キリマンジャロ登山【マチャメルート】費用・難易度・装備・モシの街など!写真多め。
2018年に仕事を辞めて、モンブラン→ブライトホルン→マッターホルン→キリマンジャロを登りました。(ブライトホルン、マッターホルンは日本から来てくれた登山仲間と一緒)
このページは、キリマンジャロを地元のガイド・コック・ポーターの4人で登った珍道中記になります。
キリマンジャロは(というかアフリカは)、英語が話せず、海外旅行初心者な僕が1人で行くような場所では無かったです。かなり苦労しました。
海外ではコロナも終焉を迎えており、これから海外登山に行かれる方の手助けになれば幸いです。(メモや日記などを頼りに書いてますので、間違っている所もあるかもしれません)
キリマンジャロ登山の概要
キリマンジャロは、ツアーガイド登山が必須です。
ツアー会社も無数に有るので、現地で選び放題です。(その場合ツアー会社が良いかどうかは運次第なので日本で予約をして行く方が確実?)
ツアーはお客さんの奪い合いだからか、非常にサービスが良く、1から10まで全部やってくれます。ルートを決めてお金を払ったらあとは全部やってくれます。
メジャーなルートは2つ
キリマンジャロにはいくつかルートがあるのですが、メジャーなルートは2つです。
■小屋泊で行くマラングルート(コカコーラルート)
4泊5日のルート。全て小屋に泊まれるらしい。
■テント泊で行くマチャメルート(ウイスキールート)
5泊6日のルート。全てテント泊。
僕は「山と言えばテントだろう!」という謎の男意気でマチャメルートを選択。
行程が長く、英語もスワヒリ語も話せない僕は6日間孤独でした(笑)
日本人の多くはマラングルートで登るらしいので、マラングルートの方が良かったかも。
テント泊と言えども、必要な装備は全てポーターが担いでくれます。
僕が持って上がったのは、防寒着と水筒、行動食ぐらいでした。
マチャメルートのキャンプ場のトイレは、穴を掘った場所にほったて小屋を建てているだけなので、かなり臭い&不潔です。トイレに行くだけでかなり勇気が必要でした。
登山道にトイレは無く岩陰でしないといけません。岩陰は大体どこもトイレと化していて、臭くてトイレットペーパーが放置されたままです。うかつに岩に座って休憩する事も出来ない感じでした。
必要な予防接種、マラリア対策
キリマンジャロのあるタンザニアは黄熱予防接種(イエローカード)が義務では無いですが、お隣の国ケニアは黄熱予防接種が義務です。
僕は黄熱予防接種をしていきませんでした。
(念のため予防接種しようとしましたが、日程が合わずできませんでした。早めに日本で予約しましょう)
キリマンジャロ国際空港に行くにはケニアのナイロビ空港でトランジットしなければなりません。
ナイロビ空港でのトランジットは問題なかったのですが、キリマンジャロ国際空港に到着すると「黄熱予防接種の証明書を出せ」と言われました。
なんとか「ナイロビはトランジットのみ」だと言って事なきを得ましたが、危なかったです。危うく入国できないところでした。
という訳で、黄熱予防接種は必ずしていきましょう。
詳しくはこちら(別ページに飛びます)
また、アフリカはマラリアの危険が常にあります。
マラリア予防薬を持って行くことが推奨されています。
海外素人な日本人はカモにされて当然と思った方が良い。
タイトルの通りですね (笑)
僕もアフリカで何度もカモられました。
カモにされ過ぎて、2日目からようやく耐性が出来ました(笑)
「日本人はカモれる。しかもお金の価値を分かってない。」という共通認識のもと、ある決まったパターンで話しかけて来たりします。
背の高い黒人さんってやっぱり怖いですよね。カモってくる人はそういう事もちゃんと計算にいれてます。
①キリマンジャロ空港からモシまでのタクシー代は超ぼったくり。
②ホテル代もぼったくられる。おつりも勿論ちょろまかされる。
③土産物屋で無理やり買わされそうになってお店を出ると、黒人さんに囲まれる。
④とにかくすぐにチップを貰おうとする。
⑤同情を誘ってきてお金を貰おうとする。
⑥道を歩いていると、必ず呼び止められて変な物を高値で買わさせられる。
⑦しつこくホテルの前まで後ろを歩いてくる。
色々ありましたが、毅然とした態度で、とにかく強くNO!と断れば問題ないと思います。(2日目でようやく習得)
登山に必要な費用、日程、装備など!
