【2026年】山岳テントの選び方とおすすめ7選|軽量テントは選ばない方が良い理由
- 登山用テントを軽さだけで選ぼうとしている
- 雪山でも使える登山用テントを選びたい
- 登山用テントの構造について知りたい
登山用のテントは見た目がどれも同じで選び方が分からないという方は多いです。同じ見た目で同じ大きさなら、重量は軽い方が良いと思いがちです。重量だけでテントを選んでしまうと、日本の山岳環境では雨の日や岩稜帯でつらい思いをしてしまう可能性があります。
日本の山岳で使うなら、初心者は日本のメーカーのテントを選んでおくと間違いありません。テント泊に慣れてきたなら、リスクを知って軽量テントや尖ったテントを選びましょう。
この記事では山岳テントを選ぶ基準やメンテナンス方法、細かな疑問まで解説しています。初心者が選んで後悔のない山岳テントも厳選して紹介しています。これからテント泊デビューしたい方はぜひ参考にしてください。
初心者には耐久性と信頼性に優れるエアライズが最もおすすめです。オプションも豊富なので使用シーンを選びません。選んで間違いのないテントです。
軽さとコスパを求めるならモンベルのステラリッジがおすすめです。レインフライは別売りなので注意しましょう。
【厳選】おすすめの登山用テント7選
日本の山岳環境に合ったテントを厳選してご紹介します。2人用サイズをご紹介しますが、1人用も販売されています。好みに応じて選んでください。
アライ/エアライズ2 | ファイントラック/カミナドーム2 | モンベル/ステラリッジ2 | プロモンテ/VL-29 4S | ヘリテイジ/HI-REVO2 | アライ/SLドーム | プロモンテ/VB-23Z 4S | |
| 最小重量 | 1550g | 1310g | 1280g | 1230g | 1100g | 980g | 1,100g |
| 使用サイズ (横×縦×高さ) | 130×210×105cm | 130×212×105cm | 130×210×105cm | 120×205×105cm | 123×203×115cm | 120×210×95cm | 120×205×105cm |
| ウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | シングルウォール |
| 出入口 | 短辺側 | 長辺側 | 短辺側 | 長辺側 | 長辺側 | 長辺側 | 長辺側 |
| 吊り下げ/スリーブ式 | スリーブ式+袋とじ | スリーブ式 | 吊り下げ式 | 吊り下げ式 | スリーブ式+袋とじ | スリーブ式+袋とじ | 吊り下げ式 |
| 素材 (dn→生地の厚み) | ・本体:28dn ・フライ:30dn ・ボトム:40dn | ・本体:7dn ・フライ:15dn ・ボトム:不明 | ・本体:15dn ・フライ:15dn ・ボトム:30dn | ・本体:10dn ・フライ:20dn ・ボトム:30dn | ・本体:15dn ・フライ:15dn ・ボトム:30dn | ・本体:12dn ・フライ:15dn ・ボトム:30dn | ・本体:22dn ・ボトム:20dn |
| ポイント | ・定番中の定番 ・オプションが豊富 ・設営が早くて楽 ・生地が厚くて丈夫 ・間違いのない選択肢 | ・結露しにくい ・オプションが豊富 ・ダイニーマ使用で強度が高い ・出入りしやすい ・前室が広い ・軽量&コンパクト | ・安い、軽い ・生地は薄い ・外張りのオプションがある | ・軽い ・外張りのオプションがある ・前室が広い ・出入りしやすい | ・軽い ・前室が広い ・ベンチレーターが多い ・3シーズンテント | ・ダブルウォールの中では最軽量 ・フットプリント付属 ・耐久性は劣る ・3シーズン向け | ・eVent素材を使用 ・防水性と透湿性に優れるシングルウォール ・4シーズン対応 |
| 値段(税込) 2026,5月 | 60,500円 | 80,960円 | 52,000円 | 73,700円 | 71,280円 | 68,200円 | 107,800円 |
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最小重量はインナー、フライ、ポールの重量です。ペグは含まれていません。どのテントも、1人用は2人用よりも100g程度軽くなります。また、2人用テントの横幅は120cm程度ですが、1人用になると90cm程度となります。
登山用テントとキャンプ用テントの違いとは?

