【登山&クライミングのロープワーク】よく使う結び16選!動画解説付き。細引きとは?
ロープワークを具体的に何から学べばよいのか分からず、困るクライミング初心者は多いです。ロープワークは間違えると重大な事故に繋がるので、現地で経験豊かな人から学ぶことが大事です。少しでも予習しておきたい方のために、クライミングでよく使うロープワークを解説します。
クライミングだけでなく、登山でも使えるロープワークをご紹介します。ロープワークを覚えておけば、いざという時に助かるかもしれません。ぜひこの機会に覚えておきましょう。
- どうして同じ結びで名前が違う?今は英語名が主流
- ノット・ベンド・ヒッチの違いを理解するとすんなり覚えられる
- ロープの種類:太さで役割や結び方が変わる
- クライミングや登山でよく使うロープワークと使用場面
- オーバーハンドノット:結びの基本
- エイトノット(フィギュアエイト・フォロースルー):クライミングで最も使う
- エイトノット(フィギュアエイト・オンアバイト):簡単に強固な輪っかを作る
- インライン・フィギュアエイト:ロープの途中に手がかりを作る
- クローブヒッチ(インクノット・マストノット):カラビナ・岩・木に固定する便利な結び
- ムンターヒッチ:確保や懸垂下降などに使える
- ダブルフィッシャーマンズベンド:クライミングロープを強固に連結
- フィッシャーマンズベンド:細引きの連結に使う
- オーバーハンドベンド:懸垂下降でロープを連結
- ボーラインノット(ブーリン):ロープを木などに結ぶ。大きさを変えやすい。
- バタフライノット:両側から引っ張っても形が崩れない
- ガルダーヒッチ:ロープを張る際などに。カラビナが2枚必要
- エバンスノット:ロープを張る際に使う。簡単で強度も高い。
- ムンターミュール:レスキューでよく使われる
- ミュールノット:ビレイデバイスの固定などに使う
- マリナーズヒッチ
- まとめ
どうして同じ結びで名前が違う?今は英語名が主流

ロープワークを学んでいくと、「同じ結び目なのに名前が違う」という問題にでくわします。JMSCA(日本山岳スポーツクライミング協会)では、英語名を推奨しています。ロープワークに限らず登山道具もです。この記事では、主に英語名でご紹介します。
名称の統一は重要です。雪崩トランシーバーではなく雪崩ビーコンと名称が統一されているように、現場では少しの違いが混乱を招くからです。
ノット・ベンド・ヒッチの違いを理解するとすんなり覚えられる
結び目と名前の連想が難しい方のために、結びの名前を覚えるためのコツを解説します。結び目の名前の最後にはヒッチやノット、ベンドが付きます。それぞれの意味があるので解説します。
【ノット】ロープ1本で使われる結び目のこと

これはオーバーハンドノットと呼ばれる結びです。ロープ一本で簡潔する結び目には最後にノットが使われます。
【ベンド】1本か2本のロープの末端を結んで連結すること

これはダブルフィッシャーマンズベンドです。二本のロープを連結する際は最後にベンドを使います。二本のロープをオーバーハンドノットで結ぶと、オーバーハンドベンドとなります。
【ヒッチ】カラビナや木などに対して使う結びのこと

クローブヒッチです。カラビナなどが無いと成り立たない結びの際にはヒッチを使います。
ロープの種類:太さで役割や結び方が変わる

ロープは太さによって呼び方が違ったり、用途が違ったりします。細さだけでは用途を決められないので、必ず説明書などを見て用途を確認してください。細さごとにおる大まかな使用用途は以下のとおりです。
- 1mm~7mm程度のロープ:アクセサリーコード(細引き)
- 登山用品店でよく計り売りされています。1mmはあまり売られてないですが、2~5mmは小物に使ったりキャンプで使ったりします。6~7mm程度になるとクライミングでも使いますが、強度がしっかりしている物を使いましょう。強度については登山用品店で質問すると良いです。
- 8mm程度のロープ:補助ロープ
- 危険地帯を通過する際のフィックスロープにするなど、補助的に使います。クライミングでは使えません。(使える物もあります。説明書などを必ず確認しましょう)
- 8~10mm程度のロープ:クライミングロープ(ダイナミックロープ)
- クライミングにも使用できます。スタティックロープと呼ばれるロープは伸縮性が無いので、クライミングでは使えないと覚えておきましょう。
>>クライミングロープのおすすめと選び方【メンテナンス方法や規格を解説】
クライミングや登山でよく使うロープワークと使用場面
クライミングや登山でよく使われるロープワークをご紹介します。
オーバーハンドノット:結びの基本