キリマンジャロを登る力量について
元気よく歩けるなら基本的に大丈夫です!重い荷物を背負う必要もありません。
僕が行った時も、80歳ぐらいの元気なおばあちゃんが登ってました(登頂できたかどうかは確認出来ず)
マラングルートもマチャメルートも日程が長く、ゆっくり標高を上げていくので高度順応も自然に身に付きます。
それでも、高山病は体質的な所もあるので確実なことは言えません。
いざとなったら、ヘリコプターでモシの病院まで送ってくれるとの事でした。(2400ドル!)
タンカもあるので、サポート体制はしっかりしている感じでした。
航空券やホテル、ガイド料、チップについて
1タンザニアシリング(TZS) 0.05円ぐらいです。
(例:1000TZSなら50円)
■航空券
帰りは、キリマンジャロ空港→ナイロビ→ドーハ→ネパール→香港→福岡空港で帰って7万円ぐらいでした。時期によってかなり変わるようです。
■ビザ代
キリマンジャロ空港で入手可能。50USドル。
■タクシー代
キリマンジャロ空港からモシまでタクシーで移動です。
事前に予約を取っていないなら、ぼったくりタクシーで片道50USドル。
登山ガイドに聞くと、相場は50000TZS(2500円)との事でした。
空港から10km歩いてバスで行く手段もあるみたいです。
■宿泊代
選ぶホテルによってまちまちです。
僕が泊まったキリマンジャロバックパッカーズはドミトリー(4人部屋)で一泊600円、1人部屋で確か1000円でした。(蚊帳・ファン付き。シャワー共同)
WiFiは共有スペースのみ。
キリマンジャロバックパッカーズ近くのグラウンドホテルにも泊りました。こちらは一泊1200円ほどで、部屋にシャワーがあります。
WiFiは部屋の前の廊下に出ると繋がりました。
空港まで帰りのタクシーはここで手配してもらいました。3000円ぐらい。
■キリマンジャロ登山に必要な料金
僕が支払った物は以下の通り。
・入山料 890ドル 登山口でカード払い
・仲介料 320ドル ガイド達の元締めに直接渡す
・チップ 200ドル(最終的にチップは240ドル支払った)
(ガイド 120・コック 60・ポーター 60)
入山料はおそらく統一料金です。
仲介料とは、ガイドたちの元締めに支払う料金です。
見た感じ元締め→ガイド→コック→ポーターというギチギチの年齢階級社会っぽかったです。
なので、チップの値段も差を付けないといけない空気でした。
(僕は一番若いポーターが一番頑張ってくれてたので多めにあげました。めちゃくちゃ喜んでくれてた!)
到着から登頂までの日程
■8月19日
ケニアナイロビ空港→キリマンジャロ空港→ぼったくりタクシーでモシの街へ。
夜のうちにツアー会社がホテルにおしかけてくる。半ば騙されてここにする。
(結果的に安かったんでよかった)
■20日
昨日のツアー会社がお金を下ろせとせびってくる。車に乗せられて銀行へ。
ご丁寧にお金の降ろし方をレクチャーしてくれる。ツアーの契約。
モシの街の▲
■21日
9時にモシの街をタクシーで出発。登山用品のレンタルショップに行く。スニーカーを勧められる。
10時マチャメゲート到着→12:00マチャメゲート出発→15:30マチャメキャンプ到着
■22日
08:00マチャメキャンプ出発→12:30シラキャンプ到着
■23日
08:00シラキャンプ出発→11:00ラバタワー到着→12:00ラバタワー出発→14:00バランコキャンプ到着
■24日
08:00バランコキャンプ出発→11:00ハイキャンプで昼食→13:00ハイキャンプ出発→16:00バラフキャンプ到着
■25日
00:00バラフキャンプ出発→05:10ステラポイント→05:45ウフルピーク(山頂)到着。暗くて何も見えない→11:00バラフキャンプ到着、昼食→13:30バラフキャンプ出発→15:00ムウェッカキャンプ到着
■26日
