【雪山に行く前に】天気図の基礎的な知識を解説!過去の事例も紹介|事故を減らしたい
今年の夏は遭難件数が過去で一番多くなりました。年々登山者は減っているにも関わらず、増える遭難事故。その原因はどこにあるのでしょうか?原因の一つは天気に対する知識不足です。天気予報の精度は上がっているので、上手に情報を活用しましょう。
この記事では、天気図の基礎的な知識について解説します。筆者は天気に関して専門的な知識はありませんが、書籍や気象庁の過去の事例などを参考に解説します。山岳遭難が1件でも減れば幸いです。
【天気図の基本】4つのポイントを解説
冬山で怖いのは天気の急変です。AやBなどの天気予報に頼っている方は、少し注意が必要です。天気図の読み方について解説するので参考にしてください。書籍や気象庁などの情報を参考にしています。
高気圧は右回り、低気圧は左回り

天気図には高気圧と低気圧があります。一般的に高気圧は天気が良く、低気圧は天気が悪いです。高気圧よりも気圧が低いところが低気圧となるので、明確な基準はありません。高気圧からは時計回り、低気圧には反時計回りに風が吹いてます。
等圧線の間隔は風の強さと関係する

等圧線は気圧の変化を示しています。同じ気圧の場所を線でつないだものです。地形図の等高線と似ていますね。赤丸のように等圧線が近いほど風は強く、緑丸のように等圧線が遠いほど風が弱いです。
高気圧と低気圧では風の向きが異なる

高気圧から等圧線に対して、30~45度の角度で風が吹きます。低気圧に対しては、反対方向に風が吹きます。
気圧の移動速度で天気の変化時期を知る

高気圧や低気圧の移動速度を表しています。何時間後に天気がどうなるのかの指標になります。
リスクのある天気図の配置を解説
高気圧や低気圧の位置関係によって日本の気象環境は変わります。リスクのある配置について解説します。
西高東低:冬型の基本

西高東低とは「西側に高気圧、東側に低気圧」の気圧配置のことです。北極の冷たい空気が高気圧と低気圧の力で日本に流れ込んできます。日本海側では雪が降りますが、太平洋側は天気が良い点が特徴です。
上の図は、記録的な降雪量を記録した際の天気図です。14日から21日かけて強い冬型の気圧配置が続きました。詳しくは以下のリンクです。※クリックで別タブで開きます。
>>強い冬型の気圧配置による大雪 令和2年(2020年)12月14日~12月21日
南岸低気圧①:関東など普段雪の降らない地域に雪を降らせる

南岸低気圧とは、日本の本州太平洋側を通る低気圧のことです。低気圧が太平洋側に寒気を引き込むため、高山はもちろん、普段雪が降らない関東などでも雪が降りやすくなります。

上の画像は22日から23日にかけて、東京千代田区で23cmの雪が降った時の天気図です。福島県では198センチの雪が降り、日本海側を中心に暴風となりました。詳しくは以下のリンクです。※クリックで別タブで開きます。
>>南岸低気圧及び強い冬型の気圧配置による大雪・暴風雪等 平成30(2018)年1月22日~27日
南岸低気圧②:5月のGWでも高山で雪を降らせる

これは2012年5月3日の天気図です。この日、南岸低気圧によって日本に寒気が入り込み、北アルプスの槍ヶ岳では気温が正午ー10℃まで下がりました。また、秒速20m近い強風が吹いていたと言います。槍ヶ岳は雪が積もり、残念ながら3人の方が亡くなられています。
また、白馬岳では6人の方が亡くなられる痛ましい事故が起きました。(日本経済新聞:北アで遭難相次ぎ8人死亡)
疑似好天(晴天):一時的に天気が良いがすぐに悪天になる

赤丸の中心部である二つの低気圧の間は、一時的に晴天となることがあります。低気圧と低気圧の間は高気圧のような働きをする発散域と呼ばれる現象が起こるからです。これを疑似好天(晴天)と呼びます。
疑似好天は長続きせず、翌日には天気が大荒れになる点も特徴です。疑似好天に釣られて登山に行かないように注意しましょう。
天気のサイト【おすすめ5選】
気象庁のサイトは情報が正確です。
https://www.jma.go.jp/jma/index.html
気象庁では、電話による相談も受けているようです。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/tenso_index.html
気象庁のデータをスーパーコンピューターで解析したサイトもあります。
http://weather-gpv.info/
風の強さを視覚的に知りたいなら、Windyがおすすめです。
https://www.windy.com/?34.470,135.923,5
専用の天気図と、その解説を分かりやすく紹介しているのは北海道放送です。
https://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html
最後に
これまで岩と沢では登山道具の紹介をメインに行っていました。ブログがたくさんの方に読まれるようになり、もっと自分にできることは何だろうと考え始めました。増える山岳遭難に対して、少しでも減らしたいという気持ちが強くなり、その第一段として天気図の記事を書きました。
僕は天気に関しての知識は一般人レベルです。もしかしたらどこか間違っているかもしれません。何か気づかれた方がおられましたら、連絡をお待ちしております。
僕のスタンスは初めから何も変わっていません。山の知識は現地で経験豊かなリーダーに教わることが一番です。登山のことで悩んでいる方は、まずは講習会などに行ってみてはいかがでしょうか。この記事が皆さんの一助になれば幸いです。


