八ヶ岳
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【赤岳主稜】難易度やトポ図、必要な装備などを詳しく解説!冬季登攀

岩と沢さん
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赤岳主稜は、八ヶ岳の入門的なバリエーションルートです。入門的といっても、ポイントでクライミング要素の強い登りが楽しめます。グレードは昔のトポ図には1級と紹介されてます。僕の個人的な、クライミングだけの体感グレードは難しいところで4級、デシマルだと5.7ぐらいかと思います。冬季なので、参考程度にして頂ければと思います。

八ヶ岳で一番簡単な阿弥陀岳北稜のグレードは1級下です。阿弥陀岳北稜よりも難易度とピッチ数が上がったとイメージしてもらえれば大丈夫でしょう。

コースタイム

12:00行者小屋発 文三郎尾根→13:30赤岳主稜 取り付き→16:30赤岳山頂→文三郎尾根で下山→18:00行者小屋着

使用ギア(予備含む)

60mのダブルロープ×2、アルパインヌンチャク×5、ヌンチャク×4、終了点構築セット

※ロープは50mでも大丈夫です。
※カムは無くても登れますが、あれば使える。

全体図&トポ図

視界が悪いと取り付きまでのアプローチに迷います。上図の青の点線、文三郎を登り、大きく右に曲がるところ辺りから赤線のようにトラバースします。

今回のトポ図です。難しいのは最初のチョックストーンと上部岸壁です。上部岸壁は僕は右からしか登ったことありません。他の人の話を聞くと、左の残置ロープのあるところから登ると簡単で速いみたいです。

登攀記録

1p もしかしたら一番難しい登りが、一番最初に

取付き

1p目、文三郎から登山道を外れトラバースすると、チョックストーンの手前にハンガー×2があります。足場は安定していたので、ここでセルフをとり、ロープの準備をしました。

最初のチョックストーンの登り

赤岳主稜の最大の核心かもしれない、最初のチョックストーンの登りです。ハーケンがあります。足を乗せる所は、アイゼンの形に岩がえぐれているので分かりやすいです。左に残置のロープがありますが今回は使わず。位置的に使うのも難しいかもです。登り切った所、左手にハンガーがあります。チョックストーンを登れば、次は5mほどの簡単な雪稜です。

2p終了点にいるパートナー

雪稜を登りきり、右に大きく曲がって岩と雪の道をトラバースすれば終了点があります。難しい所は無いですが、足運びに気を付けたいです。途中にハーケンがありました。

2p終了点

2p終了点の支点はしっかりしてます。

2p 簡単な岩場から、岩混じりの雪稜

2p目の最初の出だし数mは楽しい岩登りです。Ⅲ級ぐらいだと思います。アックスは使わず、グローブ越しに手で岩を持って登りました。岩場から雪稜へ移り変わる所が少し緊張するかもしれません。

雪稜?岩稜帯?

岩場を登ると岩混じりの雪稜となります。アックスが決まりにくいですが、ガバが多いので手で登れるところも多いです。岩はもろく見えて、意外としっかりしています。

赤丸が2p終了点?

少し登ると広場に出ます。赤い〇のところに、岩に大きく残置ロープの巻かれた終了点?がありました。ここでピッチをきる場合は、そこから左の雪稜を登っていく感じになると思います。

今回僕はここでピッチを切らずに、継続登攀しました。難しくはないですが、プロテクションがとれなかったのでヒヤヒヤしました。安全を考えれば、上図の岩でピッチをきっておいたほうが良いと思います。

便宜上、ここまでを2pとしてレポートを続けます。

3p 簡単だけどプロテクションが見つからなかった

赤丸が3p終了点

赤い〇が3pの終了点です。ハンガー×2と残置ロープがあります。ここまでの雪稜は難しくは無いけれど、支点が取れませんでした。見つけられなかっただけで、もしかしたらあるかもしれません。

動画を見直すと、小さめのリスがあるので、もしかしたら超小さめのカムが決まるかもしれません。

3pの雪稜

▲登ってきた雪稜です

4p 中部岩稜までの簡単な雪稜登り

3p終了点から、上部岸壁を撮った写真ですね。
岩の基部が、4p終了点

4pは雪稜です。とくに難しい箇所はありません。中部岩稜の基部まで登ります。写真中央に終了点があります。

5p 中部岩稜。簡単な岩場から雪稜へ。

4p終了点はハーケン×2でした。残置ロープもあります。ここから、写真中央の雪と岩のミックスを5mほど登ります。3級+ぐらいかと思います。最初の出だしのみ少し迷いますが、あとは見た目ほど難しくなく、快適に登れます。

