の下りは、渋滞が出来るほど急な斜面もありますが、アイゼンの歯がよく決まるので安心して降りられました。阿弥陀岳での下りでは、急な斜面の岩場がありますが、後ろを向いて前歯を効かせながらキックステップで降りました。2本目のアイゼンが少し攻撃的なので、安心して降りられました。

バリエーションも登れる、確かな機能性

今回は「赤岳主稜」「阿弥陀岳北西稜」を登ってきました。

バリエーションでは、一般道よりも酷使した使い方です。前爪だけに体重を預けて立ちこんだり、硬い草付きには強力なキックステップで蹴り込んだりしました。サイズ調整さえしっかりできていれば、文句なしの使い心地でした。

なんといっても、足が軽くなる(片足だけで100g)のも良かったです。

バリエーションを登るなら、サイズ調整はシビアにしたほうがいい。

唯一の欠点は、最初のサイズ調整がややシビアであることです。

▲ダイニーマを折り返して調整する。

説明書にも書いてありますが、サイズ調整をして最初の使用では、折り返し部分に圧がかかって少し緩む可能性があります。

手で触ったぐらいで前コバに隙間が出来るようでは、少しずれる可能性があります。硬い草付きに蹴り込むと少しズレました。上の写真ぐらいなら、普通に登山道を歩くぐらいなら全く問題はありません

サイズ調整をして初めて使う場合は、土の上などで少し歩いてみましょう。最初の調整さえしっかりしてしまえば、2回目からは調整をする必要はありません。

具体的に細かなパーツを見てみる

軽くてコンパクトな事は分かりました。他のこだわりのパーツを見ていきましょう。

パーツ売りなので、お財布にもやさしい

画像引用:ケンコー社アルバム(https://kenkosya.com/)

フロントレールだけを買って交換もできます。ヒールパーツをクロモリからアルミに変えて、更に軽くもできます。ハーファングテックを購入すれば、アイスクライミングも可能です。

クロモリの歯なので耐久性と信頼性がある

写真はアルパインです。モノも、クロモリと呼ばれるトップクラスの耐久性を誇る金属が使われています。耐久性で定評のあるグリベルのアイゼンと同じです。摩耗すれば研ぐことで復活します。

ストラップは外れにくく、装着しやすいこだわった形

非常にスムーズに脱着が出来るストラップです。締めるのも、緩めるのもワンステップなので簡単です。最大の特徴は、オス側(青いパーツのこと)が山型になっていることです。山型だと「緩みにくく、外れにくい」です。

パーツが初めから付属しているので、さまざまな登山靴に合わせやすい

ソールが硬くて、最低でもカカト側にコバがあればほとんどの登山靴に装着できます。フロント側はコバの有り・無し両方に対応でき、パーツが同梱されています。※ソールが柔らかくてコバの無い靴には不適です。

初心者にも、中級者にも使いやすい歯の長さ

歯が長いバサックと比べると、ハーファングアルパインは全体的にはバサックより歯は短めですが、このぐらいあれば深い雪でも安心して歯が食い込んでくれます。2本目の歯が少し攻撃的なので、急斜面で登りをサポートしてくれます。2本目の歯はあまり外に出てないので、足に引っ掛かりにくく、初心者にもやさしいです。

まとめ

さて、長くなってきたのでまとめます。ハーファングアルパインが核心的アイゼンであるポイントは以下の通りです。

まとめ

①耐久性のある歯を使っている(アルミではない)12本爪アイゼンの中では断トツの軽さ。
②他の12本爪アイゼンと比べると、約半分になるコンパクトさ。
③初心者でも、歯を引っかけにくい歯の長さになっているので歩きやすい。
④中級者以上でも、バリエーションで使える機能性。

唯一のデメリットは「最初のサイズ調整だけややシビア」だということでした。ブルーアイスの輸入代理店のケンコー社さんも、このあたりには力を入れています。独自の説明書が付属しているので「英語の説明書で勝手にやってくれ」なんてことはありません。

▲装着の仕方などが網羅されているケンコー社さんの説明書。

この説明書と、僕のこの記事があれば、ほぼ間違いないでしょう。ちなみに、動画もあるので大変分かりやすいです。


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ではまた!

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