07:00ウェッカキャンプ出発→09:00ムウェッカゲート到着、タクシーでモシへ→10:00モシに到着。サファリのツアーをせびられるが、断った。
必要な装備一覧
基本的に、全て貸してくれます。ただし、良い物とは限らない。
山頂付近は普通に寒いので、ちゃんとした防寒着を持って行った方が良いです。
出来れば靴も持って行った方が良い。
僕は登山靴を持って行かなかったので、レンタルショップでスニーカーを薦められました。さすがに寒すぎると思い、アゾロの革登山靴を自分でチョイスしました。
気温が大きく変わるので、幅広く対応できるように服装を準備した方が良い。
■服装
ハードシェル(上) | カッパでも良さそうでした。 |
バラクラバ | 山頂付近は必須! |
フリース(パタゴニア/R2) | 厚手のフリースでちょうど良いぐらいです。 |
ダウン(モンベル/アルパインダウン) | 山頂付近は必須! |
冬用メリノウール長袖 | 行動着として最適。 |
ソフトシェル(BD/アルパインスタートフーディー) | ちょっと肌寒い時に便利。 |
ノローナのソフトシェルパンツ | ストレッチがあって、少し厚手の物が良い。 |
厚手のメリノウール靴下 | 日本から馴染みの物を持って行った方が良い。 |
アゾロの3シーズン革登山靴(レンタル) | ソールが少しはがれていた。 |
ドライレイヤー+半袖Tシャツ | 標高が低い時の行動着。 |
冬用?グローブ(レンタル) | レンタルショップで自分でチョイスした。 |
綿入りオーバーパンツ(レンタル) | 寝るときと山頂アタック時に着用。 |
帽子 | 紫外線が強い |
■テント泊装備(全てポーターが担いでくれる)
テント(レンタル) | 広々とした4人用。椅子まで用意してくれる。 |
寝袋(レンタル) | 上のキャンプ場に行くほど、寝るときちょっと寒かった。 |
マット(レンタル) | インフレータブルな物。 |
サンダル | サンダル無くなったと思ったらポーターが運んでくれてた。 |
食器・食事(すべて用意してくれる) | 至れり尽くせりです。 |
水(用意してくれる) | 手洗い足洗い用に毎回お湯も容易してくれる。 |
宿泊地に付くと、テント装備一式がすでに準備されています。
晩御飯まで時間があるので、毎回おやつを作ってくれます。
朝ごはんも晩御飯も食べきれないぐらい量を作ってくれます。
(コーヒーや紅茶、ミロなども準備してくれてます)
■行動中自分で背負ったもの
防寒着 | フリースやダウン |
ヘッドライト | 日本から持って行ったもの。 |
貴重品 | パスポートなど。 |
水筒 | ペットボトル不可。モシで買った。 |
行動食 | モシで適当にクッキーを買った。 |
ザック(22L) | このぐらいの容量で十分でした。 |
モバイルバッテリー | 山の中で充電出来ない。 |
お客様気分でVIP登山が出来ます。
キリマンジャロ登山の街、モシについて
モシの街について
活気があって親切な人は親切。物価が安いのでちょっとしたお金持ち感覚を味わえます(笑)
街を歩いていると何回もしつこく声をかけられること以外はとっても良いです。
僕はキリマンジャロバックパッカーズホテルを拠点に歩き回りました。
オススメな食事。とにかく飯がうまくて安い!
モシの料理は、とにかく日本人好みだと思います。
欧米料理のお店もありますが、地元料理の方が安くて美味い。
僕の圧倒的オススメはBBQ串とザンジバルピザです。
BBQ串はタンドリーチキンっぽい味付けで、一本20円。
ザンジバルピザはひき肉と野菜と卵をいい感じに焼いた物。1個50円。
カレーッポイ物は200円ぐらい。
ビールは1瓶100円ぐらいです。様々な種類がありますが、僕のオススメはsafari。
飲みやすいのに程よく苦みがあって最高!
欧米料理のお店に行くと、日本でも食べられそうなやつが600円とかなので、行かなくてもOK!