キャンプ用テントは快適性を重視している反面、雨や風に弱い物もあります。登山用テントは軽く、山での天候にも耐えられるように設計されています。登山用テントはポールの素材が強く、雨が降ってもしみ込みにくく、どんな状況でも設営しやすく工夫されています。
| タイトル | 登山用テントの例モンベル/ステラリッジテント1 | キャンプ用テントの例モンベル/クロノスドーム1 |
| 重量(1人用) | 約1.15kg | 約2kg |
| 価格 | 49,000円 | 22,500円 |
| 収納サイズ | コンパクト (本体サイズ29×13.5cm) | 大きい (本体サイズ34×16cm) |
| 対候性 | ・強風に耐えられる ・雪山でも使える | ・雪山では使えない (ベンチレーターが無いため) |
| 設営や撤収 | 風が強くても設営と撤収がしやすい | 難しいものもある |
キャンプ用テントは快適性を重視しているのに対し、登山用テントは機能性を重視しています。キャンプ用テントは種類が様々なので、登山で使えるかどうか見定めが難しいです。
【初心者必見】後悔しない登山用テントの選び方8つの基準

さまざまな種類のテントを使ってきた僕の経験談を踏まえて解説します。
構造:結露を防ぐ「ダブルウォール」が基本

テントにはシングルウォールとダブルウォールがあります。初心者はダブルウォールを選びましょう。シングルウォールは生地が1枚で、ダブルウォールは生地が2枚です。ダブルウォールは少し重たいですがメリットが多いです。
それぞれのメリットとデメリットは以下のとおりです。
| シングルウォール | ダブルウォール | |
|---|---|---|
| メリット | ・軽い ・設営が早い | ・結露しにくい ・前室がある ・外張りがオプションである(冬でも使いやすい) |
| デメリット | ・結露しやすい ・前室の無い物が多い | ・重い ・設営に時間がかかる |
軽量化重視のシングルウォールは結露がひどく初心者には不向きです。夏の高山などではシュラフが結露で濡れて、寒い夜を過ごす可能性もあります。ダブルウォールは結露しないというわけではないので注意が必要です。
サイズ:ソロ登山でも「2人用」を選ぶ



上の画像はモンベルのステラリッジの1人用と2人用の比較です。
1人用はマットを敷くとほとんど余裕がないです。2人用はマットを敷いてザックを置いても余裕があります。1人用テントのように寝袋がテントの内側に密着すると、雨が降ってなくても結露で寝袋は濡れるので注意してください。


雨が降ったり結露したりした時のことを考えると、数百グラム重くなっても2人用の方が圧倒的に快適です。収納サイズはそれほど変わりません。
ポール構造:吊り下げ式よりも「スリーブ式」がおすすめ


テントに縫い付けられた筒状の袋にポールを押し込んでいくスリーブ式と、組み立てたポールにプラスチックのフックを引っ掛ける吊り下げ式があります。スリーブ式が圧倒的におすすめです。理由は以下のとおりです。
| 吊り下げ式 | スリーブ式 | |
|---|---|---|
| メリット | 風に強い(テントの構造による) | ・テント設営時の移動距離が短い ・設営が早い |
| デメリット | ・テント設営時の移動距離が多い ・風に弱い(テントの構造による) | ・スリーブにポールが引っ掛かる ・撤収は遅い |
吊り下げ式でメリットを感じるには、テントの構造によります。例えばシングルウォールで吊り下げ式だと風に強くて良いと思います。ダブルウォールのテントだとスリーブ式のほうが圧倒的に使いやすいです。


吊り下げ式は片側のポールをアイレットに入れて、テントの反対側に移動してポールを起こす動作が必要です。スリーブ式+末端が袋とじのテントだと、スリーブにポールを入れて押し込むだけで立てられます。テントが飛ばされるリスクが下がり、設営も楽なので初心者におすすめです。
出入口の向き:長辺側と短辺側のメリット・デメリット


テントの出入り口は、長辺側か短辺側かで使い勝手が異なります。長辺側のほうが何かと使い勝手が良いです。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
| 長辺側に入り口 | 短辺側に入り口 | |
|---|---|---|
| メリット | ・出入りがしやすい ・前室が広い ・通気性が良い | ・風に強い ・軽量 ・狭い場所でも張りやすい |
| デメリット | ・風に弱い ・狭い場所で張りにくい | ・出入りがしにくい ・前室が狭い ・通気性が悪い |
1人で使うならどちらを選んでも問題ないですが、2人以上で使うなら長辺側がおすすめです。
設営タイプ:岩場でも安心の「自立式」一択

