ギアレビュー
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【使い方講座】シームグリップ+WPでグローブの修理と防水テストしてみた

岩と沢さん
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テントのシームテープが剥がれたりゴアテックスウェアのシームテープが剥がれたり。
剥がれてしまうと、剥がれた箇所の防水能力は失われ、水が漏れちゃいます。
せっかく高いお金を出して購入したのに、これじゃもったいないですよね。

そこで補修材としてよく使われるのが補修用のシームテープとギアエイドのシームグリップです。
今回はギアエイド社のシームグリップ+WPを使用して、防水グローブの防水能力がどこまで回復するかのテストを行いました

■結果として、まんべんなく塗ることにより、非常に高い防水能力を得ることができました。
■また、べたつきなども無く、柔らかいのでグローブの操作性も損なわれない事が分かりましたのでご紹介!

完全防水グローブのシームテープが剥がれ始めたので、修理をしてみた!

完全防水グローブと防水グローブの違いは、シームテープの有無だということ。

そもそも完全防水グローブと防水グローブの違いは何か?
防水グローブでも水がしみてきた、なんて経験をしたことのある人も多いはず。
大きな違いはこちら↓

■防水グローブ
生地に防水生地を使用しているという事。
生地は防水だけど、縫い目が防水では無いという場合が多い。長時間雨や雪の中で使用すると、水がしみてくる。

■完全防水グローブ
防水生地+縫い目に防水処置がしてあるという事。
縫い目の防水処置として、シームテープや防水塗料が塗ってある。
長時間雨や雪の中で使用しても、水がしみにくい。

今回修理するのは、完全防水グローブです。
シームテープが経年劣化により剥がれ始めましたので、シームテープの修理をします。

グローブを裏返してみると、縫い目全てにシームテープを貼ってあるのが分かります。
(写真右の、白い部分ですね。)
生地は防水でも、シームテープの有無が完全防水かそうじゃないかの違いとなります。

グローブのシームテープは手間とコストがかかるので、省略してる物の方が多いです。
※現在売られているアクシーズクインのオーバーミトンはシームテープを貼ってないので、完全防水では無くなりました。

長年使用していてシームテープが剥がれてきたので、シームグリップ+WPで修理していきます!

ギアエイド/シームグリップ+WPの特徴は、複雑な箇所にも塗りやすいという事

こちらが今回修理に使用した、ギアエイドのシームグリップ+WPです。
効果は半永久的で、シームテープと違い液体なので細かな箇所に塗りやすく、柔軟な仕上がりが特徴です。
グローブは作りが複雑でシームテープが上手に貼れる自信がなかったので、今回こちらを選びました。

シームグリップは、+WPと+SILの2種類あります。
違いは、塗布する素材によって変わりますので、素材が何かを下調べしておく必要があります。

シームグリップ+WP
ポリウレタン系の修理に有効。
シームテープが初めから貼ってある素材にはこちらを使用すると良い。
テントやタ―プの目止めに有効でその効果は半永久的に持続。
チューブ1本で約4m目止めができ、約8時間で硬化します。

■シームグリップ+SIL
シリコンナイロン系の素材に有効。
シリコンナイロンはシームテープが貼りにくいという特徴がある。
シームテープの代わりに塗布するのがこちら。

シームテープ剥がしはアイロンがオススメ

第一関門となるのが、シームテープ剥がし。
シームテープがボロボロ剥がれ始めているので、まずは全部綺麗に剥がす事から始めます
綺麗に剥がさずシームグリップを上から塗ってしまうと、後からシームテープ事剥がれて防水性が落ちてしまいます。

▲ドライヤーは効率が悪い上にうるさい

シームテープを剥がすには、温度を生地を焦がさない程度に温度を上げる必要があります。
最初はドライヤーをあてて、温度が上がっているうちに剥がす作戦をしたのですが、効率悪すぎました・・・(失敗例という事)

紙を当て布代わりにしてアイロン(中の温度)で温めると、効率よく剥がれました。
適度の温度だと、紙にシームテープがくっついて一瞬で剥がれてくれます。
くっつかなくても、生地が冷めないうちに爪でごしごしやると簡単に剥がれます。
(生地を焦がさない様に注意!)

シームテープを綺麗に剥がして、シームグリップを塗る

ゴミを取り除いて、縫い目にシームグリップを塗る
付属しているブラシを装着すると、簡単に塗り広げることが出来ました。
複雑な指の間もしっかりと塗ると事が出来ました。
シームテープだと、ここまで綺麗にすることは出来なかったでしょう。

塗った所がなるべくくっつかないように一晩干します。
匂いが結構きついので、屋外で作業した方が良かったです。

一晩干すと、しっかりと乾いて柔軟性もあり良い感じの仕上がりに。
ちなみに、シームグリップ1本でちょうど良い量でした。

防水テストを実施!二回塗ることで防水性がかなり高まるという結果

一回目のテストでは、悲惨な結果に

テスト方法はシンプル!
グローブの中に水を入れて、どのくらい水が漏れだすかを見てみました。

縫い目からにじみ出た水が指先に集まり、結構な勢いでジョボジョボと滴ります。
シームグリップが悪いんじゃない、自分の腕とテスト方法が悪いんだ!という事で見直してみることに。

シームグリップの塗り方を見直して、テスト方法を変えた2回目は良好な結果に!

見直してみた結果、縫い目の山を境目として、左右の谷にちゃんと濡れていない事が発覚しました。(片方の谷は塗布できているけれど、もう片方は塗布できていないという結果)

これでは水が漏れてしまうのも当然と、シームグリップをもう1本購入し塗布できていない方をしっかりと塗布しました。

グローブ一杯に水を入れてしまうと、耐水圧的にも高すぎるという事で、指先がいっぱいになるぐらいまでしか水を入れずにテスト。
(実際の雪山では、耐水圧がそこまでかからないだろうという予想)

その結果、水がにじみ出るぐらいで、ポツポツ水が落ちるぐらいまでになりました。
1回目のテストよりは遥かに水は漏れ出ていません。

全体として柔軟な仕上がりに!グローブとの相性はバッチリ!

最初は塗った箇所が少し硬く感じましたが、さらに一度乾かすととてもマイルドに。
ネットに書いてあったべたつき感もほとんど感じません。インナーグローブをすると気にならないでしょう。

要点まとめ

■シームグリップは、塗りやすくて乾いた後の仕上がりも大変良い。
■細かい縫い目が多用されているグローブとの相性がバッチリ。
■効果は半永久=もう加水分解しないという事

今回の仕上がりには僕は非常に満足しました。
何より、シームテープは貼りなおしてもまた剥がれる可能性がありますが、シームグリップは一度塗ってしまうと半永久的に使えるという点が良いですね。

アイデア次第では、いろいろな物に使えそうです!

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この記事を書いた人
岩と沢さん
岩と沢さん
この記事を書いた人
■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
WEBライターとしても活躍しています。
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