【鹿児島県:鬼岳】サブマリンカンテ&鬼岳主稜線縦走の登攀|快適クライミング
鹿児島県の鬼岳は鹿児島黒稜会によって2020年から再開拓が始められ、今では多彩なルートと数を誇る。開聞岳を背に登れるマルチピッチは景観が良くて気持ちが良く、初心者向けなショートルートも多い。今後も開拓が進められるとのことで、目が離せないエリアです。
※詳細なトポ図は鹿児島黒稜会のインスタから見られます。
■サブマリンカンテ
立神公園駐車場7:30-第一分岐7:55-サブマリンカンテ取付き8:25-登攀開始9:00-1P終了点9:40-2P終了点10:00-3P終了点10:30-4P終了点11:00-5P終了点11:15-6P終了点11:25-休憩-下降開始-取付き12:20
■鬼岳主稜線縦走
立神公園駐車場7:00-主稜線縦走1P目取付き8:30-フィンガーピーク基部9:15-石塔9:30-南峰10:30-東稜11:20-イースタンコルから懸垂12:00-右岸稜取付きまで下山12:25
鬼岳主稜線縦走はピッチ数が長く、時間の見積もりが難しかったので、クロコダイルピークとフィンガーピークを登りませんでした。結果として想定よりも早く降りられたので、ピークを全て踏んでおいた方が良かったな、と思いました。
持って行ったギア
50mダブルロープ、キャメロット(0.3~3)、ヌンチャク、アルパインヌンチャク、スリング
サブマリンカンテ5.10a 6P 178mの登攀

鬼岳主稜線の南峰から見たサブマリンカンテ。見事に潜水艦の形をしています。登攀ルートは顕著なカンテ上を登るので、ルートで迷うことはないでしょう。終始景色が綺麗で、快適なクライミングが続くので一登の価値あり!
アプローチ




立神公園か、貯水槽近くの駐車場に駐車します。貯水槽の所から50mほど歩くと左手に登山口があります。登山口から10分あるくと第一分岐です。第一分岐からはピンクテープも豊富なので迷うことは無いと思います。

岩がゴツゴツなってきて急登を登れば顕著なカンテが見えます。これが取付きです。
サブマリンカンテ1P 5.9(or5.10a) 30m


1P目の最初は簡単なスラブから始まります。フレークを超えたあたりで多少ランナウトします。落ち着いて登れば、カチ状の足と手があるのが分かります。

終了点手前を右に行くと5.9です。左に行くと5.10a。今回は左の10aのルートを登りました。朝一、しかもオニューの靴ということもあり、なかなか緊張しました。支点はしっかりしているし、近いので攻めてみても良いでしょう。

すでに景色は抜群です。終了点は3人で少し狭い感じです。
サブマリンカンテ2P 5.8 30m


2P目は快適なリッジクライミング!2ピン目がすこしだけ嫌らしい感じですが、1P目で苦労したならご褒美ピッチであることは間違いないです。終了点は広いテラスです。3Pの取付きまで少しだけ歩きます。
サブマリンカンテ3P 5.9 45m


出だしのスラブが少し難しいです。7年前はA0で登りましたが、今回はフリーで登れました。少しは成長しているのかな・・・。最初の出だしはカチを持ち、足は細かいエッジに乗せて、左手のホールドを取りに行きます。左手は向きが少し悪いので、少しカウンターバランスを使いました。ハングの上にガバがあるので、頑張ってそこまで登りましょう。別パーティの話では、良い左足があるとのことでした。


ハングの上からは快適な登攀ですが絶妙なランナウト!ランナウトゆえに緊張感もって登れるので楽しくも感じます。


3ピッチ目は少し長いです。快適な登攀ではありますが、ボルトは4個しかないので、心配な方はカムを積極的に使いましょう。広いテラスにて終了点。
サブマリンカンテ4P 5.9 40m



4Pは最初の出だしは快適です。後半のハングの手前からスラブとなり、ハングの乗越は少しだけホールドに困る感じに。傾斜は強くないので、しっかり足で立って登ると問題ないと思います。
サブマリンカンテ5P 5.7 30m


