モンブラン登山【三山縦走ルート】必要な装備・日程・費用など!
2018年に仕事を辞めて、モンブラン→ブライトホルン→マッターホルン→キリマンジャロを登りました。ブライトホルン、マッターホルンは日本から来てくれた登山仲間と一緒に登りました。
ガイド無し、小屋の予約無し、宿泊の予約無し、英会話能力無し。今考えると「よくこんな無謀な計画で行ったもんだ・・」と思いますが、若いとはそういうことなんだと思います。赤裸々に詳細をレポートします。
モンブランは初めての1人海外&登山で、登山だけでなく、言葉や飛行機のトランジットなどで非常に苦労しました。地球温暖化の影響で、モンブランの登山ルートは年々変化しているようです。そして、年々悪くなっているようです。この記事が、これからモンブランに挑戦する方の参考になれば良いなと思います。
モンブラン登山でメジャーなルートは2つ。

モンブラン登山は、メジャーなルートが2つあります。グーテ小屋ルートと、三山縦走ルートですね。どちらにも、メリット・デメリットがり、僕は三山縦走ルートを選びました。
グーテ小屋ルート
モンブラン登山の中では一番ルートタイムが短く、ポピュラーなルートなのですが、近年このルートは危ぶまれています。温暖化の影響で、ルートの途中にあるグランクーロワールからの落石が激しいからです。グランクーロワールでの死亡事故も増えているようです。
モンブラン登山の中でも、ルートタイムが短いグーテ小屋ルートでも、以下のルートタイムです。
- 1日目はニー・デルグ駅からグーテ小屋まで5時間
- 2日目はグーテ小屋からモンブラン山頂まで5時間
- 山頂からニー・デルグまで5時間
グーテ小屋の予約は年々厳しくなっているようです。詳しくはこちらの別記事をご覧ください。温暖化の影響でグランクーロワールの落石が激しく、ガイド登山も中止が相次いでいるようです。
三山縦走ルート


僕が今回登ったのが、いつの間にか三山を縦走する三山縦走ルートです。三山縦走ルートのメリットとデメリットは以下のとおりです。
- メリット
- 山小屋の予約を取る必要が無いので、柔軟な計画を組める。山小屋(コスミック小屋)を利用する事も出来る。
- デメリット
- コースタイムが長い。長く歩き続けられる体力が必須。傾斜の強い雪稜と、氷と岩がミックスした傾斜の強い箇所がある。
登山口となるエギューデュミディ展望所までは、シャモニーの街からゴンドラで上がります。コースタイムは以下のとおりです。
- 1日目はエギューデュミディ展望所からコスミックテント場まで1時間
- 2日目はコスミックテント場からモンブラン山頂まで8時間
- モンブラン山頂からコスミックテント場まで3時間
- コスミックテント場からエギューデュミディ展望所まで2時間
上のコースタイムはフランスのルートマップから参照しているので、かなりシビアです。日本のコースタイムと同じ感覚で行くと危ないです。体力に心配のある方はコスミックテント場で2泊した方が良いです。
ルート中の難しい箇所は、冬山のバリエーションによく行く人で、ロープを使うなら特に難しい物ではありません。傾斜45度くらいです。信頼度は低いですが、僕が登った時はフィックスロープがありました。
モンブラン登山に必要な費用や日程など

到着から登頂までの日程について


- 8月5日:日本→チューリッヒ空港に到着。チューリッヒ駅近くのリンダズビューティーというホステルに泊まる。
- 8月6日:鉄道でシャモニーまで。「Camping Les Arolles」に泊まる。シャモニーの街でOD缶を入手。
- ■8月7日:街を観光。観光案内所内の日本語の話せるベルベナッドさんの所へ。とても親切。アルパインセンターに行き、登山情報を聞く。
天気予報を仕入れる。 - ■8月8日:モンブランマルチパスを購入し、エギューデュミディ展望所へ行く。コスミックからモンブランへのトレースを見る。
- ■8月9日:天候不順の為、待機日。エギューデュミディ展望所に行って、ゆっくり高所順応する。
- ■8月10日:モンブラン登山に不要な荷物を預けに行く。シャモニー駅の近くのお店が預かってくれる。荷物2つを2日で45€。高い。エギューデュミディ展望所に登り、コスミックテント場までハイキング。
- ■8月11日:夜中2時にコスミックテント場出発→モンブラン登頂→コスミックテント場→エギューデュミディ展望所→「Camping Les Arolles」へ。
- ■8月12日:ツェルマットへ移動。
航空券や鉄道など、費用ついて


