【鳥取県・大山】弥山尾根の西陵|詳細写真多め&概念図付き

鳥取県大山の弥山尾根には西稜と東稜があります。西陵のほうがブッシュが多くて支点が取りやすく、傾斜も緩いので簡単です。北壁のバリエーションルートの中では、八合尾根に続く入門的な位置づけです。
雪質によって難易度が変わる点に注意が必要です。降雪直後や、雪が締まっていない時は難易度が上がります。まとまった降雪がなく、トレースがあり、雪が締まっているほど簡単です。
元谷避難小屋9:50→西陵取り付き1050(ここまでトレースあり)3ピッチ目1120(ここからトレース無し)→ナイフリッジ1130→ブッシュ終了点1150→弥山山頂1230
スノーバー、60mダブルロープ1本、スノーアンカー、スリング、アルパインヌンチャク(今回はロープ使用せず)
北壁概念図トポ


細かいところは間違っているかもしれませんので、参考程度にお願いします。大山観光局のこちらの概念図も非常にわかりやすいのでおすすめです。
駐車場とトイレ
大神山神社奥宮まで参道を上がり、元谷へ行きます。車は南光河原駐車場か、県営駐車場に停めましょう。どちらも料金とアプローチ時間に大きな差はありません。詳しくはこちら
トイレは、南光河原駐車場のトイレが便利です。
アプローチ

元谷避難小屋から樹林帯に沿うように北壁へ向かいます。弥山沢からの雪崩に注意が必要です。

途中で沢を横切り、一段高くなった薄い樹林帯を登ります。薄い樹林帯を抜け、弥山西陵の取り付きまでは斜度が急なうえ、足場も広くはないため、樹林帯でギアやロープの準備をすると良いです。

西陵までの急斜面を登り、尾根の途中か尾根に登ります。

一段上がったところがテラスになってます。スタカットで登るならここからで、ブッシュを支点に使いながら急斜面を登ります。
今回はロープを使用してませんが、便宜上「ピッチを切るならこの辺りかな」で表記します。
1ピッチ目

尾根の側面を沿うように、樹木の間を登ります。斜度は緩いです。ロープを伸ばして、適当なブッシュで支点を作ります。

2ピッチ目

引き続き、尾根の側面を登ります。トラバースしながら登ります。1ピッチ目よりもすこし斜度が出てきます。ブッシュがあるので支点が取れます。

ようやく明瞭な尾根に上がりますが、終了点は作りにくいです。スノーバーなどがあると安心です。上の写真の先頭の方が登られているところあたりから、急斜面になります。
3ピッチ目

尾根上を登ります。斜度が一番きつくなる、核心ピッチだと思います。ブッシュも細くなるので、支点を取る際は雪を掘って太いブッシュを探した方が良いです。ナイフリッジのような尾根に上がると、脆い岩が多くなるので注意が必要です。
ブッシュは無いので、スノーバーなどがあると安心です。
4ピッチ目

目の前の斜面を登ります。ここはよく凍りやすいポイントです。上部に行くと比較的太いブッシュがあります。ブッシュが増えてきたところで、ブッシュの中を進むか、右手に回り込んで急斜面を登るかになります。支点は取りやすいです。


斜度が少し落ち着いたところでピッチを切ります。
5ピッチ目〜山頂(緩い斜面の長い歩き)

ここからは山頂に向かって緩い斜面が200mほど続きます。支点も取りにくいので、ロープを外しても良いかもしれません。尾根上を歩くか、沢の中を歩くか、その時の雪の状態によって変わると思います。

山頂付近に到達すると、弥山山頂に居る登山者たちが見えてきます。

最後まで気を抜くことなく歩くと稜線上に出ます。
まとめ
弥山西陵は入門的なルートですが、難易度は雪質によります。雪質が軽いほど、支点が取りにくく、登りにくいので難しいです。
アイスクライミング用のピッケルよりも、縦走用の少し長くてあんまりベントしてないピッケルの方が登りやすいと思います。ダブルアックスも必要なく、片方は素手のほうが登りやすい場合もあります。
ギアは120cmのスリングをメインにして、念の為にスノーバーやスノーアンカーがあると安心です。ビーコン、スコップ、ゾンデ棒はもちろんのこと、ビバーク用道具は必携です。
