【3種類比べてみた】沢登りのハンマー|携行に便利なホルダーなど
沢登りの定番ともいえるハンマー。
様々な形状がありますが、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのでしょう。

この記事では、代表的なこちらの3種類のハンマーを使ってみたからこそ分かる、それぞれのメリット・デメリットをレビューしています。
■ハンマーの比較表
■重量による違い
重量が重いほどハーケンの打ち込みに少し有利。
重量が重いと女性は扱いにくい。
■長さによる違い
長いと力が入れやすくハーケンが決まりやすい。
長いと取り回しがすこし難しい。
■ピックの形状による違い
長く、尖っている物ほど泥の壁や雪渓に決まりやすい。
■穴の有無による違い
ハンマー部に穴が有ると携行しやすい。
■ハンマーのオススメな携行方法3選
5種類のハンマーを比較表にしてまとめてみた
ブランド/製品名 | オススメ度 | ポイント | 重量 | シャフト長 | ピック長 | Amazonで詳細を見る | 楽天市場で詳細を見る | Yahoo!で詳細を見る |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | 沢登りの定番と言えばコレ | 穴あり 465g | 27.5cm | 8cm | Amazon | 楽天 | Yahoo | |
![]() | ロカの軽量版 | 310g | 27.5cm | 8cm | Amazon | 楽天 | Yahoo | |
![]() | ピックが長く鋭利。雪渓や草付きで威力を発揮する。 | 530g | 34cm | 10cm | Amazon | 楽天 | Yahoo | |
![]() | ゴルジュハンマーの軽量版 | 390g | 26.5cm | 9cm | Amazon | 楽天 | Yahoo | |
![]() | 重くてコンパクト。取り回しが良い。 | 535g | 26.5cm | 3cm | Amazon | 楽天 | Yahoo |
沢登りのハンマーと言えば、上の5つが定番です。キャンプ用では無く、沢登り用ハンマーを選ぶことが大事です。大きな特徴としては以下のとおり。
■ハーケンが打てる重さ
最低限310gは欲しい
■ハーケンを打てる強度
キャンプ用ハンマーは、ハーケンを打てるだけの強度の無い物がある
■ピックの有無
泥壁や雪渓に有効。ハーケンを抜くのにも使う
ハンマーの選び方
オススメなハンマーは「ミゾー/チコ」「ロックテリクス/ゴルジュハンマー」「ペツル/タムタム」です。理由と一緒に、ハンマー選びの基準を参考にしてください。
重量はハーケンの打ちやすさにそれほど影響がない



実際にハーケンを同じ場所で打ち比べてみました。重いからハーケンが一発で決まるとか、軽いから30回打ち込まなければいけないとか、そういう事はないです。310gのチコでも、535gのタムタムでも差はそれほどありません。
重い方が多少打ち込みやすいですが、ハーケンを打ち込める場所の見極めの方が大事です。
■重量はハーケンの打ちやすさにそれほど影響しません。
■ただし、女性など力の弱い方は重い方が打ち込みやすいと思います。
シャフトの長さは、ハーケンの打ち込みやすさと取り回しの良さに影響する

「シャフトの長さ=ハンマーの長さ」です。シャフトが長いほど、ハーケンを打ち込む力は入りやすいです。長いほど取り回しに影響されます。シャフトが長いとハーネスにぶら下げた時にズボンに石突きが刺さったり、ハーケンを打ち込むときの姿勢が悪いと打ちにくいです。
特にゴルジュハンマーは石突きが鋭いので、ハーネスにぶら下げておくとかなり邪魔です。



取り回しが良く、ハーケンも打ちやすいハンマーの条件は「短くて重いハンマー」になります。その結果、タムタムが最も取り回しが良いです。チコは軽いので、重い物よりはハーケンの打ち込みに力が必要。
■長いと、力が入りやすい=ハーケンが打ちやすい。
■長いと、取り回しが悪くなる。
■短くて軽いハンマーは、多少の力が必要。
ピックの長さは、泥壁や雪渓に便利