フランスではユーロを使用しました。支払いはほとんどクレジットカードです。僕が行った2018年のユーロは約130円でした。そのレートをもとに値段を書いています。
- 航空券 往復10~20万円
- 時期によってかなり変わりますが、僕たちは片道5万円~10万円ぐらいでした。早い予約と、繁忙期以外の日程で行けるかどうかがカギです。
- 鉄道代 3~5万円
- 僕はチューリッヒ空港から電車でシャモニーに行きました。モンブランの次にマッターホルンなどに行ったので、スイスハーフカードを利用しました。スイスハーフカードとは、スイス内の鉄道料金が半額になるカードです。乗り放題になるチケット等もありますが、ハーフカードの方がお得になる場合が多いようです。詳しくはこちらの記事をご覧ください(別HPに飛びます)
- エギューデュミディ展望所までのロープウェー代 2万円
- モンブランマルチパスという乗り放題チケットを購入しました。高度順応や観光で3回ほど登ったので、結果としてお得でした。
- 宿泊代 一泊1500円
- 「Camping Les Arolles」というキャンプ場に泊まりました。シャモニー駅から徒歩15分ですが、とても快適です。共同の充電コーナー、洗濯機、シャワー、WiFi(管理棟周辺のみ)があります。人が多く、管理人がよく不在になります。
- 食費 カップラーメン120円
- 基本的に物価は高いです。僕はカップラーメンと安いパンをよく食べていました。マクドナルドもありますが、セットが1700円ぐらいでした。
シャモニーとモンブラン付近を解説
シャモニーの街とモンブランの位置関係はこんな感じ


シャモニーの街はにぎわってます。登山用品店が多いので、何か忘れてしまっても大丈夫です。観光案内書の隣にアルパインセンターがありますが、ガイド専門のお店っぽいのでソロの僕はほとんど相手にされませんでした。モンブランの登山情報を聞けますが、観光案内書のベルベナッドさんも同じ情報を持っています。




快適だけどWiFiがテントまで届かないキャンプ場



シャモニーにキャンプ場はおそらく一つです。「Camping Les Arolles」は駅から遠いですが、快適なキャンプ場です。テントの大きさでサイトが決まっているようです。僕がキャンプ場についたときは管理棟に人が居らず、先にテントを張って後で清算しました。
無料WiFiが有りますが、管理棟の周りだけでしか使えません。管理棟では、水を売っています。大型のキャンピングカー等も多く、とっても賑わいの有るキャンプ場です。
エギューデュミディ展望所はロープウェーが怖い






富士山よりも高いで有名なエギューデュミディ展望所です。登りのゴンドラも結構怖いですが、下りはもっと怖いです。ジェットコースターみたいなゴンドラです。
いよいよモンブラン登山に出発
いよいよモンブラン登山です。シャモニーの街でたっぷりと英気を養い出発です。
入山はエギューデュミディ展望所から

展望台から鉄の策を乗り越えたところが登山口になります。

▲登山口から少し出たところ
登山口を出ると、いきなり結構な斜面です。先ずは安全なところでアイゼンを装着した方がよさそうです。何十年とモンブランに来ているご夫婦がちょうど居合わせて、昔はこの辺りはなだらかな雪原だったとの事です。地球温暖化の影響でどんどん雪が解けて、今ではナイフリッジの様になってしまったとの事でした。

エギューデュミディ展望台を振り返る。ナイフリッジの様な雪稜を歩いて降りて、後ろを振り返った所です。前を歩いていた人のザックからペットボトルが落ちて、そのままクレパスに吸い込まれてました。

沢山のクライマーが登る。有名な岩らしい
これぞヨーロッパ!な岩ですね!シャモニーは、ロープウェーでちょっとあがるといきなり沢山のアルパイン好ルートがあるので、かなり恵まれていると感じます。いつか登ってみたい!

▲薄く黒いぶつぶつ見えるのがコスミックテント場
コスミックテント場までは2時間ほどのハイキングです。コスミックテント場の右側、崖の上にあるのがコスミック小屋になります。
コスミックテント場に到着。最初の難関「モンブランタキュール」

コスミックテント場にて。目の前の山はグランドジョラス。
最高の景色の中、真夜中の0時まで休憩です。紫外線がかなり強いです。終点がどこか分からないほどの、日本では考えられないぐらい長いロープウェーなどがありました。トイレはコスミック小屋まで30分程かけて上がり、小屋のトイレを借ります。受付の人にトイレを貸してくれというと、わざわざそんなこと言わずに勝手に使えという感じでした。