終了点から右にトラバースし、簡単なスラブを登ります。急に高度感が出てくるので少し緊張するかもしれません。すぐに大岩のあるテラスに到着します。

景色は最高!
サブマリンカンテ6P 5.10a 3m

最後はボルダームーブで巨岩の上へ!手も足も乏しいので少し難しいです。ボルトが1個あります。心配な方はスリングアブミを使い、ボルトを踏むと良いでしょう。


終了点は5人がゆっくりできる程度の広さがあります。目の前には開聞岳、右手には大岩壁群!ゆっくりするにはとても良い所です。お昼ご飯をたべて、北側に懸垂下降します。懸垂は23mなので50mのシングルロープでも大丈夫です。樹林帯に降りた後はピンクテープに導かれ、取付きまで戻ることができます。
鬼岳主稜線縦走 A0 5.9(5.11b) 14P の登攀

鬼岳の主稜線縦走はとにかく景観が良いです。どこを見ても素晴らしい景色を楽しめます。難しい所にはボルトが整備されているので、初心者でも思い切って挑戦できるでしょう。様々なバリエーションルートがあるようなので、次回はチャレンジしてみたい。
マルチピッチをスタカットで登るというよりも、岩角などで随時ビレーしながらコンティニュアンスで登る、ヨーロッパアルプスみたいな登り方が楽しめます。懸垂下降用に50mロープを持って行きましたが、必要な長さ以外は体にたすき掛けしておきました。
アプローチ
アプローチは第一分岐まではサブマリンカンテと同じです。第一分岐を左に行きます。西尾根出合いまで歩き、急登を登ります。各分岐には案内板があるので分かりやすいです。


アプローチ中、残置ロープのある所は急傾斜なので落ちないように気を付けましょう。


ボルトのある巨岩があります。見るからに難しそうでした。ここはスルーして左の草付きを登ります。
鬼岳主稜線縦走1P 5.3 40m クロコダイルピーク基部から尾根まで

後ろの岩峰がクロコダイルピークになります。クロコダイルピークへは、反対側のフェースから登るルート(5.9)もあれば、上の写真の方向から登るルート(5.6)があります。側面から登るチムニーのルートもあるとのことでした。
トポには「時間に余裕があればクロコダイルピークに立つことをすすめる」との記載がありますが、この時点では時間の見積もりが全くできていなかったのでスルーしました。クライミングの14ピッチでは長時間行動になりますが、鬼岳主稜線縦走はどちらかというと縦走要素が強いです。結果として時間はかなり余ったので、各ピークを余らすことなく登っておくことをおすすめします。

クロコダイルピークから尾根を歩くと簡単な岩場が出てきます。アプローチシューズで登りましたが、登る前にロープなど準備をしておいても良いと思います。

人が3人いるところが1Pの終了点です。クロコダイルピーク基部から終了点までほぼ歩きの40mほどです。
鬼岳主稜線縦走2P 5.4 14m ナックルピーク基部まで

この写真を撮っている岩がナックルピークだと思います。特に難しい個所はありません。快適な岩稜縦走を楽しみましょう!
鬼岳主稜線縦走3P 懸垂下降5m+20m 5.3 フィンガーピーク基部まで 4Pはフィンガーピークへの登攀 5.9

人が二人いるところがフィンガーピーク基部です。立派なラッペルリングなどがあるので、フィンガーピークを登る場合はここでピッチを切って登ります。フィンガーピークを登る場合は5.9の登りです。
僕たちはクロコダイルピーク同様、時間の見積もりができていなかったばかりにフィンガーピークをスルー。今思えば登っておけば良かったな~という感じです。ぜひ皆さまは登られてみては!
鬼岳主稜線縦走5P 懸垂下降5m+25m 5.4 パームピーク奥まで


