【元登山ガイド解説】テント泊向けザックのおすすめと選び方|背負い方や調整方法も解説
- 初めてのテント泊で不安
- 荷物も重いし、距離も長くて歩けるか不安
- 重い荷物を安心して長時間担げるザックが欲しい
テント泊向けのザックは容量が多いだけだと思っている方は多いです。重い荷物を担ぐテント泊では、適切なザックを選ばないと途中でバテます。テント泊向けザックは、荷物の重たさを体に分散させて担げるように出来ているので、体への負担を少なくできます。
この記事では、おすすめのテント泊向けザックと、なぜ荷物を軽く感じられるのかを解説します。サイズが合っているかどうかの調べ方も解説します。この記事を読むと満足のいくテント泊向けザックを選べます。
この記事の結論は以下の4点です。
- 背面長が合っていることが大前提
- ザックの加重配分は腰7割、肩3割
- フレームがあるから肩から腰にかけて加重を分散
- 軽いザックよりも「背負って軽く感じられるザック」を選ぶ
僕のおすすめは以下の3点です。
多くの日本人に合いやすいサイズのザックです。体全体に吸い付くような背負い心地が特徴です。荷物が軽くても重くても快適に担げるように設計してあります。背負ってみたり、使ってみると多くの人が使用している理由が分かるはずです。女性用の名前はエーリエルです。
重い荷物を担ぐ方におすすめなのはグレゴリーのバルトロです。「20kgの荷物を軽く担げる」をコンセプトに作られています。バックパック界のロールスロイスと称されるほど、その背負い心地と品質の良さには定評があります。女性用の名前はディバです。
質実剛健。圧倒的な強度の高さと耐水性を持ったバックパックです。通常のザックのように経年劣化によって内側がボロボロ剥がれる事がありません。アズテック素材は水を吸うと繊維が膨張して生地の隙間を塞ぎ、水の侵入を防ぎます。何世代にも渡って使えるザックですが、小柄な方はサイズに注意が必要です。
おすすめのテント泊向けザック6選
いざという時に自分の命を守ってくれるレインウェアを厳選したのでご紹介します。
オスプレー/イーサー65 | オスプレー/エーリエル65 | グレゴリー/バルトロ65 | グレゴリー/ディヴァ60 | ドイター/エアコンタクトコア60+10 | ドイター/エアコンタクトコア60+10SL | カリマー/クーガーエイペックス60 | カリマー/クーガーエイペックスG60 | ミレー/サースフェーNX60 | ミレー/サースフェーNX50 | ノースフェイス/ミュアー60 | マックパック/カスケード65 | |
| サイズ感 | 男性向け | 女性向け | 男性向け | 女性向け | 男性向け | 女性向け | 男性向け | 女性向け | 男性向け | 女性向け | ユニセックス | ユニセックス |
| サイズ展開 | 55L 65L 70L 85L 100L | 55L 65L 70L 85L | 65L 75L 85L | 60L 70L 80L | 55+10L 60+10L 70+10L | 55+10L 65+10L | 60L 70L | 60L | 50L 60L 75L | 50L 60L | 60L | 65L 75L |
| 重量 | 2.23kg/65L | 2.20kg/65L | 2.14kg/65L | 2.01kg/60L | 2.36kg/60L | 2.36kg/65L | 2.26kg/60L | 2.17kg/60L | 2.40kg/60L | 2.33kg/60L | 2.04kg/60L | 2.62kg/60L |
| 背面長調整 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
| ウエスト調整 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 無し | 無し | 無し | 無し | 無し | 無し | 無し | 無し |
| ポイント | ・二気室構造 ・大型フロントジッパーでアクセス | ・イーサーの女性向けバージョン | ・ハイドレーションポケットがデイバックになる ・二気室構造 ・大型フロントジッパーでアクセス | ・バルトロの女性向けバージョン | ・背面の通気性が良い ・二気室構造 ・大型フロントジッパーでアクセス | ・エアコンタクトコアの女性向けバージョン | ・背負ったまま背面の調整可能 ・二気室構造 ・大型フロントジッパーでアクセス | ・クーガーエイペックスの女性向けバージョン | ・15~20L拡張可能 ・二気室構造 ・大型フロントジッパーでアクセス | ・サースフェーの女性向けバージョン | ・二気室構造 ・サイドジッパーでアクセス | ・シンプルで堅牢 ・雨で濡れると防水性が高くなるアズテック使用 |
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どのメーカーも男性向けサイズと女性向けサイズの展開があります。多くのメーカーでは男性向けと女性向けで名前が分かれています。名前が違うだけで性能や機能は変わりません。女性用はショルダーハーネスがバストに干渉しにくくなっています。
海外製のザックは海外サイズで作られているので、特に小柄な方は注意が必要です。小柄な方にはオスプレーが合いやすい印象です。
テント泊に必要なザックの容量は?