▲最初の核心。モンブランタキュールへの登り
夜中の2時にテント場を出発です。既に沢山のパーティが出発していました。僕以外は皆複数人でロープを繋いでいました。モンブランタキュールへの登りは、ひたすらだらだらと長く、大きなクレバスに梯子がかかった箇所が2カ所ほどありました。最後の登りの辺りで、クレバスに落ちない様にテクニカルなトラバースをする箇所が一つありました。

暗い中を黙々と登り続ける。

▲ルート中一番の核心となるモンモディの登り
モンモディの登りが最も傾斜があります。フィックスロープがありますが、写真のように一か所だけ岩場もあります。傾斜は45度ぐらいとの事でした。渋滞気味なので、上を登る人のアイゼンに注意しないといけません。

モンモディを登ってしまえば、あとはひたすら歩きです。モンブラン山頂は目の前ですが、なかなか近づきません。

これは振り返った所です。

遠くにマッターホルンも見えます!

モンブランのモルゲンロート。

とにかく美しい。登っていて景色に飽きることはありません。一部、傾斜が強く、雪が良く凍っている所がありました。滑ったら間違いなく生還できないので、慎重に登ります。

▲最後の登り
いよいよ山頂へ向かう最後の登りです。風がかなり強い!氷のつぶてが肌に当たり、痛くて目を開けられませんでした。岩陰で避難していると、他の人たちも寄ってきました (笑)

最後の登り
モンブラン山頂に到着!

山頂です!正面はグーテ小屋から登ってくる人たちです


山頂はかなり広い!
普段何と言っているのか分からない外国の方たちですが、この時ばかりは何て言っているのかわかる気がしました!(笑)

さーて、下りますか!
モンモディの下りはめちゃくちゃ怖い

▲モンモディの下り
明るくなって見てみると結構怖いモンモディの下りです。この時間になっても登ってくる人がいるので渋滞します。


傾斜はかなり強く、この時間でも登ってくる人がいるので大渋滞です。上の人のアイゼンが僕のヘルメットに当たりました

ようやくエギューデュミディ展望台が見えてきました~。写真右のトレースから降る所が、モンブランタキュールの下りですね。クレパス祭りの箇所です。

これはマッターホルンですね。次の行き先です!

モンモディを降りた所

モンモディの最下部
個人的に一番怖かった所です。時間的に気温も上がり、雪が腐り始めてました。ずぶずぶでアイゼンが決まりにくく、傾斜の強いトラバースです。滑った先にはクレバスがあるので絶対に落ちれません。ロープ確保をしているパーティもありました。

人がちっちゃく写ってます。モンモディの全容です。
クレパス祭りが行われているモンブランタキュール

モンブランタキュールを下っている所。クレバスにかかった梯子ですね。写真撮り忘れていますが、とにかく巨大なクレパスが沢山あります。


テント場が見えてようやく落ち着いた所。無駄に自撮りしてみました(笑)

コスミックテント場に到着!
非常に疲れましたが、無事にテント場に到着です!ここからエギューデュミディ展望台まで2時間の登りがあるので、もうひと踏ん張りです。昼間は風が強かったのか、テントがつぶれている物もありました。スコップを買ってちゃんと風対策していたので良かったです!

エギューデュミディ展望台にて
無事下山してマックで1人祝う

シャモニーの街までようやく降りてきました!非常に疲れました!安定のマクドナルドで食料を調達です(笑)観光案内所のベルベナッドさんに報告をすると、非常に喜んでくれました!

ベルベナッドさんオススメのモンブランビール。非常に美味!!
英語が話せない僕は、ベルベナッドさんからモンブラン登山について情報収集をしました。
そういった日本人が多く、ベルベナッドさんもどのように言えばよいのか分からずに、毎回困っているとの事でした。僕も含めて、モンブランを登りに来た人の力量が分からないから、助言したつもりが結果的に困らすことにもなるとの事でした。(おそらく、ベルベナッドさんに言われても多くの人は信用しないのだと思います。)
僕は、ベルベナッドさんに基本的には止められつつも(笑)ベルベナッドさんの忠告通りダブルアックスを現地で買って、結果的に助かりました。
今回僕が来た時も、もう一人別の日本人の男性がテントを持たずに三山縦走ルートに行こうとして、止めたという事でした。めちゃくちゃ体力のある人ならいけるみたいですが、基本的には行けないとの事でした。
今回僕が安全に登れたのも、ベルベナッドさんのお陰です。このページを読んで、ガイドレスでモンブランに挑戦される方は、ぜひベルベナッドさんにお話しを伺ってみてください!
モンブラン登山に必要な力量と装備
モンブランを登る力量について
僕はガイドレス(ガイドを使わず)で、ソロでモンブランの三山縦走ルートを登りました。
三山縦走ルートを登るための力量を示しておきます。
■体力・高所順応
酸素の薄さには予め慣れておく必要があります。
標高3777mのエギューデュミディ展望所はゴンドラで簡単に行けますし、食事を出来る所もあります(Wi-Fi有)1日はここでゆっくり過ごしましょう!
体力は、日本で徹底的に鍛えるしか術はありません・・・
■氷雪・雪稜技術
アイスクライミングほどの技術と装備は要りません。
傾斜45度ぐらいの雪稜や、ちょっと硬い雪を安定して登れる技術が必要です。
■クレパス
ルート中、どこもクレパス、滑落のリスクはあります。
2人以上で登るなら、常にアンザイレンで行った方が良さそうです。(僕以外のガイドパーティっぽい人たちはアンザイレンしてました)
日本の雪山で、初級~中級ぐらいのバリエーションルートをよく登る人ならば技術的に問題ないと思います。
昼を過ぎると雪質がズブズブになってくるので、ある程度締まっている時にどこまで行けるかもポイントです。
必要な装備一覧