日本語でいう止め結びや一重結びのことです。オーバーハンドノットで覚えましょう。オーバーハンドノットを単体で使う場面は少ないです。
- 主な使用用途
- ・他の結び目の近くにオーバーハンドノットを作り、末端のすっぽ抜けを防止する。
エイトノット(フィギュアエイト・フォロースルー):クライミングで最も使う

クライミング用のハーネスにロープを装着する際の結び方です。しっかりと結んでおけば解けることはありません。綺麗に結んだ形が最も強度がありますが、綺麗な形で結ぶにはコツがあり意外と難しいです。

結んだあとは4方向の紐をそれぞれ引っ張る

結んだあとは、緩みを無くすために4方向のロープをそれぞれ引っ張ります。強固な結びで緩みにくいですが、最初の結び方が緩んでいると解ける可能性があります。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「フィギュアエイト・フォロースルー」
- 主な使用用途
- ・クライミングロープとハーネスを強固に連結する
エイトノット(フィギュアエイト・オンアバイト):簡単に強固な輪っかを作る


ロープの中間に簡単に輪っかを作れます。いちいち結んで解くことが面倒な場合に、輪っかとハーネスをカラビナで接続して登ることもあります。しっかりと結ばないと動画のようなことが起こります。過去には事故も起きているので、使う場合はデメリットをしっかりと認識しておきましょう。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「フィギュアエイト・オンアバイト」
- 主な使用用途
- ・クライミングロープとハーネスをカラビナで連結する
・輪っかを何かに引っ掛けたりする
・懸垂下降の途中で、ロープを落ちないようにバックアップをセットする
インライン・フィギュアエイト:ロープの途中に手がかりを作る

ロープの中間に変則的なエイトノットを作ります。輪っかの荷重をかけられる方向は下側のみです。上側に輪っかを向けると結びが解けます。輪っかの向きが下側を向いているので、足がかりや手がかりとして使いやすいです。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「インラインフィギュアエイト」
- 主な使用用途
- ・ロープの中間に、使いやすい手がかり&足がかりを作る
クローブヒッチ(インクノット・マストノット):カラビナ・岩・木に固定する便利な結び


クライミングではメインロープでセルフビレイをセットする際に使用します。エイトノットと同じぐらい重要な結びです。強度もあり、解くのも簡単です。ロープの長さの調整などもできます。さまざまなシーンで活躍します。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「クローブヒッチ(カラビナ)」
ムンターヒッチと結び方が似ており、間違えると重大な事故に繋がる恐れがあるので注意してください。
木などに結ぶ場合は結び方が異なります。どちらもできるようになっておきましょう。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「クローブヒッチ(木に巻く)」
- 主な使用用途
- ・メインロープでセルフビレイをセットする
・懸垂下降の途中で、ロープを落ちないようにバックアップをセットする
・ロープを木に結んでツェルトなどを設営する
ムンターヒッチ:確保や懸垂下降などに使える

ビレイ器具を使わずに、HMSカラビナやロープだけでビレイや懸垂下降ができる結びです。ビレイ器具は落とす可能性があるので必ず覚えましょう。レスキューでも多く使われる結びです。多用するとロープがキンクしやすく、傷みやすいので注意してください。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「ムンターヒッチ」
ブレーキ力を強めたい場合はスーパームンターを使います。ムンターヒッチから簡単に行えます。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「スーパームンターヒッチ」
- 主な使用用途
- ・HMSカラビナとロープだけでビレイや懸垂下降で使う(多用注意)
・人を降ろしたい時に使う
ダブルフィッシャーマンズベンド:クライミングロープを強固に連結


強固にロープを連結できる結びです。荷重がかかるとなかなか解けません。懸垂下降をする際に、径が異なるロープを連結する際に使われます。結ぶ向きが異なると間違った結び方になるので、何度も練習して間隔を掴みましょう。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「ダブルフィッシャーマンズベンド」
- 主な使用用途
- ・異なる系のクライミングロープを連結して懸垂下降する
フィッシャーマンズベンド:細引きの連結に使う


細引きを連結する際に便利な結び方です。ダブルフィッシャーマンズベンドが難しい方は、まずフィッシャーマンズベンドをマスターしましょう。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「フィッシャーマンズベンド」
- 主な使用用途
- ・細い紐の連結をする
オーバーハンドベンド:懸垂下降でロープを連結