夏の縦走で使う場合、テントと寝袋を山岳用の物を使うなら60Lで足ります。安価でかさばるテントや寝袋を使われる場合は70Lの大きいザックが良いです。大きいザックを買うと荷物が入るからと不要な物まで入れてしまうのは初心者あるあるです。荷物を軽くするためにもテントとシュラフは良いものを購入しましょう。
雪山や寒い時期でも使うなら容量は+10L必要です。容量の拡張がしやすいザックを選んでおくと無難です。
容量の表記はメーカーによって異なる

容量の測定方法は決まった方式はありません。
本来50Lの容量しかないのに、70Lと販売すれば安く見えるので、あえてそう売っているザックもあります。Amazonなどで売っている「値段の割に安い」ザックには注意が必要です。
テント泊向けザックの選び方とフィッティング
選び方とフィッティング方法について解説します。
【背面長】自分の背面サイズに調整できる物


自身の背中の長さと、ザックの背面の長さ(背面長)が合っているかどうかは、テント泊向けザックで一番重要なポイントです。背面長が合っていないと、荷物を軽く担ぐことはできません。背面長は腰ベルト・ショルダーハーネスの適正位置に関係するので詳しく解説します。



上の写真は、赤線がおへその位置、緑線が骨盤の一番出っ張った部分を指します。
背面長が適切だと、ヒップベルトが適切な位置にきます。ヒップベルトのバックルがおへその約2cm下辺りになり、腰骨の一番出っ張った部分がヒップベルトのパッドの真ん中辺りになると適切です。また、ショルダーハーネスも自然と肩に沿います。
ヒップベルトを基準にして背面長を決めます。ショルダーハーネスの付け根が肩甲骨と同じぐらいの高さが適切です。
【ヒップベルト】自分の腰サイズに調整できる物


ザックの重みを腰で70%、ショルダーハーネスで30%に分散して担ぐと一番疲れにくいです。ヒップベルトが自身の腰のサイズに合ってないと荷物を楽に担げません。



ヒップベルトを適切な位置で締めこんだ際に、左右のパッドの間が10~15cm空いた状態が適切なサイズ感です。ヒップベルトが大きすぎたり、小さすぎると腰で荷物を担げません。
小柄な女性はヒップベルトを目一杯に締めこんでようやく腰で荷物を背負える状態になる方が多いです。小柄な方は店頭で様々なザックを担いで確認しましょう。
【フレームの有無】荷物が重くても快適に担げる秘密

重たい荷物を担ぐザックほど、背面にフレームがあるメリットが大きいです。具体的には以下のとおりです。
- 重量の分散
- 荷物を肩と腰だけで担ぐのではなく、フレームによって重量を背中にも分散します。
- 安定性の向上
- 荷物が少なくてもザック全体の形を保ちます。また、荷物の重心のブレがあってもザックが左右に振られるのを軽減します。
フレームがあることで、荷物を軽く担ぐことができ、長時間の縦走でも安定して歩けます。ザック自体の重量は増えますが「重い荷物を軽く担ぐため」に必要な機能です。
【二気室】バランスよくパッキングできる

二気室構造とは、ザックの底部だけメインの気室と分けられている構造のことを言います。完全に分けられている物もあれば、ジッパーやボタンで仕切りを作っている物もあります。二気室だと、シュラフなどの軽くてかさばるものをザック底部に簡単にパッキングできます。
レインウェアもザック底部にパッキングしておくと急な雨に対応しやすいです。
【フロントジッパー】

テント場でのパッキングやテント設営などに大活躍です。ザックのどこに荷物を入れたか分からない場合に、荷物を一つづつ出す必要がありません。荷物を取り出して置いておくと風に飛ばされるリスクもあります。パッキングに慣れてない人にこそ欲しい機能です。
【軽い】快適さに必要な機能を削っているから軽い
ザックだけに限らず、テントも軽いものが販売されています。テントもザックも素材を変えたぐらいでは大きな重量の変化はありません。素材の厚みを薄くして耐久性を下げるか、フレームを無くすなど機能を排除することで軽くしています。
「ザックを軽くして荷物を重く担ぐ」か「多少重たいザックで荷物を軽く担ぐ」かの違いです。
【詳細を見る】おすすめテント泊向けザック
おすすめのテント泊用ザックの詳細を見てみます。
オスプレー/イーサー65、エーリエル65
1~3泊のテント泊に対応できるサイズ感です。僕の経験ではオスプレーは日本人の体形に合いやすく、多くの方におすすめです。メイン気室へは大型のフロントジッパーからアクセスできます。ボトム側は仕切りを外して大きな1気室にして使えます。レインカバーが付属です。




女性用としてエーリエルが販売されています。サイズ感と名前が違うだけで、それ以外はイーサーと同じです。
グレゴリー/バルトロ65、ディバ60
バックパック界のロールスロイスと称されたグレゴリーの作る大型ザックです。ザックは「背負うのではなく着る」をコンセプトに作られています。その背負い心地の良さからロールスロイスと言われています。
背負いやすさに定評のあるグレゴリーの中でも「20kgの荷物を軽く担げる」をコンセプトに作られたのが、バルトロとディバです。