4p終了点のパートナーを撮る

中間支点は見つけられませんでした。雪に隠れていたのかもしれません。

岩場を登りきると、すぐに簡単な雪稜となります。上部岸壁まで簡単な雪稜が続きます。

雪稜を10mほど登ると、ハンガーが1個あります。

5p終了点。

↑これは2個めのハンガーです。上部岸壁の取り付きまでは60mロープでも届きません。支点が1個しかありませんが、これを終了点に使いました。支点は雪に隠れたりするので、早めにピッチを切っても良いと思います。

雪稜を上部岸壁の基部まで2ピッチで登りました。コンテで登っても大丈夫だと思うので、1pでカウントしておきます。上の写真の赤〇のところにハンガー×2があります。

上部岸壁は、一番右の緑の矢印の所を今回は登りました。左の青い線の所に残置ロープがあります。一番右の緑の矢印のルートよりも、残置ロープのルートの方が簡単で速いとの事でした。

6p 上部岸壁のクライミング。ルートを選べる

6p目の出だしです。一個前の写真の赤い〇の支点の所ですね。緑の矢印を登っていきます。最初は簡単です。

回り込んだ先はこういった感じになっています。完全に垂直で、ホールドも足も乏しく難しかったです。Ⅳ級+ぐらいだと思います。登り切ったところに終了点があります。中間にハーケンがありましたが、終了点までランナウトします。

僕は過去にここを登ってますが、今回は「こんなに難しかったかな?」と思いました。ルートが少し違うかもしれません。写真を見てみると、右手にハンガーが見えるので、少し右側から登ったほうが簡単かもしれません。

今回一緒に登ったパートナーは、過去に残置ロープの方から登っています。そちらの方が完全に簡単だったとのことです。

7p~8p 簡単な雪と岩のミックスを経て山頂へ

あとは山頂までロープを外そうかどうか迷う雪稜と岩になってきます。雪の状態にもよると思います。今回は最後までロープをつけて、基本的にはコンテで登りました。少し難しそうなところは岩角でビレーしたりしました。

山頂に到着!最初は天気が良かったのですが、かなり寒くなりましたね。充実したクライミングでした!

今回使用したギア

ブルーアイス/ハーファングアルパイン

▲ブルーアイスのハーファングアルパインを使用

今回、12本爪アイゼンとしては断トツで軽く、断トツでコンパクトになる「ブルーアイス/ハーファング アルパイン」を使用しました。今後のニュースタンダードになりそうなアイゼンです。カッコイイです。詳しくはこちらのブログをご覧ください。

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ベアール/コブラ

クライミングロープはベアールのコブラです。UIAA基準の撥水加工がしてあるにも関わらず、値段が安くて良く伸びるので支点に優しいです。アルパイン向けのダブルロープです。今回も雪の付着が少なく、安心して使えました。詳しくはこちらのブログをご覧下さい。

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ブラックダイヤモンド/エンフォーサー

グローブは「ブラックダイヤモンド/エンフォーサー」を使用しました。ブラックダイヤモンドのアイスクライミング用グローブシリーズの中で一番温かいグローブです。カラビナ操作、ロープ操作、アックスの持ちやすさはソロイストよりも扱いやすいです。僕はサイズMを使用。

寒さに関しては個人差が大きいので何とも言えませんが、僕の経験から言うと、グローブを良くするよりも血行を改善したほうが効果が大きいです。(血行の悪い人に限ります)

僕は血行が悪い自覚があるのでいろいろ試しました。薬剤師さんにも話を聞くとキューピーコーワゴールドが一番いいとの事です。3シーズンぐらい、秋から毎日飲むようにしていますが、効果がありました。血行が悪いと自覚のある方にはおすすめです。

ではまた!

この記事を書いた人
岩と沢さん
岩と沢さん
この記事を書いた人
■JSPO山岳コーチ2
■JSPOクライミングコーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
■WEBライターとしても活躍中

山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
ライターの仕事依頼、お待ちしております!
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