【鳥取県・大山】別山バットレス中央陵|詳細写真多め&概念図付き

岩と沢さん
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鳥取県大山の別山は、北壁の中でも独立した形をもっています。別山は左の尾根から、幻のカンテ、別山バットレス中央陵、別山右尾根とありますが、中央陵が最も一般的です。

中央陵の上部は積み木のような浮石が非常に多いので注意が必要です。上にいるパーティによる落石に注意しましょう。過去には頭のサイズの岩が落ちていくのを見たことがあります。雪が多く、よく締まっている状態のほうが安全だと思います。

雪質によって難易度が変わります。降雪直後や、雪が締まっていない時は難易度が上がります。まとまった降雪がなく、トレースがあり、雪が締まっているほど簡単です。

ルートタイム

元谷避難小屋5:35→別山中央陵の手前(ここまでトレース有ったり無かったり)→中央陵の尾根の末端0730(ここからトレース有り)→別山中央陵取り付き810(ロープ装着)→別山山頂1020→ナイフリッジ→大山9合目1120

使用したギア

スノーバー、60mダブルロープ1本、スリング、アルパインヌンチャク、イボイノシシ×2

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北壁概念図トポ

細かいところは間違っているかもしれませんので、参考程度にお願いします。大山観光局のこちらの概念図も非常にわかりやすいのでおすすめです。

駐車場とトイレ

大神山神社奥宮まで参道を上がり、元谷へ行きます。車は南光河原駐車場か、県営駐車場に停めましょう。どちらも料金とアプローチ時間に大きな差はありません。詳しくはこちら

南光河原駐車場のトイレが便利です。

アプローチ

元谷避難小屋から樹林帯に沿うように北壁へ向かいます。弥山沢からの雪崩に注意が必要です。途中で沢を横切り、一段高くなった薄い樹林帯を登ります。薄い樹林帯を抜け、弥山西陵の取り付き付近から、弥山沢を横切り別山方面へとトラバースします。

元谷避難小屋から樹林帯に沿うように行っても良いと思います。いずれにせよ、雪崩には注意が必要です。

取り付きまで

別山中央陵の末端付近から、左手の谷の急斜面を登ります。ここも雪崩に注意すべき箇所なので、なるべく尾根に近いところを登ります。

雪が締まっていれば、このまま取り付きまで谷を登れます。今回は谷の途中から別山の末端付近の尾根に上がりました。ここからトレースがあり、快適でした。

別山中央陵の末端尾根

ブッシュのある急斜面を数メートル登ります。ブッシュがあるので安心できます。

その後斜度が緩み、簡単なナイフリッジを歩きます。

再び急斜面を登ります。ブッシュが細くなります。数メートルの急斜面を登ります。

難しくないナイフリッジが続きます。50mほど歩くと、目の前に別山中央陵が見えます。上の写真の赤丸にリングボルトと残置スリングがあるので、ここでロープを装着しました。

1ピッチ目

別山中央陵の取り付きには、リングボルトと古い残置スリングがあります。とりあえずこれを使い、左の岩場か右の雪稜を登ります。今回は左の岩場を登りました。

左の岩場を登り、支点を取って振り返ったところ。

数メートル登り、ブッシュで支点を取ったらあとは簡単な雪稜の登りです。

岩場を越えると、簡単な雪稜が続く

大きな岩にハーケンやリングボルト、残置スリングがあります。

2ピッチ目

右の急な雪稜か、左の岩場を登ります。今回は右手の雪稜を選択しました。支点は取りにくく、雪質によっては難しいと思います。左の岩場のほうが簡単かもしれません。細いブッシュで支点を取りつつ、草付きと岩場のミックスを登ります。しっかり雪が締まっていれば快適です。

中間の岩場には、ハーケンが一つあります。ほぼ垂直に近い岩場をクライミングです。岩が脆い可能性があるので、十分な注意が必要です。

再びミックスとなり、細いブッシュで支点を取りながら数メートル登ると、岩にリングボルトがあるので、ここでピッチを切ります。(今回はリングボルトを見つけられず、3ピッチ目の途中でピッチを切りました)

過去の写真ですが、ここにリングボルトがあります。今回は雪に埋もれて分かりませんでした。

3ピッチ目

いよいよ上部岩壁です。ここは雪の量によってルートが変わります。今回は左手のチムニー形状のルートを登りました。チムニーの手前にハーケンがあります。

チムニーは垂直な岩場で、浮石も多く緊張します。イボイノシシで支点を補強し、思い切って登ると斜度が落ち着き、気持ちの良い雪稜になります。

あとは別山山頂まで快適な登りですが、雪稜のため終了点は作りにくいです。過去にはブッシュでとったり、スノーバーで作ったりしました。今回は親指ほどの根っこを掘り返し使いました。

別山山頂〜ナイフリッジ〜大山9合目

別山山頂に到着です!

ナイフリッジは雪の状態によって大きく難易度が変わります。ナイフリッジを渡る手前に残置スリングなどありますが、雪に埋もれています。今回は雪の状態がよくトレースもあったので、ロープを外してトラバースしました。

あとは簡単な雪稜を登ります。過去にはこの登りの斜面に大きなクラックもあったので、やはり雪崩には常に注意が必要です。

9合目付近にひょっこり出れば、山頂まではすぐです。

まとめ

別山中央陵は大山の北壁の中でも、ミックスが楽しめるルートです。難易度は雪の量や質によります。しっかりとした岩は少なく、浮き石がとても多いです。リングボルトやハーケンなどの残置はどれも古く、本当に墜落を止められるかはわかりません。このルートは、リスクヘッジが重要だと思います。

斜度は全体的に急ですが、草付きも多く、雪がよく締まっていれば快適なミックスを楽しめます。前のパーティが居ない状態で登ることをおすすめします。

ギアは多少のヌンチャクとスリグをメインにして、念の為にスノーバーとイボイノシシがあると安心です。ビーコン、スコップ、ゾンデ棒はもちろんのこと、ビバーク用道具は必携です。

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