ピックが長くても短くても、ハーケンを抜く最後のひと手間に大きな違いはありません。ピックの短いタムタムも、ピックの長いゴルジュハンマーもそんなに違いはありません。
※泥壁をイメージして、分かりやすくした写真です
ピックは長い方が、泥壁に対しては圧倒的に優位です。タムタムは泥壁に対しては使えないと思ったほうが良いです。ロックテリクスのゴルジュハンマーは、シャフトとピックが長いので雪渓(スノーブリッジ)にとても有効です。
■ハーケンを抜く最後のひと手間に大きな違いない。
■泥壁や雪渓には、長い方がはるかに有利。
■ゴルジュハンマーは雪に対しても有効。
■ピックが長いと、ハーネスにぶら下げた時に邪魔になりやすい。
穴があったほうが携行しやすい




穴の形状はどれも特徴があります。穴の大きさや幅で、携行のしやすさが変わってきます。

キャリツールを使うと、どれもすんなり入ります。キャリツールなどのアイスクリッパーを一緒に使うと良いです。

番外編:ハンマー投げ
チョックストーンの隙間などにめがけてハンマーを投げて、手がかりとする方法ですね。

ハンマー投げを考えているなら、カラビナは「小さくてロックの掛かる物」が良いです。ロックテリクスのスーパーミニスクリューは小さいにもかかわらず強度が14kNあってオススメです。

ハンマーの携行方法3選
マグネット


超強力なマグネットで、一時的に携行する方法です。強力すぎてなかなか剥がれない事も有ります。登攀中や、体勢がシビアな時に大活躍。ハーケンもくっつくので非常に便利で使い勝手が良いです。冬はアックスの携行で使えるので、1個あると大活躍間違いなしです。
アイスクリッパー

メインの携行方法はこれが一番オススメです。滝を登るとき以外はザックに付けていたほうが邪魔にならないでしょう。マグネットと同じく、冬はアックスの携行で使えるのでオススメ。

アイスクリッパーはハーネスとの相性もあります。詳しくは以下のブログをご覧ください。

ハンマーホルダー

ハンマーの入れやすさ、抜きやすさで選ぶとハンマーホルダーです。姿勢などによってはハンマーが抜け落ちるのが難点。アイスクリッパーとの併用がオススメです。

まとめ
■重量(ハーケンの打ちやすさ)
シャフト長とも関係しますが、男性はそれほど気にしなくても大丈夫です。
力の弱い方は重い方が良いかも。
■シャフト長
長いと力が入れやすく、ハーケンが決まりやすい。
しかし、長いと取り回しが悪いです。
■ピックの形状
長く、尖っている物ほど泥の壁や雪渓に決まりやすい。
ピックが鋭利だと、携行時に足回りに引っ掛かりやすい。
■穴の有無
ハンマー部に穴が有ると携行しやすい。
穴の形状によって携行方法が変わる。
僕はペツルのタムタムを持っていくことが多い。その理由としては
・リストリーシュがあるから力を入れやすい。
・全体的に短くてコンパクトなので取り回しが良い。
・ハーケンを抜くための最低限のピックがある。
・腰にぶら下げても邪魔になりにくい
・顔の目の前でハンマーを振るような場面ではピックが短い方が良い(シビアな場面)
■泥壁でも積極的に使いたいなら、ミゾーのチコ。
■力が弱い方ならミゾーのロカ(穴あり)。
■雪渓や残雪期にも使いたいなら、ロックテリクスのゴルジュハンマー。
(実際には使用頻度がかなり少ないです。残雪期にも使えますが、重たくて中途半端に短いので意外とメリットが少ない)
その他、沢登りの道具を網羅的にまとめた以下の記事もオススメです。

沢登りの服装に関しては以下の記事です。

沢靴に関しては以下の記事です。

では、また!