フィンガーピーク基部から懸垂をして縦走路を歩き、パームピークを登ります。パームピークの奥はブッシュ帯となるので、そこでピッチを切ります。

パームピークの奥に降り立ちました。ここからはしばらく歩きです。
鬼岳主稜線縦走6P 50m 歩き

石塔のあるコルまで歩きます。目の前に岸壁があります。迷うことはないでしょう。
鬼岳主稜線縦走7P 15m 5.8 ボルトのあるクラック

ここは複数ルートを取れるようです。写真のルートは最も容易な5.8で、ボルトが3本あります。左のクラックが5.10aのようです。登ったところがヤーンキレットです。目の前に巨大な南峰が見えます。
鬼岳主稜線縦走8P 30m 5.2 南峰基部北側の歩き

ヤーンキレットから開聞岳方向に大きな南峰が見えます。南峰の北側のバンドを歩きます。落ちたら危ない感じです。

バンドを歩き、簡単な岩場を登ります。登ったところに松の木があるので、ここで後続を迎えます。ロープの流れは問題ありませんでした。
鬼岳主稜線縦走9P 15m 5.8 フェースをA0かフィンガークラック


目の前に弱点の無いフェースにボルトがあります。右側にはきれいなフィンガークラックがあります。腰にはアブミが・・・ここはボルトとアブミを使ってフェースを登りました。

登り切ったところに立派な終了点があります。
鬼岳主稜線縦走10P 10m 5.11b(A0 5.8) 核心

いよいよ核心です。フリーでも登れるようですが、もはやなんでもありでいきます。最初のボルトにアブミをかけ、2本目のボルトにクリップします。心配な方は2本目のボルトにアブミを掛けてもよいでしょう。2本目のボルトでA0をして立ち上がると、3本目のボルトに届きました。ボルト3本目からは傾斜も落ち着き、上部のクラックに手が届きます。上部のクラックは難しくはありませんが、高度感も出てきます。




景色が抜群な南峰頂上に到着です!お隣には、ここまで縦走してきた岩峰帯が望めます。この景色を見るために来て損無し!

左からクロコダイルピーク、ナックルピーク、フィンガーピーク、パームピークと続きます。山頂でゆっくり休み、懸垂下降の準備をします。ここにきて、ようやく時間に余裕があることに気が付きました。登ってない所は、また次回のお楽しみとします。
鬼岳主稜線縦走11P 懸垂下降 23m+40m歩き ヤーンキレットに戻る


懸垂下降で狭いバンドに降り立ちます。懸垂下降する際は、フレークがあるのでロープを挟まないように注意が必要です。

鬼岳主稜線縦走12P 10m 5.8 ボルトのあるスクイズチムニー

ヤーンキレットから顕著なスクイズチムニーを登ります。ボルトがあるので、ここまでなんでもアリできたのでアブミをかけて登ります。見た目ほどは難しくありませんが、ザックがあると苦労するでしょう。
鬼岳主稜線縦走13P 10m 5.4 簡単なルンゼ

簡単なルンゼを登ります。カムは決まりますが、決めなくても問題はないでしょう。

鬼岳主稜線縦走14P 懸垂下降5m+50m歩き
松の木に残置スリングとカラビナがあるので、僕たちはこれを使ってロワーダウンとクライムダウンしました。クライムダウンに心配な方は懸垂すると良いでしょう。あとは樹林帯を50m歩くと、残置スリングとカラビナがあるので、23mの懸垂下降をします。

23m懸垂下降をすると、鬼岳主稜線縦走は終了です。
鬼岳主稜線縦走からの急な下り

クライムダウングレード5.9などと冗談を言いながら下りました。そのぐらいなかなかハードな下りでした。ピンクテープと残置ロープがあるので迷うことはないでしょう。滑落や落石に注意が必要です。適当に下っていくと右岸稜取付きに到着します。
まとめ
僕は2018年にもサブマリンカンテを登りましたが、その時はアプローチに不明瞭な点があり、迷ったのを覚えています。岩はツタで覆われた個所もありました。今回はそんなことなく、最初から最後まで快適で楽しいクライミングができました。整備をしてくださった鹿児島黒稜会の皆様のおかげで、非常に楽しく登れました。この場を借りてお礼申し上げます。