自立式とはペグダウンをしなくても使えるテントのことを言います。シングルウォールのテントの中には、ペグダウンが前提のモデルもあります。ペグが効かない岩稜帯のテン場では、初心者は非自立式テントを張るのは困難です。
岩があってもペグダウンしないと強度が確保できないこともあります。ペグは折れることもあるので初心者は自立式を選びましょう。
冬山でも使うなら:別売りで「外張り」がある点とを選ぶ


冬山でも使いたいならオプションで外張りのあるテントを選びましょう。テントの出入り口が吹き流し構造になっていると、テントの出入りの際に雪や風が入りこみにくいです。ジッパーが凍結などで壊れる心配もありません。
軽すぎるテントは選ばない
軽いテントは生地が薄く、ポールも細い傾向にあるので破れやすいです。初心者のうちは超軽量テントを使わないのが無難です。山でテントの応急処置ができるなら使っても良いでしょう。応急処置のために道具が増えるなら本末転倒な気もします。
また、生地が薄いと中が透けやすいので、夜テントの中で明りをともす際は注意が必要です。特に女性の着替えは注意した方が良いです。明りを暗くするなどで対策しましょう。
テントを軽くするためにレインフライの裾が短くなってるテントもあります。雨が降った際は前室やテント内が濡れやすいので注意してください。
海外製のテントは日本の気候に合ってない可能性がある

日本で使うなら日本の気候に合ったテントがおすすめです。海外製のメーカーのテントはメッシュが多かったり、フライシートが短いものが多いです。日本の山岳環境では使いにくいので注意しましょう。
僕はヨーロッパとオーストラリアでどちらも約20日間テント生活をした経験があります。空気が乾燥しているので濡れてもすぐに乾き、日本ほど雨が気になりませんでした。日本と海外では設計思想が異なる点に注意してください。
テントの詳細を見る
【アライ/エアライズ】汎用性と信頼性に優れる




日本の山岳テントの定番中の定番テントです。定番には定番なりの理由があります。最近の軽量テントの中では多少重いですが、その分生地が厚く、耐久性に優れます。山岳の気候が悪い時にこそ真価を発揮します。長年使用していますが、満足しています。



冬用の外張りや、前室を大きくする「DXフライ」、暑い時期に活躍する全面メッシュの「カヤライズ」など豊富なオプションが揃っています。エアライズは長年販売されていますが、テントのサイズなどの規格は変わっていないので、オプションを長く使い続けることができます。
グランドシートは使わなくても設営できますが、お好みに合わせて使いましょう。
【ファイントラック/カミナドーム2】最高峰の山岳テント




7デニールという極薄の生地を使用しながらも、強度が必要な個所にはダイニーマ(イザナス)を使用して山岳テントに必要な強度を保ったテントです。値段は高いですが使ってみるとその良さが良く分かります。

酷使しても安心感のある生地感です。冬でも夏でも結露が少ないです。テントが立てやすいスリーブ式ですが、末端は袋とじになっていません。生地が薄いのでポールが突き破らないように計算されているのだと思います。アイレットがシビアに作られているので、ポールを片側に入れてしまえば抜けにくいので設営しやすいです。


冬用に外張りと内張りがオプションで販売されています。快適に山で使用したい人はもちろん、過酷な登山をされる方にもおすすめです。
【モンベル/ステラリッジ2】入門におすすめ




コスパに優れた山岳テントです。軽量なので初心者でも安心です。生地はやや薄いので取り扱いには注意しましょう。前室が広い「エクステンドレインフライ」や「スノーフライ」といったオプションも充実しています。

古い型ですが長年愛用しています。初心者にはモンベルのステラリッジかアライのエアライズのどちらかがおすすめです。予算に余裕があるなら、オプションが多いエアライズがおすすめです。予算に限りがあるならモンベルのステラリッジがおすすめです。
ステラリッジは本体とレインフライが別売りな点に注意してください。
【プロモンテ/VL-29 4S】使いやすさと機能性に優れる




山でオールシーズン使えるをコンセプトにした山岳テントです。吸水率が低く、軽量性に優れたナイロン生地を使用することで軽量化しています。構造は吊り下げ式ですが、テント下部のみスリーブ式を採用しています。これによりテント設営時はポールが外れにくく、使用中も壊れにくいです。