僕は将来日本でザンジバルピザを普及させたい。
入国からキリマンジャロ登山、出国まで
プロローグは少々長いですが、これからアフリカに行く海外旅行素人さんは読んでも損は無いと思います。
プロローグ1,入国からツアーに申し込むまで(カモがネギを背負ってやってきた)
キリマンジャロ空港に15時ごろ到着した僕は、少し焦っていた。
暗くなるまでに、40kmほど離れたモシまでどうやって行くかを。
空港から出ると、他のバックパッカーズ達は予約をしていたバスに乗って次から次へと旅立っていく。
僕は、誰かのバスに便乗させてもらおうと考えていたけれど、空港のATMでお金を下ろしている間に殆ど皆出発していた。
「ぼったくりタクシーを値切ろう作戦」に移行するが、タクシーの運転手たちは「これがガバメントの正式な値段だ」と全く相手にしてくれない。(ご丁寧に綺麗なワイシャツを着て、大きな値段看板まで作っている。)
背に腹は代えられず、タクシーにUS50ドルを支払い、暗くなりかけたモシの街に到着。
キリマンジャロバックパッカーズで降ろしてもらい、ホテルの受付のお姉ちゃんにとりあえず一泊させてくれと、20ドル札を渡す。(1泊10USドル)
帰ってきたおつりは5000TZS。(約250円)明らかに少ない。
でも、初めてアフリカにきて、空港からいろいろカモられていた僕は正直怖気づいていた。
ここで怒って、他のホテルに泊まれと言われても外は真っ暗。泣き寝入りするしかない。
部屋に通してもらって、この先やっていけるか不安になる・・・
そこで、ドアを「コン、コン」と叩く音が。
やってきたのは、ホテルの清掃員ドン。
「さっきのおつりはすまない」と言いながら、おつり3000TZS持ってきてくれたのだ(それでも全然足りないけど、とっても嬉しかった。アフリカに来て初めて親切な人に出会ったと思った)
そしてドンは「キリマンジャロに登るのかい?」というから、「明日キリクリマーズという会社に行く」と伝えると、「今から電話して来てもらえるよ」という。それならそうしてくれと。
やってきたのは、トシャという男。僕が英語が苦手なことに時々イラつきながらも、ホテルの共有スペースで紙にキリマンジャロ登山にかかる費用などを書き出してくれた。
ネットで見ていたよりも安い値段だな、と思った僕はお願いしますといった。最後に「あなたはキリクリマーズの人ですよね?」と聞いたら、「キリクライマーズじゃない。あそこは悪い会社だ」といった。
騙された・・・
相手が日本人でここが日本なら「よくも嘘ついたな」とひと悶着だが、ここはアフリカ。
もうこの流れで行くしかない。
その後も色々不安になったけど、この日ちょうどキリマンジャロバックパッカーズに泊まっていた日本人のH氏と色々お話が出来てようやく安心した。H氏は定年を過ぎて各国様々旅をしている人で、親切でとても面白い人だった。(H氏はキリマンジャロ登山でチップを合計300ドル払ったらしい)
プロローグ2,モシの街の歩き方。しつこい人は無視かNoの一言を添えて
翌日、ホテルのスタッフの「トシャと話しがしたい」と伝え、街へ繰り出した。
H氏オススメのお店に行って、BBQ串を食べる。あまりの旨さに絶句した。
道を歩いていると、いろいろな人が話しかけてくる。大体物売りだ。
昨日の一件で、強気で行かなければいけないと思っていた僕は、全て無視。
だけど、「コンニチワ」と話しかけられて、ちょっと油断してしまった。
日本語が出来るのか?と話しかけたら大外れ。超陽気な高校生ぐらいの男の子が僕の手を握って、「僕の叔母さんがやってるスーベニアショップに来てくれ」と中ば強引に連れてかれる。
「これは絶対やばいやつだよな・・・」と思うも、昨日の一件で来るなら何でも来い状態になっている僕。
スーベニアショップに入り、さっきの男の子がオススメだという物を次から次へとレジの上に置いていく。埒があかないので店を出ようとすると「レジに置いた物を買わないとだめだ!」という。もちろん無視してお店をでると、男の子が「ボスきてくれ!」みたいな事を言って、その辺に座っていた黒人さん5、6人が立ち上がって僕を取り囲む。
