クライミングレポ
PR

【御在所岳】中尾根クライミング|初めてでも安心!アプローチ、トポ、下山路

岩と沢さん
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

三重県、御在所岳の中尾根は、短いながらもやや厳しめなマルチピッチクライミングのルートです。Ⅴ級前後の5~6ピッチのマルチです。前尾根と比べると全体的に難しく、初心者から中級者へのステップアップに丁度良いルートだと思います。

この記事では、初めて中尾根に行く人のために、詳細なアプローチ、ルート、下山路を写真付きで解説しています。コースタイムやトポ図のあるサイトもご紹介しています。

この記事を読むことで、初めて中尾根に挑戦する方でも、安心して取り付くことができます。

岩と沢さん
岩と沢さん
この記事を書いた人
Profile
■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
WEBライターとしても活躍しています。
プロフィールを読む

岩場の概要

トポ図

ふわく山の会さんのHPを参考にさせて頂きました。

こちらのサイトでトポを見れます。(前尾根P6の①と②はⅥ級となっていますが、正しくはⅣ級です)

駐車場

蒼滝大橋を過ぎてトンネルの手前に4台ほど停めれます。手前にも10台程度停めれるスペースがあります。

コースタイム

【7:00】藤内小屋出発→ 【7:30】テスト岩→ (取り付きまで迷う) →【8:30】中尾根P4取り付き→ 【9:30】P2取り付き→ 【10:10】P3取り付き→ 【11:30】おにぎり岩終了点→ 【12:30】おにぎり岩から下山開始→ 【14:20】藤内小屋着

9月初旬に登ったのですが、中尾根は陰になりやすく、思っていたよりも快適に登れました。その代わり?クラック内はどこもじめっと湿っている感じでした。人数も多かったのでかなりゆっくり登りました。帰る日だったので、P1へは登らずに帰りました。

持っていったギア

  • ダブルロープ60m
  • カム0.3~5番(0.5~4番は2セット)
  • ヌンチャク、アルパインヌンチャクを1人合計8個
  • スリング類(120cm、240cmを1人1セットづつ)
  • クラックグローブ(あったほうが良いです)
  • セルフビレイコード
  • アプローチシューズ
  • アタックザック(25L前後)

持っていったギアは上のリストの通りです。小さめのカムはP3の登りで使うので必要です。前尾根よりも難易度は高めなので、カムは2セットあったほうが安心だと思います。懸垂下降では60mダブルロープを使いました。ピッチを切るなら50mでも降りれるかも?

藤内小屋での宿泊

藤内小屋にお世話になりました。週末のみの営業のようですが、平日でも事前に電話することで、対応して頂けるとの事です。ビールやジュース、簡単なおつまみが売ってあります。トイレはチップで誰でも使えます。(ビール350mlで350円。500mlで500円です)

一泊2食付き、お風呂も込めて6100円でした。アルプスの山小屋と比べるとはるかに安いです!山小屋のご主人やスタッフの方は皆様とても親切な方で、本当に楽しかったです。普段は節約のためテント泊ばかりですが、ここは来訪時必ず利用したいです。

料理も美味しく、超快適でした!お風呂にも入れます。

藤内小屋から中尾根へのアプローチ

藤内小屋のトイレ横を通ります。裏道登山道と呼ばれるコースを行きます。

すぐに、前尾根が見えます。正面の独立した尾根が前尾根です。左に見える壁は中尾根や藤内壁などです。

裏道登山道を道なりに進むと、上図の看板が出てきます。藤内小屋からここまで25分程度です。ここから裏道登山道を外れ、藤内壁方面へ行きます。

テスト岩手前の、フィックスロープのある沢?を登ります。目の前に中尾根バットレスなどの藤内壁が現れます。赤の矢印のように登ります。

一の壁の前を歩いて、第一ルンゼ方面へ行きます。

第一ルンゼの右俣を詰めます。右手の草木がしげった尾根を登ります。ルンゼを詰めてもいけますが、右の尾根を忠実に登ったほうが分かりやすいと思います。

尾根を登っていくと、ボルダーチックな岩があります。岩を登るか、右手奥の藪から登れます。ここを登ると、更に踏み後にそって尾根沿いを登ります。正面にモンキーフェイスが見えます。

尾根を忠実に登ったら、右と左に道が分かれます。ここを右に降り、上の写真のような場所に来ます。

チョックストーンを登ります。結構怖いです。

チョックストーンを登れば、すぐに中尾根の1ピッチ目となります。

中尾根クライミング

今回僕たちが選んだルートは、P2のおにぎり岩頂上までで、短いピッチも含めて6ピッチでした。ルートは一番メジャーなルートだと思います。

P4の下部 Ⅴ級

中盤の、クラックが広くなったあたりが核心です。5番のカムを最初のほうで使うと安心できます。上部のチムニーは1番前後のカムがバチ効きで、大きめのカムは使いませんでした。チムニーまでいくとガバだらけなので簡単です。

なかなか面白いルートでした。

P4の上部 Ⅳぐらい?