二本のロープをまとめてオーバーハンドノットで結びます。懸垂下降でロープを連結する際は、末端のすっぽ抜け防止のためにフラットかダブルで追加でオーバーハンドを結びます。
懸垂下降の後にロープを回収する際に、ダブルフィッシャーマンズベンドだと結び目が岩角などに引っ掛かりやすく、回収できない場合があります。オーバーハンドベンドだと結び目が引っ掛かりにくく、回収できなくなるリスクを抑えられます。
- 主な使用用途
- ・二本のロープを連結して懸垂下降する
ボーラインノット(ブーリン):ロープを木などに結ぶ。大きさを変えやすい。

かつては結びの王様と呼ばれていた結びですが、解けるリスクも高く、今は命を預ける場面では使われません。荷重が掛かったあとも解きやすいのでハーネスへの連結で使う方もいますが、基本的にはエイトノットを使いましょう。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「ボーラインノット」

テントのガイラインを本体と結ぶときなどに使われます。ガイラインの自在側がペグ側で使えない場合(冬季など)に、反対に結び直すからです。
- 主な使用用途
- ・ロープを木などに固定する
・タープやツェルトの設営用ロープの片側を固定する
・テントのガイラインを本体と結ぶ
バタフライノット:両側から引っ張っても形が崩れない

ロープの間に強固な輪っかを作れます。両側からロープを引いても結びの形が崩れません。荷重が掛かったあとでも解きやすいです。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「バタフライノット」
- 主な使用用途
- ・フィックスロープを張って、中間支点と連結する
・ロープの中間でハーネスと接続する

フィギュアエイト・オンアバイトでも中間に輪っかを作ることはできますが、両側からロープを引っ張ると形が崩れます。メリットデメリットを理解しておきましょう。
ガルダーヒッチ:ロープを張る際などに。カラビナが2枚必要

一方向にはロープが動きますが、反対方向には動きません。ロープを張ったり、荷揚げなどに便利です。荷重が掛かると解除しにくいので注意が必要です。
- 主な使用用途
- ・フィックスロープのテンションを張る
・タープやツェルトの設営用ロープを張る
・バックパックなどを荷揚げする
エバンスノット:ロープを張る際に使う。簡単で強度も高い。



自在結びとも言います。結び目を簡単に移動させられますが、緩まないのでロープを張ったりできます。結び方はダブルフィッシャーマンズベンドと同じですが、巻く回数を増やすことで強度を変えられます。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「エバンスノット」
- 主な使用用途
- ・フィックスロープのテンションを張る
・タープやツェルトの設営用ロープを張る
・張り綱のテンションをかける
ムンターミュール:レスキューでよく使われる

ムンターヒッチを固定する際に使います。バックアップとして輪っかにカラビナを掛けたり、オーバーハンドノットを結んだりします。オーバーハンドノットがおすすめです。ムンターヒッチ+ミュールノット+オーバーハンドノット(MMO)まで一連の動作で覚えておきましょう。下記の動画ではオーバーハンドノットまでを解説しています。
>>動画はこちら(英語のサイトに飛びます。別タブで開きます):KNOTS 3D「ムンターミュール」
- 主な使用用途
- ・ムンターヒッチの仮固定
・MMOでムンターヒッチの固定
ミュールノット:ビレイデバイスの固定などに使う

懸垂下降でビレイデバイスを固定したり、ビレイ中に固定する際などに使います。画像ではカラビナのスパインにミュールノットをしていますが、ビレイループで作っても良いです。ビレイループで作る場合はロープを入れにくいですが、入れてしまえば作りやすいです。

ミュールノットの輪っかを利用して、オーバーハンドノットでさらに固定します。ビレイ中にパートナーが事故などで身動きがとれなくなった際に、ロープの荷重を自分から別のポイントに変える時などに使います。
- 主な使用用途
- ・ビレイデバイスの固定
マリナーズヒッチ




セルフビレイなどで使用できます。スリングの長さ調整が容易です。スリングに荷重が強くかかっている状態の時でも解除できる点です。主にレスキューで使います。
- 主な使用用途
- ・セルフビレイをセットする
・レスキューなど、強い荷重が掛かった後に解除したい場合
まとめ
ロープワークは種類があまりに多く、どれから学べば良いのか迷う方は多いです。この記事で紹介したロープワークをマスターして、組み合わせて使えるようになりましょう。フリクションヒッチも覚えることで、通常の場面で困ることはないでしょう。
レスキューで使うロープワークもご紹介しましたが、間違った結び方は事故に繋がる可能性があるので、必ず現地で経験豊かな方から教わってください。