2mぐらいの男達に囲まれて、なんだかよく分からない罵声を浴びせ続けられる僕。
昨日の一件が無ければ完全に委縮してただろうけど、僕は少し強気になっていたし、単純に怒っていた。
大きな声で「NO!」と言って、その場をスタスタと立ち去ると、男達はついてこなかった。1人だけこそこそと僕の後ろをついてきて何かを話していたが、引き離すために食堂に入ったらついてこなかった。
宿に戻ると、トシャがカローラに乗ってやってきた。トシャはドンにチップを渡す。僕というカモを紹介した手数料だろう。
5人乗りの車にギチギチに黒人3人。その中に「乗れ」と言われて、少し委縮してしまった。このまま知らないところに連れてかれたらどうしよう。
「どこに行くのか?」と聞いたら「会社のオフィスに行く。ビリーブミー」という。なるようになれだ。
結局、連れていかれたのは登山用品のレンタルショップ。
そこで、明日の登山に必要な物を借りる。ちゃんと山には登らせてくれるんだと分かって安心したが、貸してくれるものはどれも適当過ぎて自分で殆ど選んだ。
その後、山でガイドをしてくれるヘヴィンに出会う。町を案内してくれるという。チップが欲しそうだったけど「山であげるからなぁ」と思いあげなかった。
なんだかんだ山が楽しみになってきた。
もはやオマケなキリマンジャロ登山。マチャメゲートからマチャメキャンプへ。
登山に不必要な荷物をホテルに預けて(ワイヤーネットで鍵をガチガチにして)
ガイドと一緒に車でマチャメゲートへ行きました。
マチャメゲートからマチャメキャンプは3時間30分のハイキング。
道のりは樹林帯でした。
ポーターとコックは別動隊で常に先行して動きます。
僕は英語がほとんど話せないので、言葉が通じないガイドと2人きっりで登山。
少し気まずいです。
マチャメキャンプからシラキャンプへ
いよいよキリマンジャロの雄大さに触れていきます。
シラキャンプから見えるキリマンジャロはまさに絶景でした!
マチャメキャンプからシラキャンプは4時間30分の道のり。
シラキャンプ→ラバタワーで高度順応→バランコキャンプへ
山の中腹だというのに、広大な砂漠のような道のりを歩いてラバタワーへ向かいます。
ラバタワーとは大きな岩峰のことで、ここで高度順応の為に長めの休憩をとります。
それから、少し高度をさげてバランコキャンプへ向かいました。
08:00シラキャンプ出発~11:00ラバタワー到着~12:00ラバタワー出発~14:00バランコキャンプ到着
ガイドのヘヴィンは、山の中でちょくちょく電話をしだす。初日からだ。
最初の頃は「すまない、電話だ」という感じだったけれど、段々と態度が横柄になってきて、三日目ぐらいになると何も言わずに長電話をしだして、電話が終わったかと思う「何をしている、行くぞ!」と言ってくるようになった。
この日はその態度に遂に僕がキレてしまって、電話をしだしたヘヴィンに「好きにしろ!」と言って、ヘヴィンを待たずに1人で登山道を歩いた。慌てて追いついてきたヘヴィンが話があるから待ってくれという。「子供が病気で、そのための電話だったんだ。すまない。次からは気を付ける」と言い訳を垂れてきたので僕も「OK」と事なきを得た。
それからは、電話をする時はちゃんと「今から電話をする」電話が終わったら「待たせてすまない。子供が病気なんだ」としつこいぐらい言われた。
おそらく、最後に僕が渡すチップが減るのが嫌だったんだろう。
バランコキャンプ→ハイキャンプ→バラフキャンプへ。いよいよ大詰め
キリマンジャロ登山もいよいよ大詰めです。
そして、バランコキャンプからハイキャンプへの登りが、一応マチャメルートでの難路となります。
空身の人はなんてことないですが、30kgぐらい担いでいるポーターさんたちは本当に大変そうでした。
08:00バランコキャンプ出発~11:00ハイキャンプで昼食~13:00ハイキャンプ出発~16:00バラフキャンプ到着
バラフキャンプで霧が出てきました。日本のアルプスみたいな雰囲気です。
ガイド曰く、天気は良くなるとの事。
明日は0時に出発です。
バラフキャンプ→ステラポイント→ウフルピーク(山頂)→バラフキャンプ→ムウェッカキャンプ
いよいよ山頂へアタックです!