最初の出だしが少し難しいかも。ハーケンがあるのでA0だと簡単に登れると思います。その上のチムニーは、少し登りづらいですがカムも決まるので安心して登れます。岩の上まで登るとすぐに終了点があります。この終了点で一度ピッチを切って、右手に歩いて降ってP3の取り付きまで行きます。

これはP3を登ったところから撮った写真です。赤い矢印のように、P4からP3の取り付きに歩いて降りましょう。

P3 Ⅴ級

個人的に中尾根で一番気持ち悪かったピッチです。クラック内はじめじめしているし、下部は小さいカムしか決まりません。中部ぐらいから、2番~5番程度のサイズを使用します。中部の広くなってくるあたりが核心で、ホールドと足も乏しくなります。

ボルトはありませんでした。写真を見ての通り、カムを適時セットして登ります。

上図の場所で一度ピッチを切ります。あとは赤の点線のように岩をくぐると、すぐに懸垂の支点があります。ロープの流れなどのことを考えると、一度ピッチを切っておいた方が良いと思います。

岩をくぐって懸垂下降の支点へ。落石注意。

上図はP2の登りからとったものです。赤い丸に懸垂支点があるので、そこから懸垂してP3とP2の鞍部へと降ります。懸垂距離は15m程度です。

写真から見て、鞍部を→に降りると、1ルンゼ右俣に行けるとトポに記載してあります。今回僕たちは←に行ったので確かではありません。

P2下部 5.10b(アブミ使用)

クラシック大好きな自分としては、本日のお目当てがこちら。ボルトにアブミをかけて、カチを両手でもってバランシーに壁に立ちこみます。立ちこみもバランシーです。時間をかけてしまうとパンプしてしまうので、素早く思い切って登りたい。

次のボルトまでは近いですが、アブミから岩に立ちこんだ後にフォールしてしまうと、ビレイヤーとの体重差がある場合、グラウンドフォールしそうで怖いです。

2つ目のボルトから、細かいスタンスに体重をのせて右のクラックを取りに行きます。クラックはガバですが、遠いのできつい。A0して無理やり取りに行きました。クラックに0.5前後のカムを決めて、あとはクラック通りに登ります。写真のところまで来るとガバだらけなので難しくは無いと思います。最初のアブミでパンプしてるときついかも。

あとは比較的簡単なフェースとスラブを登って、写真の位置まで登ります。簡単ですが、多少ランナウトするので緊張します。

P2上部 Ⅳ?級

簡単そうに見えますが、ポイントでなかなか登りごたえのあるピッチです。正面に見えるボルトを使って左に行きます。A0で行きましたが、フリーでも行けるのかな・・・

その後、カムを決めて大岩を右に回り込みますが、大岩にはクラックが横に走っています。ロープの流れが適切でないと、このクラックにロープが入り込んでスタックするので注意が必要です。大岩を回り込むんだ後にボルトが二つあるので、ここでピッチを切っても良いかも。

上図は、大岩を回り込んで、ボルトが2つあるところの上部です。ボルトが連打してあり、フィンガーサイズのクラックを頼りにのぼります。セカンドなのでフリーで頑張りましたが、結局難しくA0で登りました。A0なら簡単に登れます。あとは、左に回り込むと終了点があります。

P2からの懸垂

ここからP1側に懸垂をして、P1を登ることもできるようです。僕たちは、帰りの事を考えてここで降りることに。P3とP2の鞍部に降りたら、←方向に30mほど歩くと、古い懸垂支点があります。ここで更に懸垂。

ちょろちょろと水が流れる大きな滝の横を懸垂します。このまま下まで懸垂できそうですが、取り付きに荷物をデポしていたので回収する必要があります。

藪の中にスリングが残置してありました。ここを登って、トラバースしながらそれっぽい藪の中を歩くと、取り付きに戻ることができました。あとは来た道を歩いて降りるだけです。

温泉

アグアイグニスへ寄りました。日帰り湯で800円です。この辺りにしては安いようです。パン屋やオシャレなお店が併設してある、オシャレな温泉でした。温泉からの景色が最高でした!

まとめ

御在所岳の中尾根は非常に面白いルートでした。前尾根と比べると、ワンランク難易度アップのマルチピッチだという印象です。ぜひともまた訪れたいですね!

前尾根に行くならカムは必須装備です。
マルチピッチで失敗しないカラビナを選びましょう。

ではまた!

この記事を書いた人
岩と沢さん
岩と沢さん
この記事を書いた人
■JSPO山岳コーチ1
■元登山ガイドステージⅡ
■元登山用品店のショップ店員だった僕。
山に登る事と、新しいギアを山で試すことが好きです。
WEBライターとしても活躍しています。
記事URLをコピーしました