外張りはオプションで販売されています。プロモンテはV8を使用していますが、設営がしやすくて気に入ってます。入り口がL字になっており、端を引き上げることで簡単に入り口が開くように工夫されています。
【ヘリテイジ/HI-REVO2】3シーズンで使いやすい




スリーブ式+末端が袋とじとなっているので設営が楽です。ポールが差し込みやすいようにテントの四隅は持ちやすいV字となっています。テント全面と背面のそれぞれベンチレーターがあり、レインフライのベンチレーターを開放することで効率よく換気できます。

雨の際はショックコードを引っ張って、レインフライの張り具合を簡単に調整できます。雨の日はレインフライを張って、インナーとの空間を広げると良いです。外張りのオプション販売は無いので、スリーシーズン用テントとなります。
【アライ/SLドーム】超軽量テントを選ぶなら




日本の山岳環境に適した超軽量テントです。インナーテントとフライの生地は「エアライズ」と同じものが使われていますが、生地がかなり薄くなっています。ボトムの生地も軽量さを優先したものが使われており、付属のアンダーシートとの併用が前提となっています。
エアライズのオプションは使用できません。なので外張は無く、冬を除く3シーズンテントとなります。超軽量テントは初心者にはおすすめできませんが「それでも軽いテントが良い」という方にはおすすめです。
【プロモンテ/VB-23Z 4S】防水・透湿性に優れたシングルウォール





全面にeVentを使用したテントです。eVentは防水のコンプレッションサック(中の空気がeVentから排出されて荷物を圧縮する袋)に使われているほど、透湿性と防水性に優れた素材です。防水性は21,000mm、透湿性は29,000mmと非常に高いです。
前モデルは3シーズンテントでしたが、2026年度モデルからは生地の強度が上がり、透湿性も高くなったことから4シーズン使えるテントとなりました。
楽天市場かYahooにて購入可能です。
【必読】テントを長持ちさせるためのメンテナンス術
テントを使う上で知っておいた方がよい知識について解説します。
ポールの劣化防止のために、真ん中から折りたたむ



ポールの中に使われているゴムの劣化を防ぐため、真ん中から折りたたみましょう。端から順に折りたたむと、中のゴムが引っ張られて劣化が早くなります。真ん中を降り、さらに真ん中を折るを繰り返して収納しましょう。
フットプリントを敷いて穴あきを防ぐ
生地が薄いテントや下地が悪い場合、汚れが気になる場合はフットプリントを使いましょう。底の生地が厚いテントはフットプリントを無理に使う必要はありません。
アライテントではSLドーム以外はフットプリントを使用せず使えると記載があります。僕自身長年エアライズを使ってますが、フットプリントはほぼ使ってません。
防水コーティングはどうしても劣化する


シームテープ(縫い目に張られた防水テープ)は3~5年で劣化します。空気中の水分を吸湿して劣化するので防げません。劣化したシームテープは、剥がして張り直す方法もあります。
どんなに水漏れ対策をしても、人の皮膚や呼吸から水蒸気が出るのでテントの中は結露が発生します。「絶対に濡らさない」と考えるよりも「濡れても良いようにする」方が大事なのではと個人的には考えています。
山岳テント選びでよくある質問(Q&A)
よくある質問についてお答えいたします。
Q.初めてのテント泊、設営の練習は必要?
絶対に必要です。1人で立てられるようになりましょう。常に風が吹いていると想像しながらテントの設営練習をしてください。
Q.軽量なテントは風に弱くないですか?

登山メーカーのテントなら、ちゃんと設営していれば風には強いです。ただし、テント内に何も入ってない状態で放置すると風に飛ばされます。テントを設営したらすぐにザックを中に入れるなどして、風に飛ばされないようにしてください。
Q.冬山(雪山)でも同じテントは使えますか?


外張りのオプションがあって、ベンチレーションのあるテントを使ってください。冬は生地に発生した結露が凍ったり、雪にテントが埋もれることで、テント内の酸素濃度が低くなる可能性があります。冬は寒くても常にベンチレーションを空けて換気を心掛けてください。
Q.ポールを差し込む穴(アイレット)が二つある理由は?

基本的にはどちらに刺しても問題ありませんが、外側がおすすめです。雨の時は内側に刺してテントの張りを強くすると結露を抑えられます。冬は生地が硬くなるので外側に刺す方が楽です。テントの生地は使い続けることで伸びる可能性があるので、基本的には外側が良いです。









登山用テントの例
キャンプ用テントの例