日本の山とは気候が違うので、服装には悩みました。
エギューデュミディ展望所とコスミックテント場は天気が良いと暑いぐらいです。
現地の天気予報では、4000m付近でー2度でした。
モンブラン登山中、不要な荷物はシャモニー駅近くのカフェ?みたいなところで預かってくれます。
荷物2つで45€。なぜか荷物を取りに行ったときに15€になりました。
(詳しい場所は観光案内所で聞いてくださいね)
| ヘルメット | 必須。 |
| バラクラバ | 顔全体を覆えるもの |
| サングラス | 必須。出来ればゴーグルも。 |
| 日焼け止め | 必須。 |
| ハードシェル(上) | 必須。風が強いので風よけとしても。 |
| サイドフルジッパーのレインウェア(下) | 軽量化の為レインウェア。今回は使わなかった。 |
| フリース(パタゴニア/R2) | 風が強いと少し寒かった |
| メリノウールの厚手下着 | ドライレイヤーと併用した |
| グローブ(BD/ソロイスト) | グローブはソロイストで十分だった。 |
| ソフトシェルパンツ(ファイントラック/ストームゴージュ) | 天気が良いのでソフトシェルパンツでいけた。 |
| スパッツ | 雪がぐずぐずになるので必須。 |
| メリノウール靴下 | 必須。 |
| 冬靴(スポルティバ/ネパールエボ) | 待ち時間もあるし、アイゼン必須なので。 |
| ダウンウェア(保温着) | 念のために |
テント泊だし、日本からの荷物が多いので荷物は必要最低限でした。
| ピッケル | BDのベノムと、アルミのアックスを持っていった。 |
| アイゼン | 12本爪 |
| アルパインハーネス | 懸垂を想定して装着。結局使わず。 |
| 下降器 | 〃 |
| アルパインヌンチャク | 〃 |
| 捨て縄、プルージック | 〃 |
| カラビナ | 〃 |
| ロープ(9mm×50m) | こんなに長くて太いのは不要。8mm×40mでもいけそうだった。 |
| ザック(60L & 22L) | テント場までは60L。アタック時は22L |
| テント | 1人用 |
| スコップ、ペグ | コスミックテント場にて、テントを強固に設営。風でぺしゃんこになってたテントもあった。 |
| 寝袋(モンベル#2) | 夜中は寒くて寝られなかった |
ピッケルが2本必要だと聞いて、焦ってアルミ製の軽いピッケルを購入した。
アルミ製なのでピックは使い物にならなかったが、シャフトをズブズブの雪に刺して使ったので、買っといてよかったです。
基本的には、しっかりとした冬山装備が良い。
ロープはマッターホルン登山でも使うので太くて長い物を持って行きました。
街ではモンベル#2の寝袋がちょうど良かったですが、コスミックテント場では寒くて眠れませんでした。
| ハイドレーション | 前の人が水筒をクレバスに落としていた |
| 行動食 | 日本でなじみの物を持っていった方が良かった。 |
| フリーズドライ飯 | 〃 |
| ツェルト | 念のため |
| ヘッドライト | 予備を含めて2つ欲しい。 |
| コッヘル、バーナー | 軽くてコンパクトな物 |



フリーズドライ飯は、マッシュポテト、パスタ、焼き飯?がありました。正直、マッシュポテトは激マズでした・・
行動食を物珍しさで選んだ結果、途中でシャリバテになってしまいました(笑)
ご飯系は、荷物に余裕があるなら日本から馴染みの物を持って行った方が断然良いです。
終わり。