暗い内からポレポレ登ります。ヘッドライトが要らないぐらい月明りが明るい。
結果的に、山頂に早く着きすぎてしまいました。真っ暗です。
日の出まで待つといいましたが、ガイドが寒そうにするので下りながら日の出を見ることに。
00:00バラフキャンプ出発~05:10ステラポイント~05:45ウフルピーク(山頂)~11:00バラフキャンプ到着、昼食~13:30バラフキャンプ出発~15:00ムウェッカキャンプ到着
景色は最高でした!
バラフキャンプに戻り、テントでしばし休憩です。
バラフキャンプから、ムウェッカキャンプへ向かいます。
どんどんと標高を下げて、あっという間に樹林帯に入りました。
樹林帯の中のムウェッカキャンプに到着。
夜のテントの中で、ガイドのヘヴィンが「例のブツを・・・」という感じで切り出してきた。「ああ、チップだな」と思い、OKというと、皆を呼んでくるという。
当初、チップはガイド120ドル、コック50、ポーター30の内訳だったけれど、前日から「皆の働きが良ければチップをあげてくれ」とちょいちょいガイドに言われていたので
ガイド120、コック60、ポーター60の内訳であげた。
ガイドはせっかちだったし、僕の名前を憶えてくれなかったし(最終的に佐々木と呼ばれた。もちろん全然違う)、道中喧嘩もしたので上げる予定は無かった。
コックはおいしい料理を作ってくれたし、いつも楽しそうにしていたけどカラミは一番少ないのでちょっと上げた。
ポーターは若くて、いつも重い荷物を背負ってくれて、キャンプ場についたら毎度ガイドのヘヴィンにこき使われていてかわいそうで、キャンプ場では僕に料理を運んだり身の回りの世話をしてくれたので多めに上げた。
ヘヴィンは少し残念そうな顔をしていたけれど、しょうがないかって感じだった。
コックは普通にありがとうと言っていた。
ポーターはとっても喜んでいた。
もしかしたら僕のやったことは、むこうでの非常識かもしれない。相場も分からないし。
でもポーターが一番喜んでくれていたから、よかったとする。
ムウェッカキャンプ→ムウェッカゲート→モシの街へ
この日はもうモシに帰るだけです。
少し名残惜しいですが、6日も山に入ったら街も恋しくなります。
ガイドのヘヴィンが、街に降りたら俺の家に遊びに来いと招待をしてくれました。
でも相手の真意が分からなかったので断りました。(本当にただの親切心だったのかも。今思うと行っておけばよかったなと思う)
07:00出発~09:00ムウェッカゲート到着、タクシーでモシへ~10:00モシに到着
ムウェッカゲートではお土産も売っていました。
ガイドたちはみなシャワーを浴びてました。迎えの車が来るまで待機です。
足洗い場にて、15歳ぐらいの少年が靴を洗ってくれるとしつこく言い寄ってきました。
チップが欲しいみたいでした。
ホテルに到着して、登頂証明書を貰います。
そのあとも、しつこく「明日はセレンゲティのガイドに行こう。3万円だ」みたいな感じで誘われましたが、丁重にお断りしました。
キリマンジャロバックパッカーズに戻る
登山を終えて、いつものキリマンジャロバックパッカーズの屋上で1人さみしくビールを飲む。
入国から僕に親切にしてくれていたドンがやってきた(ちょろまかされたおつりを少し返してくれた人)
英語が分からないながらも、いろいろ話をした。
登山はどうだった?日本ではどんな農作物を作っているのか?とか。
彼女を見してくれ、とか。
僕もドンに彼女を見してくれというと、「彼女はここから遠いところに住んでいて、スマホも誰かに盗まれて連絡が取れない」という。
「スマホは100USドルぐらいで、とても買えないんだ・・・」と。
ついつい100ドルぐらいならあげようかなと思ってしまったが、変にアフリカに慣れた僕はもちろんあげなかった。真実は分からないけど、僕はドンの親切な態度はこの時の為だったのかなと思う。
今回の旅で、ヨーロッパではアジア人なんて興味の対象ですらないけれど、アフリカではアジア人(旅行者)はみな興味の対象(特にお金)なんだと感じた。
楽しい登山でした!
モシの街も、出国するときは「二度と来るもんか」って思ってましたが、年月が経つと不思議と再訪したくなるものです。
次回アフリカに行くことがあれば、日本でザンジバルピザを普及する為に修行してきます。