女性用はディバです。
ドイター/エアコンタクトコア60、エアコンタクト60SL
シンプルな見た目とは裏腹に、便利な機能がつまったザックです。オスプレーやグレゴリーが「柔らかく包み込む」背負い心地に対し、エアコンタクトコアはわざとパットを固めに作り、背面に物理的に空間を生ませることで通気性を高めています。
荷物が入りきらない場合は、雨蓋を伸ばして容量を10L増やすことが可能です。




女性用はエアコンタクトSLです。ガイド42+6SLでテント泊している方もいるので、55+10で十分かと思います。
カリマー/クーガーエイペックス60、エイペックスG60
2019年以降、カリマーは日本が商品企画をしているので、多くの日本人の体形に合いやすいです。クーガーエイペックスは「背面長を背負ったまま調整できる」ように作られているので、調整が苦手な人でも自分好みの場所を探し当てられます。
当時はクーガーでしたが、僕も10年ほど前に背負っていました。今も実家の押し入れの中に眠っているはずです。クッションは固めに作られているので、好き嫌いが分かれるかもしれません。




女性用はクーガーエイペックスGです。
ミレー/サースフェーNX60
通常のザックは裏地にポリウレタンコーティングを施していますが、サースフェーは繊維にシリコンを浸透させています。ポリウレタンコーティングは経年劣化し、ザックの裏側でポロポロ落ちますが、シリコンは劣化しません。
シリコンは生地の強度を上げ、撥水効果が長持ちするというメリットがあります。ただし縫い目は防水処置ができません。サースフェーは縫い目を極力減らすことで、ザックの強度と撥水性を高めています。
ショルダーのメッシュポケットやヒップベルトの拡張ポケットなどの装備も人気です。




女性用も男性用と名前が同じです。サイズがUだと女性用です。サイズSは日本のM相当で、男性用となります。容量は15~20L拡張可能なので、女性用は50Lでちょうどよいと思います。
ノースフェイス/ミュアー60
日本人の体形に合わせて作られたザックです。足上げがしやすいヒップベルトに、強度が高い「Spectra リップストップナイロン」を採用しており、岩がごつごつした日本の山岳環境に合っています。
水筒を収納できるショルダーのメッシュポケットなどの便利機能も豊富です。




女性用はWMサイズをお選びください。
マックパック/カスケード65
28kgの重量に対応する堅牢なリベレイターハーネスを採用。生地は840Dと極厚のアズテックを採用。アズテック生地はポリエステルとコットンの混紡糸に、特殊なワックスと樹脂を繊維に浸透させた独自素材です。雨に濡れるとコットンが膨張して生地の隙間を物理的に塞ぎ、水の侵入を防ぎます。
劣化せず、岩を物ともしない強靭な生地です。ザック全体をシンプルに作ることで破損リスクを極限まで減らしています。他のザックよりも重いですが、堅牢で何世代も使えます。




女性用の展開はありません。W1、W2は女性用サイズです。1~3サイズはユニセックスサイズとなります。
背面長の図り方
背面長の測り方です。背面長は適切でも、ザックによって全体のサイズ感は異なるので、体に合っているかどうかが重要です。
雪山でもテント泊ザックは使える?
今回ご紹介したザックは雪山で使えます。ピッケルを装着するための基本装備は揃っています。スノーシューなどは外付けにて対応可能です。
背面のメッシュ部などに雪が入りやすいデメリットがあります。雪が入り込むとザックが重くなったり、担いだり時に冷たいなどのちょっとした使いにくさが出てきます。
雪山で使うならデメリットを認識して対策をしつつ使用しましょう。
雨対策のアイテムもチェックする
防水対策はビニール袋でもかまいません。ただし、ビニール袋は耐久性が低く、パッキングもしにくいです。登山用の防水ドライサックは耐久性も高く、安心して使い続けられます。
防水袋はISUKAのウェザーテックインナーバッグが安くて使いやすいです。サイズも様々ありますのでチェックしてみてください。
寝袋の防水にはこちらがおすすめです。縦方向のコンプレッションは荷物は小さくなりますがパッキングしにくいです。オクトスのコンプレッションは横方向なのでパッキングがしやすいです。中の空気も抜きやすい構造です。
薄すぎず、厚すぎない70Dの生地を使った防水ドライバッグです。耐久性を重視する方におすすめです。
まとめ
初めてのテント泊。距離も長いし荷物も重くて不安になる方は多いです。荷物が重くなるからと、軽さだけでザックを選ぶと途中で後悔するかもしれません。ザックがある程度重たいのには理由があります。
ザックを選ぶ際は背面長と全体のサイズ感が自分に合っているかどうかが重要です。残念ながら、お店にもサイズ調整の仕方を知らない方もいます。先日初めてのテント泊の方のお世話をした際に「店頭で買ってサイズ調整してもらったにも関わらず、明らかにサイズ調整ができてなかった」ザックを拝見しました。お店の方が悪いとかではなく、自分で適切なサイズと調整方法を知っておいた方が色々と良いと思います。












